Nicotto Town


天使の棲む街


月明かりの下音楽を奏でる僕の猫

私が小学2年生になったばかりの頃、ペットショップで1匹の子猫に出逢いました。
ベースがシャムネコのような淡いベージュに黒い手足と尻尾、
そして吸い込まれそうな印象的な青い目。
そのくせ額にはアメショのような独特な模様。前足には茶色いトラ模様。
所謂雑種だったのですが、雑種とは思えない気品と強いまなざしに
家族全員惹かれて我が家で飼う事になりました。

この猫、雑種のくせに自分を血統書付のシャム猫かなんかだと
勘違いしてるんじゃないかというくらい気が強くプライドの高い子で、
まだ子供だった私の事をたまに完全に舐めた態度も取ってくれてました。
でもそれでもやっぱり可愛いので大好きだったのです。

しかし、当時転勤族で借り社宅住まいだった我が家、
お隣の大家さんが猫あまり好きでない為、
色々とウチの猫に対して言いがかりをつけてきて(勿論全て言いがかりとは言いませんが)
このまま家に置いておくのは却って猫に可哀想だと判断し、
祖父母の家に預ける事になりました。

そうこうするウチ、祖父が2度目の心筋梗塞で倒れました。
ちょっと前にも同じ心筋梗塞で倒れていたので大人達はかなり覚悟していたようです。
お見舞いに駆けつけていたちょうどその頃です。
預けていた猫がふっつりと姿を見せなくなりました。
お見舞いの後何が何でも連れて帰る、そう思っていた矢先の蒸発でした。
一生懸命探したけれど見付かりません。私や家族は泣く泣く諦めました。

ただ、不思議な事にその後、祖父の病状は驚く程の回復を見せました。
まだ小さかった私はよく分からなかったけれど、心筋梗塞で2度も倒れて
こんなに回復する人は珍しいとお医者様に言われたそうです。
もしかしたら、あの子が祖父の病気を持っていってくれたんじゃないか?
いつしか家族の間ではそういう話で落ち着きました。

もう何十年も前の話ですが、今でもふとした拍子に思い出します。特に月の綺麗な夜は。
1年にも満たないほんの短い期間の楽しい時間と、
大家さん達から守ってあげられなかった苦い後悔と共に…。
月夜の晩に屋根に登って月を眺めていたあのプライドの高い子猫は
今でもまだどこかの家の屋根の上でこの月を眺めているんじゃないかって。

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2009/11/28 00:07
>アルク様

コメントありがとうございます。
猫というのは不思議なもので、大概蒸発してその最期を見せてくれないので
居なくなってからもずっとどこかで生きてるような気がしてしまいます。
見守って貰えるほど、感謝されるような事は何一つ出来てなかった気はしますが、
もしあの子が今もどこかで見守ってくれているとしたら、こんな嬉しい事はないのかもしれません。
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2009/11/27 18:00
そう、思いたいですね。きっとその猫はお世話してくれた祖父様の病気を
どこかへ連れて行ってくれて、今もどこかで同じ月を眺めていて。
そして今もどこかでくりすさんの家族を見守っていてくれているんじゃないかな、と^^
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2009/11/27 16:44
>優艶様

コメントありがとうございます。
この子猫(居なくなる頃にはかなり大きくなってたけど^^;)と過ごした時間は
本当にわずかな期間でしたが、それ故に印象深い思い出です。
私は可愛がっていたと言っても子供としての一方的な愛情の押し付けだったので
猫としては恩を感じていたかは分かりませんが(苦笑)
世話をしていた母方の祖父だったので、母への恩返しだったのかもしれません。
こんな形で居なくなった事は寂しいけれど恩返ししてくれたのかな?って
思う事によって少しは救われる気がします。
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2009/11/27 16:25
うん…ちょっときゅんと切なくなる思い出ですね。
不思議な力をおじい様に残して行ってくれたのでしょうね。
それが猫ちゃんが可愛がってくれたくりすさんへの恩返しだったのかしら。
そう思うとなんだか暖かい気持ちになります^^



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