Nicotto Town


モリバランノスケ


タロー

今日も、気持の良い、スカッとする朝だ。私は妻と朝食の最中である。もちろん、愛犬クリも一緒だ。リビングの窓を通して、水平線から、すこしづつを昇りゆく太陽に照らされて、キラキラと輝く大海原と真白な砂丘が見渡せた。

クリが、ピンと耳を立て、外の様子を伺っている。その時、窓枠にはめた網戸に蝶が止まる。
白い羽と黒いすじが特徴、サイズが日本最大級オオゴマダラである。彼女が、クリに話しかけてきた。(庭に、タローが来ているよ)。クリは、それを聞き、何処か落ち着かない様子。
<ホントウニ、早く会いたいなー>と、呟く。

私は、クリに言いすくめる。<君の気持ちは、良く分かる。でも、朝食の途中。先ずは、落ち着いてしっかりと、食べなさい。今、している事に集中しないと!。それに、胃腸に良くないですよ>。彼は、素直に、ハイ、とうなずく。

タローは、島の在来種、ミヤコウマである。我々が島を離れる夏の間を、友人のTさんに預けられていた。多分、クリが戻って来たことを蝶のオオゴマダラから聞いて、大親友のクリに会いたくて、居ても立ってもいられなかったのだ。ミヤコウマは小型で脚が太い。北海道の在来種、ドサンコのようで、親近感が持てる。

外に出たクリは、一目散にタロ---のもとに駆け寄って、互いに、体や鼻を擦り合わせたり近づけたりしながら、ジャレ合っている。微笑ましい光景である。しばし離れていた寂しさを、こうして友情を確かめ合うことで、埋めているのだろう。その様子を、眺めながら、イイコトダ、良いことだ、と、ガッテンしている私が居る。




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