Nicotto Town


あなたに会えてよかった♪


【第2話】青空の行方~ゆくえ~


「はいはい。みんな座って!席は自由だから近くの席にね!」

黒い表紙の出席簿を軽く胸の前で振って、槇原めぐみ先生がざわついている教室にピリっとした指示を出す。

『なぁ、どうしたん?みんな素直じゃね?』
座っていない数人の中にいた拓海が、座った沙也加に小声で尋ねる。
沙也加は無理やり拓海の左腕を掴んで、自分の隣の席に座らせると
『ばかね…知らないの?槇原先生って小柄で大人しそうな顔してるけど、キレたらめっちゃ怖いんだよっ』

「こらそこっ!しゃべってないで前向く!」
槇原先生に指摘された沙也加は一瞬肩竦め、そしてすぐ姿勢を正した。拓海もそれに倣ったのは言うまでもない。

「じゃあ出席を取るからね。呼ばれたら返事して、起立して一言挨拶してください。じゃあ… 天塚 楓さんっ」

「はい」

『…!! 天塚さんが同じクラス?』
拓海は立ち上がった女子生徒の方を目線だけで追っていた。
左右に振り分け、カントリースタイルが肩の辺りで纏まった黒髪は1年の時から変わらない。
しかし、なんだか心が弾んで、少しだけ頬が緩んでいる拓海の姿を、不審そうに横目で確認する沙也加には気付かなかったようで。

「…ん? んーー」
そんな拓海の姿に、少し複雑そうな表情を浮かべて眉を顰める沙也加。

「あまつか かえで です。部活は美術部、趣味は…んっと」
少し言い淀んだ様子だったけど、ちょっと思い切ったように、
「趣味は…電気工作です…」
一瞬ざわつく教室内。楓の風貌から、その趣味は意外な感じだったのがわかる。

「知ってた?拓海…?電気工作ってなんなの?」
「知るかよ…あ、そうだ! 電柱に登って配線つないだりするあれだろ?」
「ん… 多分、全く違うと思う…」




槇原先生は出席番号順に生徒の名を読み上げていく。次々に名前が呼ばれていく中、拓海は楓が気になるのか、チラチラとそちらのほうを見てしまう。
「あんたさー… 不審行動全開なんだけど、何してんのよ?」
隣の席から沙也加に声かけられ、慌てて前を向いたり。
「なっ 何でもないですよっ!気にしないでくださいっ…」

「また丁寧な言葉遣いかぁ、ほんと、分かりやすいなぁもぉ…やっぱさ…拓海って天塚さんのこと…」
その時だった。


「さいとう たくみクン!」
槇原先生が拓海の名前を呼んだ。
「…あ… はいっ」
拓海は、慌てて、でも救われたように返事をして立ち上がる。

「西藤 拓海です、部活は野外活動部で、趣味は…」
にまにまとした表情の沙也加が見上げる。
「昼寝かな… よろしくですっ!」

「しいな さやかさんっ!」
「は、はいぃ!」

「椎名 沙也加です。部活は調理研究会、趣味はやっぱり…お料理ですっ!」

呼ばれて立ち上がり、そして座った彼女に向かって、拓海は笑って余裕の仕草を見せながら
「なんだ沙也加、俺の次に名前呼ばれてたじゃねーか」
「だって さいとう の次に しいな だから ありがちじゃない?」
「ま、そうだけどさ… お前とは幼稚園からの腐れ縁だもんな。しかも小中高とずっと同じクラス…出席番号も続きとかもう何の罰ゲームだか…」
「うるさいなっ 不満なら別のクラスに行けばいーじゃん!」
ぷっ、とふくれた顔になった沙也加はそっぽを向いていて。

「辰衛 健人クン!」
「はい、たつもり けんとです。部活はシネマ部で、生徒会で雑用やってます。趣味は…読書です」
彼は背が高く、きれいに切りそろえられた前髪と黒縁眼鏡が印象的で、なんだか真面目そうだな…と沙也加は思った。

