Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


ある日のお遍路行 その3


  善根宿とは、お遍路さんを支えるために、
  安い料金で、時には無料で宿に泊めたり、
  食事を提供してくれるところ。

    ありがたや、ありがたや。
    

      この記録からもわかるように、
      休憩所に野宿できるか、水場やトイレがあるかを
      私がメモしているのは、いつか野宿もしてみたいと思っているから。


      そんな歩き旅、
      お遍路の原点とも言える諸国放浪をしてみたいなあ
      と思っている私がいる。


    そんな話はともかく、
    今晩はその善根宿に予約を入れてあるので、そこに向かいます。


  車道を縫うようにして、集落の中をぐんぐん降りていく。


14時30分 途中の杖杉庵で休憩。
  ここはトイレはあるけど、泊まれるところはない。

  この場所は、衛門三郎という、弘法大師に一夜の宿を貸さなかったために、
  その罰があたった人物が、弘法大師を探して四国を歩き回った果てに
  亡くなったとされる場所。

  これが四国遍路の起源になったという伝説があるけど、
  宿を貸さなかっただけで罰を与えるなんて、
  弘法大師って根が陰険よね。  ☆\(ーーメ)
    旧約聖書のヨブ記みたい。


  ともかくその逸話を示す立派な像がある。


14時40分 杖杉庵を出発。

  ふたたびぐんぐん降りてきて、鍋岩の集落にはいると、
  道が平坦になり、


15時15分 善根宿に到着。 1泊4000円


  ここのおばちゃんが話し好き。
  さっそく飲み物とお菓子・ミカンのお接待。
   (お遍路さんをもてなす、支える行為を「お接待」と言います。)


  なぜ、善根宿をはじめることになったのか、いろいろお話を聞く。
           

    お接待として無料で泊めていたら、
    お遍路の間で評判になってしまって、
    やがて高野山の偉いお坊さんもここに来て泊まってゆき、
    このお坊さん、宿のお手伝いをしながらも、
    「お遍路を甘やかす必要はない」と叱られたんですと。
                        
    なので、4000円を取るようにしたらしい。
    宿には、いろいろな国のお札が貼ってある。
    年間80人ぐらいは外国の人もここに泊まっていくということ。

    バックパッカーの間では有名のようです。


  忙しい時期は、日本全国から、
  宿のお手伝いをするためにボランティアが集まってくるそうな。
    ファンも多いのです。

  そしてなんと、おじいちゃんが、神山温泉まで車で連れてってくれる。
    神山温泉はぬめっとした良いお湯。
    ここの温泉代も宿代の中に入っているそうな。

  宿の設備はお世辞にも立派とは言えないけど、
  夕飯をみんなで囲むような、とても気持ちの良い宿。


  ここで弘法大師の御利益っぽいお話を一つ。
    連れて行ってもらった温泉のロビーで、
    宿に帰る迎えの車を待っている時、
    ロビーの向かいに座ったおばあちゃんが、
    私のおばあちゃんそっくり。


    父はおばあちゃんに似た顔立ちだったので
    父の面影もある。


    こんなところで祖母や父の生き写しに出会うとは…

    これも御大師様の御利益? 功徳?

  今日の山道で汗に濡れた衣類を、
  宿の洗濯機と乾燥機で洗濯。これは300円の別料金。
 


  「あそこのお寺に行く時は、○○に泊まると良いよう」
  とおばちゃんが教えてくれたので、さっそくそこを携帯で予約。

  あああ~、何から何まで甘えてばかりのお遍路なのでした。


22時00分 就寝
明日は、5時半起床、6時から朝食、7時には出発する予定。

(ここで一区切り)




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