Nicotto Town



日本百名山 ~ BSプレミアム ~ ③    


こんばんは!7日(金)は、西日本では午前を中心に、

東日本から北日本では一日中曇りや雨となるでしょう。
西日本から東日本の太平洋側では雷を伴った
非常に激しい雨の降る所もありそうです。
南西諸島も雲の多い天気となる見込みです。

厳冬のアート
大噴火で
  山が崩れ
大噴火で
 山が生まれる
ニホンカモシカ
外輪山を抜け
 火口の間近へ

              雪化粧した活火山
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                浅間山

〇山岳ガイド 赤田幸久さん

長野県で生まれ育った赤田幸久さん。
これまで6度に渡って南極観測隊に参加。
南極での越冬経験もある冬山のエキスパートです。

*撮影:1月下旬

前回はトーミの頭へ到着した所までの紹介でした。
今回は黒斑山の紹介から始めます。

〇黒斑山(2404m)

「けど黒斑山って元々、2800mの標高があったんですよね」

えっ、縮んじゃったの?

「約2万4千年前の噴火活動で山体崩壊を起こして、
 山全体がガラッと崩れ落ちたわけですね。
 で、その後、釜山や前掛山。
 それが誕生した訳です。
 火山の凄まじいエネルギーを感じますね」

         黒斑山

    約2万4000年前

               資料提供 浅間山北麓ジオパーク

黒斑山が大噴火したのはおよそ2万4000年前。
山頂の半分が崩れ落ちました。

    前掛山

 約1万年前以降

その後、噴火を繰り返すなか、前掛山が誕生。

天明の大噴火(1783年)

そしてあの天明の大噴火によって、現在の火口がある釜山が出来たんです。

     釜山


   天明の大噴火(1783年)

いよいよ黒斑山の頂へ。

「はい、お疲れ様でした~。
 黒斑山到着で~す」

ありがとうございました~。

「いや~よく見えますね~。
 さっきまで前掛山で見えなかった釜山と上がよく見えますね~」

釜山の火口から立ち昇る噴煙。

「いかがでしたか?黒斑山は?
 登りやすかったでしょ?」

はい、とっても。

「明日はこの谷合い登って、あの急斜面。
 そして、前掛山に登ります。
 ガトーショコラみたいに甘くはないですよ」

えっえっ、そうなんですか?

                  前掛山

<山旅スケッチ>
 活火山 温泉の宝庫

活火山の浅間山。
周辺は温泉の宝庫です。

黒斑山への登山口の近くには

雪上車で行(ゆ)く秘湯が。

〇高峰温泉

辿(たど)り着いた高峰(たかみね)温泉。
乳白色の湯は源泉掛け流し。
カルシウムが豊富で飲むことも出来ます。
さらに屋外には何と野天風呂。

〇野天風呂

標高2000m、絶景を堪能出来るまさに秘湯です。

こちらは第二外輪山、前掛山の登山口にある天狗温泉。

〇天狗温泉

その湯の色は?赤褐色。
鉄分が豊富で日本有数の含有量を誇ります。
湯に浸かれば体の芯までポカポカ。

登山客の男性「これは極楽です、アッハッハ。
       明日は疲れ残らなそうなので、
       また山行っちゃおうかなみたいな気持ちになりますね~」

心と体に染み渡る最高のご褒美。
これも浅間山登山の魅力です。

2日目

〇登山口
 天狗温泉

おはようございま~す。

「おはようございま~す」

今日は早いんですね~?

「前掛山は往復およそ8時間のロングコースですし、
 稜線では風の影響を受けるんで、余裕を持って早く出ます」

分かりました。

「じゃあ行きましょう」

よろしくお願いします。

「え~、この橋の下を流れるのが浅間山が源流の蛇堀川(じゃぼりがわ)です」

「雪の白とコントラストが綺麗ですよね?
 まさに火山らしい川ですよね?」

鳥居がありますね~?

「はい、ここが一の鳥居です。
 この先に二の鳥居とあって~、さらにその先に浅間(あさま)神社があります」

少し登ると、赤田さんおすすめのスポットが。

「見えてきましたよ」

えっ、何これ?

〇不動の滝

「不動の滝です。
 いいですね~。
 ここの氷瀑はやっぱり火山ならではの氷瀑ですよね~。
 溶岩があり火山堆積物があって、そして褐色の氷瀑。
 他では見れない氷瀑ですね」

ちょっと神秘的ですね~。

「風邪の影響で氷柱(つらら)状に成長した氷が曲がってるのが見えますよね~?
 これも強い風の影響で成長したものですよね。
 水の流れと風で、あの常に同じ形ではいないという諸行無常というか、
 そういった印象ですよね」

続いて二の鳥居へ。

〇二の鳥居

目の前に外輪山の急峻な崖が。

〇カモシカ平

「この辺りは~カモシカ平(だいら)といって、
 カモシカがとてもよく見られる場所なんですよ」

え~、カモシカがいるんですか?

「はい、実は浅間山は日本でも有数のカモシカの生息エリアなんですよ。
 ここはいつもあの斜面で時々見かけるんですけどいないかな?
 あっ、あれ、あれそうかな?」

え~、どこどこ~?

「尖(とん)がった岩壁の下なんですけど、ずうっと右に視線を送っていくと。
 あそこにいます。
 見えますか?」

〇特別天然記念物
  ニホンカモシカ

ニホンカモシカ、国の特別天然記念物です。

「人が寄りつけないような、あの急峻な外輪山の中でね、
 静かに冬を過ごしているんですよね。
 何か毛並みがフワフワしてて可愛いけど、逞しいという。
 可愛さと逞しさを併せ持った動物ですよね」

「外輪山の中へ入って行きますか」

「ほら?素敵なログハウスでしょ?」

〇火山館

「ここは火山館ですね」

河口まであと2km程の場所にある火山館。
地元自治体が管理する休憩所です。
緊急時の避難用シェルターも備えています。

〇シェルター

「火山館の隣りにあるのが浅間神社です」

〇浅間神社

浅間山は古くから山岳信仰の対象とされてきました。

「さぁ行きましょう」

平らな所に出た。

「この辺りは湯の平(ゆのたいら)といって、
 あの黒斑山の山体崩壊によって出来た平坦地形なんですよ」

〇湯の平

黒斑山の崩壊によって出来た第一外輪山とその後誕生した第二外輪山。
湯の平は二つの外輪山の間に広がっています。

   第一外輪山


       湯の平    第二外輪山

〇賽(さい)の河原

「はい、え~賽の河原分岐到着です。
 で、この先間もなく森林限界になるんですけど~、
 森林限界超えるともう別世界で~。
 まぁ浅間山独特の強風に晒(さら)される可能性もあります。
 え~ですのでここで装備を万全にしておきましょう」

まず、万が一の噴火に備えてヘルメットを装着。
そして強風対策。
手袋は二重のものに。
目出し帽やフードは顔周りの凍傷予防にも。

森林限界を超え、遮るもののない斜面。
風が吹きつける。

「おっ、いよいよ釜山の噴気が見えてきましたね」

「山頂エリアに到着です。
 目の前に見えてるのが釜山ですね。
 登りたいですけど、こっから先は立ち入り禁止です。
 え~、今山頂で登れるのは、あそこに見える前掛山です」

今回は山頂エリアに到着した所までと致します。
次回はいよいよ前掛山を目指します。






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