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シン・ドラマ汁


ドラマ【花燃ゆ】

花燃ゆ
NHK 日曜夜8時~
【あらすじ】長州藩では禁門の変以降、幕府への恭順を主張する俗論派が台頭し、失脚していた椋梨が再び重臣として活躍するようになる。椋梨は、幕府への戦意がないことを示すため、萩から山口に移転していた藩庁を、再び萩に戻そうと画策していた。しかし、元々江戸藩邸に住んでいた都美姫銀姫が、それぞれ女中を連れて山口に戻ってきていたため、萩城では手狭で、女中を解雇する必要に迫られる。正式に奥勤めを始めた美和ことは、園山から解雇する女中を選定するよう命じられる。美和は1人1人事情を聞こうとするが、新参者の美和への反発は強く、まったく取り合ってもらえなかった。

【感想】今回は、俗論派の台頭と、萩城への藩庁移転の2本立てでした。まず萩城への移転の話からしましょう。部屋が足らない問題についてですが、「入鉄砲に出女」の言葉があるように、大名の正式な妻子は江戸屋敷に居住しなければならない義務が、江戸時代にはあるのに、何故都美姫や銀姫が山口にいるのだろうと、疑問に思いませんでしたでしょうか。実は1862年と言いますから、ドラマの時点よりたった2年前、この規則が緩和され、大名の妻子が国許にも住んでいいことになったのです。徳川家を除く大名家に大奥のイメージがないのは、だからなんですね。
ドラマでは、萩から山口に藩庁が移転した件をやってなかったと思うので、少し説明しますと、元々山口は瀬戸内、日本海、そして下関を結ぶ交通の要衝で、毛利家が滅ぼした山内家がここに城を構えいたこともあり、関が原後、広島から立ち退かざるを得なくなった毛利家も、山口に城を構えようとしたところ、幕府からの嫌がらせで萩に追いやられたそうです。毛利家が再び山口に城を構えることを決めたのが1862年と言いますから、ちょうど妻子の国許居住が許された時期。そして長井雅楽が失脚し、藩論が久坂たちが唱える尊攘に転換した頃ですね。萩城が手狭だということと、きたるべき攘夷に備え、交通の要衝に城を構えたいという理由が重なったのでしょうか。ただ、新しい城ができる前に藩庁は山口に移転したので、恐らく他の屋敷を流用していたのでしょう。
この時期女中をリストラした挙句、元徳の側室をたくさん召抱えたという事実はちょっと見当たりませんでした。元徳と銀姫が結婚した1858年から6年、確かにお世継ぎが心配になる時期かもしれませんが、銀姫が生まれたのが1843年ですから、まだこの時21歳ですね。えっ、21歳!?(;・∀・) …しかも山口に戻ってきたのは2年前、夫の元徳は藩主の代わりにあちこち飛び回っており、一緒にいた時期はそう長くないと思います。まだまだこれからですし、第一藩主の敬親も健在、お家はそれどころじゃない大騒ぎの中、そこまでお世継ぎについて心配するかなぁと思います。まぁ奥が心配することって、確かにそれくらいかもしれませんが…。ちなみにこの時期、美和がどうしていたかもわかりませんね。もうじき動きはあるのですが、それは恐らく次回でしょう。
次に俗論派の台頭ですが、まず、幕府への恭順を主張する派閥を俗論派、尊皇攘夷を主張する派閥を正義派と呼びます。いかにも格差のある呼び方は、その後正義派が勝利したことを裏付けていますねw 周布の切腹は、早まったとしか言いようがないです。今まで何度となく政争に敗れたり酒で失敗して名前を変えざるを得なくなったりしたのに、どうしてここで折れてしまったのか。思うに、周布はこの時も酒に酔っていたのではないでしょうかね。いつも豪胆になる酒が、悪い方に出てしまったのではないかと。切腹、つまり自殺って、勢いとか勇気とかないとできないことですよね。酒がその勢いや勇気を出してしまったのではないでしょうか。
一方の井上聞多が椋梨の手の者に襲われたのは、本当に奇しくも周布が自殺したその日でした。ミステリーですと、じゃあ周布も自ら切腹したのかどうか怪しいものというところですが、周布が切腹したのは自宅ではなく、庄屋・吉富藤兵衛の家でした。この吉富という男、百姓ではありましたがいわゆる豪農で、井上聞多の幼馴染でもあり、井上にかなり肩入れしていました。その縁で、命を狙われかねない周布を預かっていたのでしょうかね。他人の家で自殺しちゃうなんて、ちょっと考えれば迷惑なことだとすぐわかるのに、それをやっちゃったってことは、やっぱり酔ってた可能性が高いな…。ともかく、他人の家ですので、誰かが訪ねてきたり襲ってきたりすれば、すぐわかると思うのです。なので事件性はないと思われます。
大奥編が始まってから、どうにも歴史の潮流から外れたところから、歴史が動くところを見ている感がしてなりません。元々、長州サイドから見た維新を見たいと思っていたので、もうちょっと中心に近いところから見たいものです。




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