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日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ③


こんばんは!5日(月)は東日本から東北で午前中を中心に雨の降る所が

多いでしょう。北海道と西日本は概ね晴れる見込みです。
南西諸島は晴れ間もありますが雲の多い天気となりそうです。

黄金に染まる
ブナの森へ
岩と紅葉の
コントラスト
雲 流れる山
絶好の登山日和

              天高く空を楽しむ
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               雨飾山

〇山岳気象予報士
 猪熊隆之さん

猪熊隆之さんは登山家を目指していましたが、
大怪我を負い山岳気象の専門家に転身。
今はヒマラヤなどを目指す登山隊に現地の予報を伝え登頂を支援しています。
更に山と空を楽しむツアーも企画し、案内役を務めています。

*撮影:10月中旬

前回は笹平で雨飾山の山頂が見えてきた所まで進み、
猪熊さんがお持ちの風速計のご紹介の手前までのご紹介をでした。
今回はその風速計の使い方からご紹介を致します。

<山旅スタイル> 風速計の使い方

〇風速計の使い方

強風が吹く山の上、風速計の使い方教えてください。

「はい、この中に羽が回ってるんですけれども、
 この羽を風に向かって、こう直角に向けていきます」

〇風に対して直角に
 風速計をあてる

なるほど~、風の方向を見極め、風に対し直角に風速計をあてるんですね。

「今日はですね~、1、2mですね、大丈夫です」

なぜ?ここで使うんですか?

「ここから先、山頂まで風の吹きさらしになりますので、
 体温がどんどん奪われていきます。
 まぁ、特に天候が荒れている時は低体温症のリスクが高まりますので
 ここで風速があまりに強いようでしたら引き返すという判断をします」

〇強風の中

進かどうか判断するために風速計を使う

強風の中、進むかどうか判断するために、風速計を使うんだ。

「人間の体温を奪う大きい気象要因として風があります
 体感温度 体で感じる温度は風速が1メートル増すごとに
 1度ずつぐらいずつ下がると言われています」

〇風速1mにつき体感温度は1度下がる
 風速15mを超えると低体温症のリスクが高まる

風速1mにつき体感温度は1度下がる。
15mを超えると低体温症のリスクが高まるんですって。

遭難を防ぐ為に風速計使ってみよっと。

午前9時半

風も無いし天気もいいし晴れ渡った穏やかな日。
緩いアップダウンを繰り返しながら最後の急登を目指して進む。

それにしても森林限界を越えてないのに全然高い木が無いなぁ。

「ここはあの、豪雪地帯で雪が深いことと、
 風が強いことが原因で木が生育出来ないんです」

へぇ~~、木が無いのは豪雪と日本海からの強風のせいなんだ。

標高は1900m。

「ここから最後の登りになります」

傾斜きつそう。

「60mの標高差なんですけども結構急です」

わっ、大きな岩。

は~、後もう少しだぞ~。

雲が目の高さにある、空に近づいてきたって感じ。

わ~、どうしたんですか?

「あ~、素晴らしい、あそこの見えてる模様、何に見えますか~?」

え~、何だろう?

あ~、人の横顔かな?

「最近SNSなどで女神の横顔に似ているという事で、話題になっております」

へぇ~、結構美人さんだなぁ、面白い。

午前10時、北峰まであと僅か。
うわぁ~、雲に手が届きそう、空が近くなってきた。

〇雨飾山 北峰

「はい、双耳峰の一つ北峰に到着しました~、着きました~」

ありがとうございま~す。

「凄いですね~、ほら、雲が喜んでますよ~。
 あははは、はい、見事なひつじ雲、うろこ雲」

山の天辺(てっぺん)で見る雲は随分印象が違うなぁ。

遠くの山並みも良く見える。

「北アルプスの山並みがずらっと北から南まで勢揃いですね」

〇右側から・・・

 唐松岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳、槍ヶ岳

北アルプスの雄大な眺め、最高だな。

いよいよ最高点のある南峰へ。
4時間かけて標高差800m以上を登って来た。

〇雨飾山 南峰(1963m)

「はい、到着で~す。
 こちらが雨飾山の最高点南峰のピークになります」

何が見えるのかな?

「こちらはですね、東の方の方角になりますが、
 焼山(やけやま)というちょっとゴツゴツした
 活火山の山とその右側にちょっとピラミダルな形をしている
 やはり日本百名山の一つ、火打山(ひうちやま)があります」

同じ妙高連峰の百名山、火打山が頭を覗かせてる。

〇山岳気象予報士
 猪熊隆之さん

「この雨飾山、まぁ、ほんと日本海がすぐそこにありますので、
 天候変化が激しいので、あの気象、遭難にはね、
 注意いただきたい山の一つだなと思っております。
 中腹以下でブナを始めとしてですね、紅葉が素晴らしかったこと。
 そして途中ですね、布団菱岩と紅葉とのコントラストがほんとに見事で、
 もううっとりとしちゃいましたね。
 辛い登りがね結構長く続くんですけども、
 それを終えると、こう苦労が報われるかのような絶景が広がっていて、
 やぁ、ほんとに素晴らしい山ですね。
 改めて雨飾ファンになりました」

猫の耳として親しまれてきた雨飾山。
煌めく紅葉の森を巡り、山に浮かぶ雲を楽しんだ山旅でした。

別の番組をかつて視聴したのですが、
日本海で漁をする漁師さんは昔、
雨飾山に雲がかかると雨になる等、古からの知恵を使っていたようです。
この雨飾山から流れ出た栄養分が日本海に注ぎ、
それが様々な生物の命の営みになっているかと考えますと、
とても生命にとり重要な日本海からの季節風による豪雪の山だけではなく、
色々な意味がある山と感じました。






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