Nicotto Town


モリバランノスケ


海をわたる

今、ログハウスの二階ベランダから、庭を見ている。さすがに南国だ。北国と違い、この季節でも赤、白、橙と様々な花々が、咲き乱れている。愛犬に(外に出て運動する?)と、話し掛ける。 彼も同意見の様で、首を縦に振った。

くりは、外に出ると、芝生の上で、寝そべったり、歩き回ったり、そして、跳ねたりして、体を躍動させている。楽しそうだ。昨夜の睡眠で彼の心は大いにリラックス。が、硬直した筋肉を解きほぐしているのかも知れない。その時、花の周りを忙しげに旋回していた蝶が、彼のそばに。耳元にやって来て、そこに、止まった。

彼女は、昨日のオオゴマダラである。二人は親しげに話し始める。
クリ <久し振りに会えて嬉しかった>
彼女 (私もですよ。お元気そうでなにより)
クリ <半年前に北の国で会って以来だね>
何やら、親密な話が、しばし続いて行く・・。

家に戻ってから、(親しげに、何を話していたの?)と、クリに聞いてみる。会話は、にわかには、理解し難く信じられない内容であった。

クリから聴いた話

彼女は、日本列島を、南から北へ、北から南へ海を渡って旅をしている。もっと遠く、台湾や小笠原にも行くことがある。その理由は、自分にも分からない。けれども、そうすることは、とても、トッテモ、トッテモ、楽しい!!。
多分、元々、自分にそなわった本能かも知れない。でも、どうしてか、このことを、人には知られたくない。先祖の生まれた場所は、この島。だから、この島では、オオゴマダラと名乗っているが、島を出ると、アサギマダラと言っている。

聴いていた私は、思わず、彼に言葉を掛けた。

<そうか、分かったよ。北の国で出会った二人が、ここで再開出来た、理由が!>。




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