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安寿の仮初めブログ


小佐古さん、あなたが果たすべき義務は…


読売新聞より。
「老婆心ながら守秘義務」と官邸、小佐古教授に


 東京電力福島第一原子力発電所の事故対策を巡り、4月30日に内閣官房参与を辞任した小佐古敏荘(こさことしそう)・東京大学教授が2日夕に予定していた報道関係者向け説明会が中止された。

 民主党の空本誠喜・衆院議員によると、小佐古教授が官邸から守秘義務の指摘を受けたことが、中止の理由だという。

 小佐古教授は、政府の事故対応に納得できないとして、29日に辞任の意向を表明した。空本氏によると、小佐古教授は2日夕、小学校の校庭利用などについて文部科学省が説明した放射線被曝(ひばく)限度の問題点について詳細な説明を行う予定だった。

 ところが1日、小佐古教授から空本氏に、「(官邸関係者から)老婆心ながら、守秘義務があると言われた」として、説明会には出席できないと電話で伝えてきたという。

 文科省は校庭利用の放射線被曝限度を年間20ミリ・シーベルトとしている。空本氏は「小佐古教授は、子供の被曝量はせいぜい年間5ミリ・シーベルトにとどめるべきだという考え。きちんと説明する場がなくなったのは残念だ」と話している。

2011年5月2日23時14分  読売新聞)

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小佐古さん、あなたは学者としての義務を、
何に、そして、誰に対して果たすべきですか?

情報を「守秘」することで、
結果的に政府の判断を守ることが
あなたの義務ですか。

それとも、情報を公開することで、人間の判断力を守り、
判断力を守ることで、責任主体としての人間を守り、
責任主体としての人間を守ることで、人間の命を守ることが
あなたの義務ですか。

科学情報についての影響評価が食い違っているならば、
情報を公開し、自説を発表して、専門家として論争すればいいだけです。
(論争しなければ、あなたが仰ったように学者生命が断たれると思います。)

避難地域の範囲や期間、汚染除去対策など、
政策に関わる論争へと発展することを怖れるならば、
なおのこと情報を公開し、
市民の判断ないし為政者の判断へ決定責任を委ねればいいだけです。

人の命に関わる重大な情報を、
その結果を予見しつつ、「守秘義務」の名目で隠蔽していたならば、
重大な結果が発生した時、
あなたの行為は「不作為の作為」として、
刑法・行政法・民法の領域において、
罪ないし責任を問われるように思います。

情報を公開すべきです。

パニックや風評被害が起こらないことを願って、
情報を隠蔽・操作しようとすると、
かえって、パニックや風評被害をもたらします。

人体への影響と避難地域の範囲・期間を天秤にかけ、
どこで折り合いをつけるのかは、
政府の責任で判断すればいいことですし、
そのような政府の判断でいいかどうかは、
今度は私たちが判断すればいいことです。

しかし、情報がないことには判断のしようがありません。

小佐古さん、
あなたが学者として生きようとするのであれば、
あなたは知への、「知る」ということへの義務があるはずです。

人間の認識を啓き、
責任ある人間として判断を下すことができるようにする、
そのための義務があります。




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