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西郷どん 感想文

西郷どん 第20回「正助の黒い石」
NHK 日曜夜8時~
▼国父
今回は大久保メインで、久光に取り入る正助、斉興が死して藩の実権を握った久光、
幕府に対する不満が暴発しそうになる精忠組とそれを抑える正助、
そして桜田門外の変までが描かれました。
主人公なのに吉之助は最初と最後の方にちょっとしか出てきませんでしたねw
賢く求心力も高かった斉彬に比べ、久光はどちらかというと普通の人。
でも数々の苦難に見舞われても意思を曲げなかったスーパーヒーロー斉彬より、
すぐに落ち込んだり怒鳴ったり機嫌をよくしたりと、感情表現が豊かで
今ひとつとらえどころのない久光の方が、かなり人間臭くはありますよね。
斉興に対する感情も複雑で、なかなか藩の実権を離そうとしない斉興に苛立ちを覚えるとともに、
本当に自分が藩を動かすだけの力があるのかと不安に思ったりもしているため、
いざ斉興が死ぬ時に、死なないでと泣きついたりするのです。
正助に言われた「国父」という言葉がかなりのお気に入りで、斉興の死後は国父を名乗りました。
そうなんですよね、薩摩藩の実力者として有名な久光は、藩主には一度もなってないんですよね。

▼精忠組
斉興と久光に、若い藩士たちの動向をこっそり伝えていた正助。
いきり立つ仲間たちを抑えていたのですが、安政の大獄が厳しくなるにつれ、
正助の力だけでは抑えきれなくなり、久光を担ぎ出して脱藩するなと言い渡してもらいました。
この時久光が彼らに「精忠組」という名前をつけていましたが、
この名前は後の世になってつけられた名前らしいので、この時にはまだなかったはずです。
なら何と呼ばれていたのかまではわかりませんでしたけども…。
それより前、正助の妻・満寿が、お由羅から狆の子犬を預かったことがあり、
正助はお由羅や久光に加担し、精忠組を欺いていると言われてしまいます。
その実、正助は吉之助に帰ってきてほしくて、そのためにはとにかく出世したい、
何でもするという気持ちだったようで、正助と仲のよい大山や有村らは納得したのですが、
精忠組の中でも過激派だった有馬新七などは納得できず、
このスタンスの差が後に大きな事件に発展することになります。

▼桜田門外
水戸の浪士が中心となって実行された、井伊大老の暗殺計画に、有村俊斎の弟が加わってました。
下の弟・次左衛門は、水戸浪士とともに計画に参加し、井伊の首を切ったと伝わっています。
上の弟・雄助は別行動でしたが、捕まって最期は自刃させられました。
次左衛門は22歳、雄助は26歳でした。
水戸藩は幕府から徹底的に痛めつけられ、斉昭の蟄居後急速に力を失うので、
井伊を恨む気持ちもわからないではないですが、果たしてこの時薩摩藩の藩士が
そこまで井伊を恨み、命を賭してまで暗殺に加担する必要があったかどうか、疑問に思います。
吉之助を初め、橋本左内や吉田松陰など、一部のブレーン的な存在の志士たちは、
いろいろと状況を分かっていたと思うのですが、その他の特に若い志士たちは、
雰囲気に乗せられ、酔い、個人的にはさほど大した主張がないものの、
自分も命を懸けて何事かやりとげなければならないという気持ちになっていたのではないかと。
第二次世界大戦中とか、昭和の学生運動とかと、同じニオイを感じますね。
ともかく安政の大獄の首謀者である井伊が死んだことにより、
薩摩藩は吉之助をかばう理由がなくなってしまいました。
次回は奄美から吉之助が帰るお話になると思います。
多分ドラマの吉之助は嫌がるのでしょうが、実際はホイホイ帰ってますからねw




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