Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


カーニバル初日


カーニバルの行事は、
正確には去年の11月11日11時11分から始まり、
そして、今日の11時11分から、
Altweiberfastnachtがスタートします。

Fastnacht はカーニバルのこと、
Altweiberには「でたらめ、いい加減」という意味合いがあるようなので、
「バカ騒ぎのカーニバル」とでも訳しましょうか。

この木曜日から、来週の「灰の水曜日」までがカーニバル期間です。

本来、「灰の水曜日」から復活祭までの46日間は、
肉や卵・乳製品を断食する期間であり、
断食に入る前の一週間、
大いに食べ、飲んでおこうという風習が、
カーニバルの起源のようです。

ですが、これだけ大騒ぎをして、
大量に食べ、飲んでしまっては、
たとえ断食しても、あまり意味がないような気がします。
イスラム教徒のラマダン(断食)も、
ラマダン期間の方が、普段より消費量が増えるそうですから、
もう断食の意味がなくなっていますが、それと同じです。

さて、この日の11時11分に、
デュッセルドルフの道化師ホッペディツを
女性たちが鍵で拘束し、市役所を占拠します。

その儀式を見るために、早めに家を出て、市役所前に到着。
トラムの中も、トラムの駅から会場に着くまでの道も、
仮装した人たちだらけ。
普段は、ごっつい感じのドイツ人も、
仮装していると、かわいいです。

女装や男装、
金髪・銀髪・ピンク髪、
ネコ耳カチューシャやデビルの角カチューシャなんか
仮装としては、おとなしい部類に入ります。

ハリーポッターやスーパーマリオ、
スーパーマンにカウボーイ、
ゾンビにハロウィン、
そして、子どもが着るパジャマのような
動物の着ぐるみを身に付けた大人たち。

手持ちの袋やリュックサックには、
ビールやアルコールが大量に詰め込まれています。

そして、私のカメラを見つけるなり、

  「私の写真を撮りなさい!!」

続いて、

  「どこから来たの? 日本から! 楽しんでね!」

こんな感じです。

11時に市庁舎横のステージがスタート。
そして、市庁舎のテラスに、
市長や道化師、そして女性の代表が登場し、
道化師に手錠をかけて、テラスの柵に拘束し、
その鍵を観衆の中に投げ入れてしまって、
カーニバルがスタート。

ステージでは、バンドが入れ替わり立ち替わり登場し、
その前で、仮装姿の人々が手を振り、歌い、踊ります。

  「デュッセルドルフ!」  と司会者が呼びかけると、皆一斉に
  「ヘラウ!!」 

これが、デュッセルドルフのカーニバルの掛け声。

ステージ上で歌われる歌も、たとえば、

  エッフェル塔もケルン大聖堂もないけれど、
  デュッセルドルフは、美しい街。

と郷土愛いっぱいの歌が歌われます。

特にデュッセルドルフから電車で30分程度の距離にある
ケルンに対するライバル意識がむき出しです。

ドイツ三大カーニバルは、ケルン・マインツ・
そして、ここデュッセルドルフなのですが、
ケルンとデュッセルドルフは、
事ある毎にライバル意識を露わにするのです。

  「デュッセルドルフに来たならば、
   デュッセルドルフのアルトビールを飲まなくちゃダメだ。
   ケルンの、ケルシュビールを飲む奴の気が知れない。 
   あんなに色が薄くて、水みたいなビールの、
   いったいどこがいいんだ。」

ことごとく、こんな感じなのです。

11時から2時まで、
ステージ前でのドンチャン騒ぎを楽しんで、
一度休もうと思って、ステージを離れようとしても、
なかなか身動きがとれません。

なんとかステージ前から離れて、
アルトビールの醸造所で、アルトビールを一杯と思っても、
醸造所の前は、店独自のスピーカを並べて、
ディスコ調の音楽をガンガンならしているので、
路上ディスコ状態になっていて、辿り着くことができません。

しかも、足元は、割れたグラスやビン、
紙吹雪や食べ残しが散乱していて、
きたないきたない。
ドイツは環境先進国かもしれませんが、
少なくとも、ここデュッセルドルフの人々は、
環境美化の意識なんて、まったくありません。
カーニバルだから、無礼講ということなんでしょうけど。

ちょっと離れたところにある出店で、
クラカウアーというホットドッグ状のものを食べて、
またステージに戻ろうとしても、
大勢の人混みが押し合いへし合いしていて、
思った方向に通り抜けることができません。

ぐるりと遠回りをして、戻ってみれば、
市庁舎横のステージは終わっていました。
午後になって雲が出てきて、
薄ら寒くなってきたので、
今日はここで引き上げることにしました。

でも、彼らは、これから夜通し騒ぐのだと思います。
明日は、主だった行事がありませんが、
土曜日は、子どものカーニバル。

  はっきり言って、今日のようなドンチャン騒ぎの日は、
  子どもにとって危ないです。

  そのためでしょうか。
  土曜日は、子どもが中心となって、
  午後2時からパレードが始まります。

日曜日は、また今日のようなドンチャン騒ぎが、
会場を変えて行われます。

そして月曜日が、「薔薇の月曜日」と呼ばれる、
カーニバル恒例の大パレード。

初日にこれだけの大騒ぎをして、
果たして「薔薇の月曜日」まで、
体力と気力が持つのか不思議になります。

でも、彼らにしてみれば、
体力と気力を持たせるためにも、
バカ騒ぎを続けているのでしょう。




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