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日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ③     


こんばんは!7日(金)は西日本から北日本で雲が多く、

西日本から東北では雨が降る所が多いでしょう。
南西諸島も雲が多く、にわか雨の所もありそうです。

雪解け水が流れる
    清らかな滝
初夏を喜ぶように
     咲く花々
楽園のような
  山頂の湿原

            初夏!輝く天空の大湿原
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                苗場山

*この番組は2021年8月23日に放送したものです

○登山ガイド 高波太一さん

高波さんの父親は苗場山の山頂で2006年まで山小屋を営んでいました。
高波さんもその手伝いをしながら、ガイドになりました。
3歳の時から登り続けている苗場山は体の一部のようになっているといいます。

*撮影:6月中旬

前回は立山と北アルプスの山々が眺められる所までの紹介でした。
今回は濡れた木道の歩き方の紹介から始めます。

<山旅スタイル>
 濡れた木道の歩き方

「濡れた木道というのは非常に滑りやすくなるんですね。
 まるで氷の上を歩いているようになるんですけれど、
 まぁ歩いて来てですね、着地する時に点で着地しるとツルッと滑るんですね」

一点に体重をかけると摩擦が少なく、滑りやすくなります。

○一点に荷重 ×

「このようにしない為には、足を持ち上げないようにして摺り足で歩く。
 そうするとより安全に歩けますね」

○すり足で歩く ○

「木道にはこのように横木(よこぎ)という木が打ってあります」

○横木

「これは滑り止めの役割をしているんですね。
 これをしっかりと踏んで、これを利用して歩くということがポイントです」

横木を踏まずに跨いでしまう人も多いそうですが、
滑らないようしっかり使いましょう。

○横木を使う

ストックを使う時にも注意が必要です。

「歩く時にですね、ストックに余り体重を掛け過ぎると
 転倒の原因になりますので、あくまで自分の足で歩く。
 ストックは補助程度に考えでください」

「山頂湿原の美しい景色に見とれ過ぎず、足元にも注意して歩きましょう」

頂上の最高地点を目指し、さらに進みます。

「え~、山頂湿原もすっかり雪が解けて、
 どんどんお花が咲いてきてますけど、
 ここには~チングルマって雪解け~するとですね~
 間もなく咲き始めるんですけれど」

○チングルマ(白色のお花)

可愛い花ですね~。

「ここは苗場山のチングルマの特徴は、
 雪があってですね~、泥炭層が広がってますから~、
 栄養が少ないんですよね。
 体を小さくするっていうところで、生き延びてきたっていうそういう花ですね」

だからこんなに小さいんですね~?

「このね、ピンク色の壺形の凄い可愛いこっちのね~、
 これがヒメシャクナゲっていうんですけど」

○ヒメシャクナゲ(薄ピンク色のお花)

この花も小さいですね~。

「小っちゃいんですよね~。
 普通シャクナゲって聞くと大きいのを想像するんですけどね~。
 これも小さくすることでですね、生き延びてきたといったね植物の一つですね」

○シャクナゲ(ピンク色のお花)

○タテヤマリンドウ(紫色のお花)

厳しい環境を生き抜く為にこんな進化を遂げていたんですね。

うわっ、また雪。

「ね~、この辺り2mぐらい残ってるんじゃないでしょうかね~」

「昔小屋があった頃、ここまで冷蔵庫が無かったんで、
 ここに雪室掘って、カレー用のお肉冷やしたりね、そういうのしてましたね」

えへへ、高波家の冷蔵庫ってこと?

「そういったら、そうなりますね、えへへへ。
 おっきい冷蔵庫」

「いい空ですね~。
 空へ昇って行けそうな感じがします」

この辺りは七月半ばまで雪が残るといいます。
初夏を迎えた湿原を真っ白な雪が覆う雄大な光景です。

出発から5時間半

「もう目前です」

「あっ、着きました。
 ここが苗場山の山頂ですね~。
 え~、標高2145m~」

○苗場山 山頂(2145m)

やった~。

「「バンザーイ」って感じですね~、えへへ」

ありがとうございます。

「はい、ありがとうございました、お疲れ様でした」

高波さんの山小屋はこの辺にあったんですよね~?

「あっ、そうなんですよ。
 ここは今は何も無い跡地なんですけど、
 ここにですね、10数年前まで遊仙閣という名前の二階建てのね
 小さい小屋でしたけど建っていたんですね」

○山小屋「遊仙閣」(2006年まで営業)

      母 恵子さん

 次女 花織さん      高波太一さん

「学校が無い日なんかはお母さんと兄弟と一緒に
 上へ登って来るとお父さんがいるっていうのがね
 やっぱ嬉しかったかなっていうのが凄くありますね」

 父 菊男さん       高波太一さん

「小屋が無くなっちゃったんですけど、
 こうして~あの~、まぁガイドという形でですね
 まぁ沢山の人達に苗場の良さを伝えられていって、
 まぁやっぱ私凄く幸せですね。
 凄く思います」

山頂近くの山小屋に泊まり、翌朝御来光を見ることにしました。

夕方、霧が出てきました。
明日は晴れてくれるかな~?

2日目

翌朝午前4時、御来光を見る為に山頂部の東側へ向かいます。

天気は~?

「お~、本当にいいんじゃないでしょうか?今日は。
 朝焼けが始まってますね~。
 遠くの方からですねオレンジ色にだんだんと色付いてきてる感じですよ~」

「お~、凄~い」

歩くこと10分

午前4時20分、力強く燃えるような御来光です。

○登山ガイド 高波太一さん

「やっぱり苗場山に来て一番見て欲しいのは~まさにその急登を登って来て、
 最後にこの大きな湿原ですね。
 凄く広がっている所。
 そこの驚きを是非ね感じてもらいたいというのがありますね。
 まぁ3歳ぐらいの頃からですね、
 お父さんにその頃はおんぶされて来たと思うんですけれど、
 もう何回登ったか分からないぐらいですね。
 やっぱり何回来てもいいとこだなと思いますね」

真っ平らな山頂に大湿原が広がる苗場山。
その類(たぐい)まれなる姿を堪能した山旅でした。

旅のスタートは長野県側の山の麓にあります苗場神社で
高波さんと待ち合わせでした。
午前9時出発、高波さんは長靴を履いていました。
凄い履きやすいそうです。
そして雪の上に座る時に凄くあったかいので尻皮を着けていました。
苗場山への道沿いには田んぼがありました。
小赤沢川沿いを歩いて行きますと、大ゼンノ滝という落差が
15mの滝がありました。
さらに沢沿いを進んで行きました。
名も無き滝がありまして凄く岩肌に沿って優しく流れている感じの滝でした。
しばらく行きますとジュウイチという鳥が「ジュウイチジュウイチ」と
鳴いていました。
そしてハリギリの木ありました、樹齢は推定150年です。
ウダイカンバも生えていまして潜(くぐ)って行きました。
ネズコという木も生えていまして、とても根っこが立派でした。
出発して3時間、山の中腹まで来ますとそこには。
イワカガミ、マイヅルソウ、ムラサキヤシオツツジ、サンカヨウが
咲いていまして凄い綺麗でした。
樹林帯を抜けますとここから岩場です。
鎖に頼らずに登りました。
そしてグングン高度を稼いでいきました。
そして左側にはシラネアオイという薄紫色のお花が。
高波さん親子が笹を刈り、増やしていったそうです。
標高が2000mを超えますと、雪が出てきました。
出発から4時間半苗場山頂湿原に到着です。
池塘もありとても美しい光景でした。
この天上の楽園が、いつまでも続いて欲しいと感じました。





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