Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


ある日のお遍路行 その1


お遍路行脚のとある一日をまとめてみました。


2月20日(金)

  今日は通称「遍路転がし」と呼ばれる山道なので、
  お線香や数珠、お経や納経帳などが入っている頭陀袋、
  それに白衣や輪袈裟といった汚れて欲しくないものは、
  ザックの中に仕舞ってしまおう。

  ザックの裏蓋に、水と地図を入れ、
  ウェストポーチに記録ノートと行動食を入れる。

   
6時40分、宿を出発。昼食用のおにぎりを作ってもらった。
  宿泊費、確か6,300円。
  両親と一人息子で経営している良い宿でした。
   

6時55分 前日に参拝しておいた⑪番札所の藤井寺、
  そこの本堂脇から始まる「遍路転がし」の山道を出発。
  曇りなので寒い。
        
7時20分、最初の休憩場所である端山休憩所に一登りで到着。
  この間にも休憩できるベンチあり。
  ここは見晴らしがいい。

  菅笠を被っていると視界が限られて山道には不向きなので、
  菅笠をザックにくくりつける。
  一汗かいたので、ここでフリースを脱ぐ。
7時25分、端山休憩所を出発。

   

8時15分、最初の上りを終え、尾根道を水平に進むようになると、
  しばらくして小さなお堂がある広場に出る。
  ここは長戸庵。
  ここで小休憩。

  この軽く上下するだけの尾根道は天気がよければ、
  きっと楽しい道だろう。

  今日は見晴らしはいいのだけど、
  上空には雲があるから、肌寒い。

  だから休憩時はフリースを羽織り、
  動き出す前にフリースをザックに仕舞うという、
  模範的な山の休憩の取り方を繰り返していく。

  行動食のチョコとお茶を口にする。

  長戸庵には女性用トイレがあるけど、いわゆる工事用の仮設トイレ。
  ベンチもあり。
8時25分 長戸庵を出発。


8時35分 長戸庵を出発してすぐのところに、
  「風景発心の地」という吉野川が見下ろせる眺めの良い場所があった。                    
  ここにも小さな小屋があるけど、吹きさらし。
  今日は風が強いので、ここは写真だけとって通過。
  ちなみに、ここから先、吉野川を眺められる場所はない。

   

9時30分 柳水庵に到着。
  ここは柳水庵手前の急坂を下ったところにある。

  柳水庵も無人だけど、ここは人が住み暮らすことができる大きさ。
  柳水庵のすぐ側に車道が走っているので、
  昔は、ここまで車で物資を運び上げて、
  人が生活していたのだろう。
  

  水場とトイレもある。
  水場にはつららが下がっていた。
  行動食とお茶で休憩。

  柳水庵のところにも、
  お遍路さんが野宿できる小屋があるが、吹きさらし。
  3分ほど下がった車道の側に、
  扉が閉まる遍路小屋があるので、
  野宿するなら、こちらの方がいいかもしれない。
  もっともタバコの匂いがきつかったが。 
9時40分 柳水庵を出発。

  すぐに車道を横切って、しばらく林道みたいなところを歩く。
  その後、もう一つ林道を横切って、ちょっと登りが続き、
  石段を登り切ったところに弘法大師像。

10時35分 ここが今日の最高地点。
  標高750メートルの浄蓮庵に到着。
  一本杉庵とも言うらしい。

  ここは山の頂上なので、水場もトイレも無し。
  行動食とお茶を口にして、
10時50分 浄蓮庵を出発。

  この頃から日差しが指しはじめる。
  浄蓮庵から、ずんずん下っていくと、
  道はやがて左右内(そうち)の集落に出る。

  こう言っては失礼なんだけど、
  よくまあ、こんな斜面に石を積み上げて、
  家や田畑を作りあげたものだと思うような集落。

  でも、長閑で良い感じ。

  集落の中の小道を抜けて、ぐんぐん降りていく。
  時々、畑仕事をしている村の人と挨拶を交わす。

  集落を抜け、暗い谷にかかる橋を渡る。

 
11時35分、川を渡って、少し行くと「十六丁」と書かれた石碑がある。
  頂上がおそらく「一丁目」、⑫番札所の焼山寺なのだろう。

  川を上って少しのところに腰を下ろせる場所があったので、
  ここでおにぎりとお茶の昼食。

  川のところは430メートル。
  ここから700メートルまで登り返す。
11時55分、おにぎりを食べ終えて、行動再開。


  あとで気がついたのだけど、
  十二丁目と七丁目に休憩場所があった。

  ここの登りできついのは七丁目まで。
  そこから先は林道歩きになる。
  そして四丁目を過ぎたあたりで、焼山寺の駐車場が見え始める。

  思ったよりもあっけない登り。


  お寺の裾野を巻くように続く石の欄干も、
  その巡る道沿いにある菩薩や如来の石像もかなり新しい。
  欄干や石像には寄進者の名が記されている。
  四国お遍路の中でも、
  最初の難所がこのお寺だから、
  寄進者も多いのだろう。


(続く)

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2015/03/02 14:32
>四季さん

山歩きして辿り着くお寺は、
標高から言えば、たいしたことはないのです。
東京近郊ならば高尾山ぐらい。
中部地方ならば、鈴鹿山脈の方がよっぽど高いです。

山歩きになれていない人にとっては登り降りが辛いでしょうが、
安寿にとっては道や風景に変化があって山歩きの方が楽しいです。

辛いのは、例えば国道沿いを延々と歩き続けるような時。
車がびゅんびゅん通り過ぎていく横を
私はとぼとぼ歩き続けていくわけですから。
道も風景も単調だし。

だから、道が渋滞していて、
徒歩で車を追い越していくと
「ざまあみろ」と思うけど  ☆\(ーーメ)

昔、東海道を旅する人は、
一日平均33キロ歩いて、
日本橋から京都まで2週間ぐらいで到着したらしいです。

昔の民衆は、自分で歩くしか交通手段がなかったから、
みんな健脚だったんですね。

確かにお寺がない区間では、
朝7時に宿を出て、夕方5時ぐらいまで歩けば、
33キロぐらい歩けそうです。

お寺でお経を上げたりしていると、
一つのお寺で40分ぐらい時間が必要になるので、
1日に3~4つお寺を巡りながら歩くと、
だいたい20キロ前後になってしまうわけです。

でも、20キロでも、足が棒になってしまいます。
一日の終わりには、足が大根のようにむくんでいました。   ☆\(ーーメ) それはいつものこと

そんな足をお風呂でマッサージし、
肉刺の手当をし、
テーピングして、
また明日歩き続けるという日々。

車で温泉に送ってもらった時、
「いや~、車って早いな、便利だな~」と
改めて感心しましたもん。

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2015/02/26 21:42
山歩きで鍛えた安寿さんの足なら造作もないこととはいえ、
早朝から歩き続けるのは相当の体力が消耗しそうですね^^
ありがたき「お接待」に触れることもありましたか^^?

続編も楽しみにしていますね♪



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