「加藤さん・・・加藤千穂さんが、交通事故でなくなりました・・・」

え・・・・・・　嘘でしょ！？誰か、嘘って言ってよ！

「それってホントなんですか！？」

「本当です・・・」

「そんな・・・」

そんな・・・千穂が？死んじゃった？まだ・・・仲直りしてないのに。。。
私は、無断で教室を出た。

もちろん目的地はある。　千穂の家。

走った。走るのは、あまり速くないのに、
とても走るのが、速く感じられた。

「はぁ・・・はぁ・・・・」

着いた・・・千穂の家・・・・・・！
ぴ
「ピーンポーン・・・♪」

「ガチャッ」

あ、千穂ママ　

「来てくれて、ありがとう。　入って」

そういった、千穂ママは、涙が流れていた。
頬に涙がつたってる・・・・。

「紅茶で・・・いいかしら・・・？」

「あの・・・千穂の部屋に入っていいですか・・・？」

「目的は、それでしたね・・・・。どうぞ・・・。」

私は、机の上を見た。
あ、私のあげた消しゴム・・・シャープペン・・・

一番上の、引き出しを開けてみた。

これは・・・日記帳？

「パラ・・」

！　これは・・・！　　日記帳なんかじゃない！
私への、手紙・・・・・・

“ユナへ　この間は、絶交なんて言ってゴメン。私、あの後、反省したんだ”
“今頃こんな事言われても、許してくれないかな？”
“私は、ユナがそばにいない事で、初めて分かった事があるの”
“それはね、ユナがいないとさみしいんだ、って事”
“バカみたいな話かもしれないけど、私には大切な話”
“後ね、ユナ、私は、ユナがいなかったら、
　何もできないって事も、分かったの”
“ゴメンね、ユナ、大好きだよ・・・・”

「・・・っ・・・・っ・・」

私は、すごく泣いてしまった。　

千穂が、そんな事を思っていたなんて。
千穂も、私の事、大好きって思ってくれてたんだ・・・・。

そんな事、知りもしなかった・・・。

なのに、私はそのままの思いをぶつけちゃって・・・・・。
ゴメン、千穂・・・・・・・千穂・・・千穂・・・・・・

「いいよ・・・」

ぇ？　千穂の・・・声？
千穂が・・・透けてる・・・でも、千穂が・・・いる！

「ち、千穂・・・・？本物の千穂・・・？」

「そうだよ。　私は本物の千穂だよ。　もう死んじゃったけど、私はユナの事、
　大好きだよ。　仲直り、してくれる？」

「千穂・・・・・・！　仲直り？もちろんだよ！ゴメンね、千穂・・・！」

私は泣きじゃくった顔で答えた。

「ありがとう。仲直りしてくれて。　こっちこそ、ゴメンね、ユナ・・・」

「千穂・・・！千穂、千穂ぉ・・・・」

「ユナ・・・・・・」

「何？何？」

「私さ・・・もう成仏しなきゃいけないの・・・・」

「そ、そんな・・・・・　嫌だょぉっ　千穂ぉ・・・・・・」

嫌々をするみたいに、私は首を横に振った。

「ユナ・・・あと一つだけ・・・言いたい事があるの・・・」

「うん・・・・どうしたの・・・？」

「鈴木君と、付き合いな！　応援してるよ・・・！　それじゃぁ、バィバィ・・・」

「ぇっ？　千穂！千穂！」


そう叫んだときには、もう千穂はいなかった・・・・・・。
成仏・・・しちゃったの・・・・？

「千穂ぉっっっっっっっっっっっ！！！」

大きな声で、叫んだ。

すると、

「私は大丈夫。　頑張ってね・・・・・・・！」

千穂・・・

「うん、頑張るね・・・・・！」

もう、返事はかえってこなかったけど、私は、泣くのをやめた。
頑張るって、約束したんだもん・・・・・・

後、告白の・・・返事・・・しなきゃ・・・

千穂・・・ありがと・・・


　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく