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日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ③     


こんばんは!3日(金)は、北日本と東日本日本海側では雲が多く、

北海道では雪、東北から東日本日本海側では雨か雪の十所がある見込みです。
その他の地方は概ね晴れるでしょう。

巨大な噴火口 御鉢
霊峰 高千穂峰
生き生きとした自然
美しい火口湖 大浪池
最高峰 韓国岳

             多彩な表情の活火山
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                霧島山

〇登山ガイド 野元尚巳さん

地元鹿児島出身の野元尚巳さん。
若い頃から霧島山に親しみ、40歳でガイドになりました。

*撮影:10月下旬

前回は霧島神宮の元宮に到着の所までの紹介でした。
今回は霧島神宮の元宮の紹介から始めます。

〇霧島神宮 元宮

実はこここそが霧島神宮の始まりの地。
しかし、奈良時代の噴火で焼失し、登山道の入口付近。
さらにもっと麓へと移っていったのです。
「あまり大きな噴火はしないでください」。
人々はそう祈ったと伝えられています。

「それでは高千穂峰に向かって行きましょう。
 こっからがもう最後の登りになってきますけれども、
 段々と急になってきま~す」

「神様が降臨した峰に行く訳ですから、やはり緩くはないです」

高天原から降臨してきた瓊瓊杵尊(にぎにのみこと)。
ここに降り立った時、いったい何を思ったのだろう?

〇高千穂峰(1574m)

「高千穂峰に到着です。
 は~、標高1574m」

ありがとうございました。

「霧島連山が見えてま~す」

〇御鉢(1420m)

周囲に広がる霧島山の火山群。

〇韓国岳(1700m)

そして名峰高千穂峰の頂には天の逆鉾(さかほこ)。

〇天の逆鉾

戦の無いよう願った瓊瓊杵尊が二度とこの剣を握らないで済むようにと
思いを込めて岩に突き刺したと伝わっています。

ここで山旅スケッチ。

<山旅スケッチ>
 坂本龍馬の新婚旅行

この天の逆鉾を引き抜いたという豪傑がいます。

〇坂本龍馬

幕末の志士坂本龍馬です。

     龍馬                    お龍(りょう)

井口家アルバム 井口家伝来 幕末・明治期歴史資料のうち「お竜」
 京都国立博物館所蔵

高知県立歴史民俗資料館蔵

妻お龍と共に霧島を訪れた龍馬。
日本最初の新婚旅行とされています。

〇霧島温泉郷

霧島山の麓に広がる霧島温泉郷。
1866年京都の寺田屋で襲われ、
傷を負った龍馬はお龍と共にこの地に療養に訪れました。

〇塩浸(しおひたし)温泉

まずは塩浸温泉へ。

〇龍馬が訪れた頃

10日余り滞在し傷を癒やしました。

〇高千穂峰

そして兼ねてより憧れていた高千穂峰へと向かいます。

〇犬飼滝(いぬかいのたき)

途中立ち寄った犬飼滝。
この滝を龍馬は絶賛しています。

実(げに)此世(このよ)の外(そと)かと
おもわれ 候ほどの
めづらしき所ナリ

高千穂峰に登ったのは5月。
あのミヤマキリシマが咲き誇っていました。

キリシマツツジの一面にはえて
実につくりたてし如(ごと)く きれいなり

             慶応2年12月4日
          姉・坂本乙女(おとめ)宛(複製)

お龍の手を引き名峰の頂を極めた龍馬。
その時の様子を姉・乙女宛の手紙に綴(つづ)っています。

〇NPO法人薩摩龍馬会 代表
    中堀清哲さん

「こういう山だったよってお姉ちゃんに、
 こう説明してるこう絵が載ってるんですね。
 朱色で山に登ったルートがちゃ~んと書いてある。
 頂上に着いたらこの逆鉾がありましたよと。
 この逆鉾に触っちゃうんだよね。
 えいやとお龍と2人で引っこ抜いちゃったんですね。
 お姉ちゃんに向けて何ていうか、
 龍馬の素の部分が非常にこう現れてる心温まる手紙なんじゃないかな~と
 思いますけどね~」

〇霧島神宮

高千穂峰を下りた後、龍馬は瓊瓊杵尊を祀る霧島神宮に足しげく通いました。

樹齢1000年近いこの御神木を見て過ごしたといいます。

激動の時代に波乱に満ちた短い生涯を終えた龍馬。
霧島への新婚旅行は忘れられない思い出だったに違いありません。

2日目

〇韓国岳(からくにだけ)

二日目、この日は霧島山の最高峰でもある韓国岳を目指します。

〇えびの高原(1200m)

えびの高原の登山口を出発。

「はい、あちらをご覧くださ~い。
 韓国岳、霧島の最高峰です」

〇韓国岳(1700m)

あの~、山が二つあるように見えるんですけど~?

「あの切れ込んだ部分が山体崩落。
 どわ~と噴火で崩れちゃって」

〇爆裂火口

17000年の噴火によって出来た爆裂火口。

噴火の際、岩屑が飛び散った周辺部には今も荒れ地が。

「アカマツの赤ちゃんですね。
 荒れ地にも芽吹いてきたんです。
 最初に生えるしっかりした木。
 これがあのアカマツです」

いきなり活火山の荒々しさを感じさせる光景。

ところがしばらく進むと雰囲気が一変。

実は韓国岳は最後の噴火から時間が経っている為、
周囲の自然が豊かさをかなり取り戻しているんです。

「アカマツも綺麗ですね。
 高千穂の周りっていうのは新燃岳の噴火の影響を受けましたので
 枯れている木が多いですけれども、
 この森は噴火の影響を受けなかったんです」

〇常緑樹 アカマツ

高千穂峰では枯れ果てていた常緑樹のアカマツが
ここでは森の主役として存在感を示していました。

そして落葉樹との紅葉との対比もバッチリ。

「コシアブラが綺麗ですね~。
 黄緑色に光ってま~す」

〇落葉樹 コシアブラ

〇落葉樹 カナクギノキ

「そしてこちらはカナクギノキです。
 このアカマツの森の中でとても鮮やかな黄色です」

この豊かな森、火山があったからこそ生まれたものだといいます。

「この黒っぽい土、これは黒ボク土です」

                黒ボク土  
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              火山灰+腐植土

「火山灰や植物の腐ったものと混ざって出来ていた土ですね」

火山が生んだ森を育む土。
その後、噴火の影響が少なかったこの一帯は巨木の森に。

「ここはアカマツの巨木とかミズナラの大きな木が生えてますね」

「ブナの紅葉が始まってますね。
 このブナの木は豊かな土壌があるからこそ育っていくんです。
 ブナといえばドングリです。
 ドングリがあるからこそ色んな生き物がまたこの森で生きていけるんですね」

〇ムギマキ

秋、食べ物を求める渡り鳥も加わり、森は一気に賑わいます。

〇ミソサザイ

〇コゲラ

山頂に向かう前にちょっと寄り道することに。

「ご覧くださ~い。
 大浪池(おおなみのいけ)です」

うわぁ~、真っ青~。

今回は大浪池に到着した所までと致します。
次回はいよいよ韓国岳山頂を目指します。





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