未題(簡易設定1)
- カテゴリ:自作小説
- 2017/06/25 15:20:31
ただ其処に居たんだ。
僕も君も誰もが・・・そこに居たんだ。
ただ居るだけなんだ。
手を伸ばせば一人じゃないのに、誰も手を伸ばそうとしない。
そう、誰もが手を伸ばせば隣人が居るのに、
誰もが孤独で、誰もがそれに涙を流してる。
ただ己すらそれを知らない。
覚えてますか?アナタが子供の頃に求めた夢を
覚えてますか?アナタが子供の頃に伸ばした手を
覚えてますか?アナタが子供の頃に・・・
僕は人が凄く好きなんだと思う、だけど幼い時と違って手の伸ばし方を忘れてしまったのだ。
こんなに寂しくて、そして僕の心を凍らせていく。
幼い自分は幼馴染の女の子といつも通りの、何も変わらない世界を歩き、そして当たり前を過ごすはずだった。
教室の黒板に相合傘が書かれてる。そう今ならこう言うだろう「当たり前の事を書くなよ」
だけど幼い自分はそれとは真逆の行動と言動をとる。
「そんな訳ねえだろ!!」
女の子と繋いでた手を乱暴に離し、そのまま黒板を消す。
あの時から僕たちは
あの時から私たちは
当たり前の世界を(が)壊れてしまった。
そして高校生の時に・・・僕達どころか本当に世界が消えてしまった。
世界は終わってしまったのだ。
彼女に(彼に)想いを伝える事もなく
「なぜ僕は・・・あの時に繋いだ手を離したんだ?」
「なぜ私は・・・あの時に離れた手をつなぎ直せなかったんだ?」
終わる世界にたった一度の奇跡が起きるなら・・・
「僕は(私は)!もう一度繋ぎ直す!」
無事でなによりです。