Nicotto Town


藤宮ひなののんびりブログw


【短編】この腕から逃げるなよ?

「き、桐生さんっ……」
「なんだ?……」
「なんだってっ……」

この状況は恥ずかしすぎるっ。

私は今、世間的にいう「壁ドン」の態勢です。
お相手はもちろん私のお付き合いしている「桐生 達也」さん。

今日は彼が社長を務める会社に、お弁当を届けにきた、そう、ただそれだけだったはずなのにっ!

お弁当を渡そうとしたときに、不意にキスされそうになり、思わず逃げてしまった。
どうやらそれがお気に召さなかったらしく、じりじりと私を壁際まで追い詰めた。

「なぜ逃げる?」
「だ、だって…みんな見てるじゃないですかっ」

そう、社長室のドアはガラス張り、つまり秘書の皆さんには丸見えなわけで。
実際お隣の秘書室からは「いいな~」とか「リアルな壁ドンよ!w」とか黄色い声が上がっている。

私的にはそれどころじゃないっ。

彼の顔がすぐ目の前にある。

「気にする必要はない。誰にも何も言わせはしない。お前は俺が守ってやる。だから…この腕から逃げるなよ?」
「!…もう…ずるい…」

そういえば私が安心することを彼は知っている。そして彼がその誓いを守ってくれることを私は知っている。

観念して抵抗をやめた私の唇に彼がやさしいキスをくれる。

そんな私たちの幸せな日常―――。


END


あとがき

思いついたので勢いで書いてみました><

書いててとっても恥ずかしい><

*感想・コメントを伝言板までぜひ!





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