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シン・ドラマ汁


遺留捜査 感想文

遺留捜査 第7回
テレビ朝日 木曜夜8時~
▼掠れた文字
今回は、何故かホームレスに身をやつした人気作家・尾上雅彦が撲殺されるという事件でした。
尾上は数々の作品をヒットさせ、新作を出せば利益に億がつくのは間違いないと言われていたのに、
最近は断筆して、妻とも離婚、娘とも別れ、1人河川敷でダンボールハウスに寝泊りしていました。
例え新作が書けなくなったからといって、ホームレスをしなければならないほど金がないとは考えられません。
元妻の千田さつきも、20年近くのつきあいがあった出版社の社長・野崎宏太も、担当編集者だった志田塔子も、
何故尾上がホームレスに身をやつしてしまったのかわからないと言います。
捜査に当たった糸村は、ダンボールハウスに残されたノートを気にします。
最後のページに書かれた数行の文字だけ、他の文字と違って掠れていたのと、
その文章を書いたはずの筆記用具が見つからなかったからです。
糸村は鑑識の村木に、そのノートの鑑定を頼みました。

▼引きこもりの息子
一方、現場付近でタレント活動の盛んな心理カウンセラー・小沼修一の目撃情報が上がりました。
糸村は莉緒と小沼に会いに行きますが、その夜は彼は自宅にいた、人違いだろうと否定します。
糸村たちはその証言の裏を取るため、小沼の自宅に家政婦と小沼の息子・尊を訪ねます。
しかし家政婦は夜7時半には退勤するため知らないと言い、尊は留守にしていました。
尊は現在24歳ですが、高校を中退して以来ずっと引きこもりの生活を送っており、
昨夜出てったっきり戻らないという話を聞いた莉緒は、尊の行方を捜すことにします。
糸村は、家に高級な万年筆が何本も飾ってあるのを発見します。
莉緒がホテルやネカフェを中心に捜したところ、尊が泊まっていたネカフェを割り出し踏み込むのですが、
すでに尊はいなくなっていました。
糸村はその部屋に捨ててあった、遺書のような文章が書かれた紙片を回収します。
その後尊は、ビルの屋上から転落死してしまいます。
荷物から遺書が見つかり、尾上を殺した罪を償おうとした飛び降り自殺だと思われましたが、
糸村が回収した紙片の切れ端は持っていませんでした。
息子の死体と対面した小沼は、殺人犯として自殺した息子に毒を吐き「あの時死んでいればよかったのに」と言います。
事情を聴いたところ、3ヶ月前に尊が川に入って自殺しようとした時、尾上が止めたんだそうです。
それ以来尊は尾上に書いた小説を見てもらう仲となったのですが、それを知った小沼は、
息子が元有名作家とはいえホームレスと付き合ったり、小説なんかを書いていることを嫌悪し、
事件のあった晩、いなくなった息子が尾上を訪ねたのではないかと思い、連れて帰ろうと尾上を訪ねました。
しかしダンボールハウスには尾上しかいなかったため、そのまま引き返したと証言しました。

▼1億円の使い道
佐倉たちは志田塔子から、尾上が断筆する直前、野崎から1億円を貸りたという話を聞き込みます。
野崎に事情を聞いたところ、新作が出れば返してもらえるだろうから貸した、何に使ったかは知らない、
あの金は半分あきらめていたと言います。
社長とはいえ1億は安くなく、塔子は以前酒の席で、尾上が借金を返さないまま
ホームレスになったことを愚痴り、殺してやりたいと言っていたと証言しました。
その後、尊の遺書から野崎の指紋が出てきたため、野崎は警察に連行されました。
そこで野崎は、尾上を殺したのは5年前に尾上の娘を誘拐した犯人だろうと言うのです。
当時尾上の娘を誘拐され、1億円の身代金を支払ったという事件があったのですが、
娘が無事戻ってきたため、尾上は警察に届けませんでした。
野崎が貸した1億円は、身代金に使われましたが、警察に届けていなかったため、
なかなか本当の使い道を言うことができなかったんですね。
誘拐の件については尾上の元妻も認めました。
さて、ここで1度事件の犯人を推理してみましょう。
5年前の誘拐、尾上の殺人、そして尊の殺人は全員同じ人物による単独犯です。
動機などはまだヒントが出てませんが、ポイントは尊の遺書(偽物ですが)についていた、野崎の指紋です。

▼以下ネタバレご注意!
犯人は志田塔子です。
彼女は以前尾上と不倫関係にありましたが、尾上に書いた小説を見てもらっているうち、
尾上に小説のネタをパクられてしまったため、激怒して尾上の娘を誘拐したのです。
自分のせいで家族に危険が及ぶことを心配したのか、アイディアが枯渇してしまって作家が続けられなく
なってしまったからか、自分の罪におののいたからなのかは、今となっては分かりませんが、
尾上が離婚しホームレスに身をやつしたのは、その事件がきっかけなのは間違いないでしょう。
尾上がホームレスになったことを知った塔子は、理由はわかりませんが尾上を訪ねます。
そこで見たのは、尾上が尊に小説の書き方を指南しているところでした。
「あの青年は磨けば光る原石だ、キラリと光る才能を持っている」と言う尾上に、
「自分には才能はないと言いたいのか!」と曲解して激怒した塔子は、勢いで尾上を殺してしまいました。
小説の才能があるかどうかは分かりませんが、激怒してすぐ犯罪に走るのは、人としてどうなんでしょうねw
そして、それを尊に見られてしまったのです。
尾上は日頃から尊に、何かあったら野崎を訪ねなさいと言っていたため、
尊は野崎に電話して、尾上を殺した人物を知っているので会って話したいと言いました。
その応対の様子を聞いていた塔子は、先回りして尊をビルの屋上に連れて行き、突き落としたのです。
尊の荷物の中には、小説用に文章を書いた紙が何枚も入っていたので、野崎の指紋がついた紙で遺書を偽造し、
荷物に忍ばせておいたとのことでした。
ただこの方法だと、尊を突き落とした後に荷物を調べ、紙を回収し、遺書を偽造し、荷物に入れるという、
結構時間がかかる作業が必要になってきますので、その間に死体が発見される危険がありますよね。

▼3分ショー
糸村が気にした、尾上のノートの掠れた文字は、村木の鑑定だと同じインクで書かれてはいたけれど、
違う万年筆によるものであることが分かりました。
万年筆には、長年使っていると書き癖というものがつき、持ち主にはちゃんと書けるけど、
別人が使うとうまく書けないことがあるそうです。
私も一時期よく万年筆を使っていたので、なんとなくわかります。
実は尾上と尊は、偶然同じ万年筆を持っていました。
しかし尾上の万年筆はインクが切れて書けなくなってしまったので、尊の万年筆を借りて書いた結果、
最後の数行だけ掠れた文字になってしまったのです。
尊の万年筆は、尊が中学生の時に父親がプレゼントしたものでした。
尊は父親の期待に応えようと、その万年筆を使って一生懸命勉強しましたが、成績は思わしくありませんでした。
そんな自分に嫌気が差し、学校を退学して引きこもりになったのですが、
自殺しようとして尾上に出会ってから、自分のことを私小説として書いていったのです。
その小説には、父への余りある愛情が溢れていました。
小沼も事ある毎に尊につらく当たっていましたが、それも愛するが故なんですよね。
頭かよく、地位も名誉もあったからこそ、出来の悪い息子に素直に接することができなくなってしまったのでしょう。
てか、心理カウンセラーなのだから、もうちょっと息子のことわかってやれよと思ったんですけどねw
今回は泣けなかったかな。




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