恋人を射ち堕とした日
- カテゴリ:小説/詩
- 2017/02/10 18:01:07
[Sound Horizon LOSTより]
私は恋人の願い通り銀色の矢を放った・・・。
書に記述されし一節
[その魔物に傷を負わされた者は呪いが全身へと駆け巡り、やがては同じ魔物に成り果てる]
デアイ ハ ソウシツ ヘノ ヤクソク
初めての出合い・・・私に襲い掛かった魔物の爪を彼が身代わりとなり防いでくれた。
私は一瞬の出来事に言葉を失った。
彼は深手を負いながらも魔物を見据え、銀色の矢を放つ。
何度でも何度でも、息絶えるその瞬間まで。
私は琴の糸が切れたようにその場に崩れ落ち、感情が突起し不安と安堵から涙を流した。
そんな私を彼が優しく抱きしめてくれた。
彼の傷が癒えるまで私はずっと傍に居た、そしてお互いを愛し合った・・・・そんな幸せな日が長く続くと思ってた。
彼の傷が癒えない・・・・月日が経ち、私はある書物を見つけた、父が残した1冊の書物・・・・・
書に記述されし一節
[その魔物に傷を負わされた者は呪いが全身へと駆け巡り、やがては同じ魔物に成り果てる]
私は悲壮感からその場に座り込んでしまった、
そして時を同じくして彼は自分の愛用した弓矢の手入れをしていた。
「・・・・ゴメン」
彼の謝罪は誰に向けた謝罪なのだろうか?
満月の日
彼は静かに弓矢を彼女に握らせた。
その時、彼女は何も話さなくても彼が悟ってる事を知った。
そして彼も彼女がこれからの未来を知ってる事を悟った。
「お別れだ・・・最後はせめて愛おしい人の手で・・・」
彼の体は満月が近づくにつれて体から血を噴出し変形していく。
それはこの満月を境に彼が魔物へと成り果てるということ。
そんな彼に近づき彼女は口付けをする。
きっとこれが最後になると知りつつ・・・・。
出合いは喪失への約束・・・・
彼女の瞳から流れ出た涙は枯れ果て、哀しみの蒼い焔を瞳に宿し・・・・・・・
銀色の矢を放つ
何度でも何度でも彼が息絶えるまで・・・・・・・。
・・・・・・ロスト・・・・・・
愛する人を失った世界にはどんな色の花が咲く?
彼女はそれを知ることはないだろう
なぜなら最後の1本の銀の矢を真上に放ち
重力に身を任せ堕ちて来る銀の矢は彼女の胸を貫く。
倒れた彼女の手は最愛の彼の手と重なり
まるで永遠の愛を誓われたかのように・・・・。
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Sound HorizonのLOSTの中にある歌を物語にしてみました。
ちょっと切ないですね。。。
今年もあとわずかですね
よいお年をお迎えください♪
会えてよかったあ(^^♪
久々にブログのお部屋のお邪魔しました(*^▽^*)
ユウトさんは詩人ですね(*^▽^*)
今夜も読ませていただきながら・・・涙が出ました(^^♪
感動です(*^▽^*)