「中宮 由紀菜さん!」
「はい!なかみや ゆきなです。部活は調理同好会、趣味はケーキ作りです!」

由紀菜は同じ同好会なので沙也加もよく知っている。ふんわりとしたボブで、スタイルがいい上に温和なので、男女問わず人気が出るタイプ。だが沙也加は何となく苦手にしているようだ。

「富岳 一平クン!」
「はいっ! ふがく いっぺいです!部活は軽音、趣味はギターです!」
背が高く端正なイケメンで、拓海は『こんなやつが女子受けするんだろうな…うらやましいかも』と密かに感想を持った。
既に数人の女子生徒が、ハートマークになった目を彼にむけているのが分かったくらいだ。

「宝生 結衣さん!」
「はい… ほうしょう ゆい です。部活はやってません。趣味は…ピアノです」
肩までおろした髪はストレートパーかけてるのかってくらいまっすぐで、まるでキューティクル女子だ。その善良そうな笑顔は、クラスの連中が好感を持てたよう。

「由宮 涼クン!」
1年の時、拓海と同じクラスだったやつだ。大人しくているかどうかわかんない存在感のなさが、却って印象に残ってる。

「よしみや りょうです。部活は天文部、趣味は ラジオ聴くことです…」
小さな声で自己紹介を終えて、涼は席に座って下を向く。
天文部だったんだ…などとぼんやり考えていた拓海は、彼の意外に長いまつ毛がなぜだか記憶に刷り込まれていた。

出席をとり終えた槇原先生は、ふぅ、と小さく息を吐いては
「じゃ、これから1年間はこの32名と一緒にやっていきますからね。みんな仲良くするんだよ」
なんだかんだで初回のホームルームは終了。

「さ、このあとは始業式があるからみんなさっさと体育館に移動することっ、教科書の配布もそこでがあるからね!」
と、槇原先生。
しかし、拓海は何だか違和感を覚えて。

なんだろう…と考え、そして、はっと気付いた彼は沙也加に向かい

「なぁ 今から2年の教科書をもらいに行くのに…
何でお前、もう教科書持ってたんだ?」
(続く

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2024/02/06 19:45
登場人物の整理して覚えなきゃ。
でも、学園物は好きだから、次に期待♡
由宮 涼君、ちょっと気になる。ラジオを聴くことが趣味なんだね。
けーすけさんと同じ趣味やん^^
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2021/08/16 14:51
あとでゆっくり読みに来ますっヾ(⑉• •⑉)ノ”
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2021/08/11 22:12
こんばんはみなさまw

天使坂シリーズの第2弾ですが、シチュチェンしてバックデーです。

主人公は西藤クンなんだけど、今回は青春群像っぽくなりそうです。
登場人物ちょっと多めなのは、チャレンジングな試みなのですが、ご意見(厳しめのもぜんぜんおっけ)いっぱいいただければ書く気力につながります。
なのでちょっと長くなりそうな(w)シリーズですが、懲りずによろしくお願いします!
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2021/08/11 22:03
面白い(✯ᴗ✯)
続きが楽しみだよ(人*´∀`)。*゚+
私もこんな書けたらなぁー(笑)
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2021/08/11 20:05
こんばんは~(❀´∀`❀)ノ
じっくり読ませて頂きましたが、登場人物を把握できるかどうか。。。
人物設定が細かくて、凄いなぁ。。って思います。
最後の、一言。。。何でなのかなぁ?  不思議です。
次回、その答えが分かるんですね?
楽しみにしています(*´∇`*)
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2021/08/10 07:01
わあ、いっぱい登場人物がいる~!
名前順が「あ」だから、いきなり来ましたね、
天塚君の妹さんも登場~!
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2021/08/09 23:45
登場人物かなり多め?名前考えて性格その他大変そう・・

けーすけさんの話でオリンピックロス乗り切れるかしらん・・・

楽しみにしてるね~(^^♪
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2021/08/09 22:25
槇原先生を、怒らせないようにね~~(ΦωΦ)フフフ…でも、怒らせたほうが話が面白くなるかも^^

けーす毛さんは、32名を、全て把握してから、青空の行方~を、作ってるのですかぁ???




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