昨晩お袋が亡くなったという連絡を受けたのは今朝の事だ。もう何年か前から入居していたホームで夕方容態が急変し、
意識が戻らないままそのまま眠るように逝ったと、
施設の職員からの説明を受けたが哀しいほど実感は湧かなかった。 殆ど育児放棄のような家庭で育った自分は奨学金で大学に行き
就職と共に故...
日々の事やら趣味の事、たまに気まぐれに短編詩とか徒然に…。
昨晩お袋が亡くなったという連絡を受けたのは今朝の事だ。もう何年か前から入居していたホームで夕方容態が急変し、
意識が戻らないままそのまま眠るように逝ったと、
施設の職員からの説明を受けたが哀しいほど実感は湧かなかった。 殆ど育児放棄のような家庭で育った自分は奨学金で大学に行き
就職と共に故...
職場の近くに好きな人の家があるというのは善し悪しだ。
行くつもりなんかなかったけれど、あの人の家の近くを通ってみた。
バッタリ会えたって気まずくなるだけだと分かっているのに。
超絶方向音痴なはずなのに、場所なんかうろ覚えなはずなのに
何故かちゃんとたどり着けた。
幸か不幸かあの人の姿はどこにも見...
お願い、誰かここから出して…いえ、出さないで。
私をこのまま眠らせて。
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友達に呼ばれる声で少女は我にかえった。
夢?だったのだろうか。
こんな真昼に歩きながら白昼夢を見るなんて。
それにしてもやけにリアルな夢だったと思う。
アリスの魂を救うと言わ...
ここはどこだろう?
あれからどのくらいの時間が経ったのだろう?
そもそも私には”あれから”以前前の記憶など私にはないのだけれど…。
私は誰だったろうか?
どうしてここにいるのだろうか?
あの人は無事だろうか?
そうぼんやりと思うけれど、”...
甘やかな棘、になりたいと…由香里はふと、思った。
何故そんな事を思ったのだろう。
暗い窓の外は雪が静かに降り積もっている。
ここは少し古びた昔ながらの喫茶店だ。別に馴染みの店というわけではない。
不慣れな土地で人と待ち合わせをしていて、
降り出した雪の冷たさに耐えかねて手近な所に飛び...