「あ！おにぃ！今、流れた！見た？」
「あー。見た見た。」
「おい！兄貴。本当に見たのかよ」

空に輝くよキラリ・・・
星がじわりにじんでくよ


「兄貴・・・？泣いてんの？」

泰輔は
また星を見つめた。


「悲しいほど綺麗だもんね」


輝く涙も
輝く星も
同じように見えた。


「会いたいなぁ・・・もう一度・・・だけで・・・っも」
「泣くなよ静奈・・・」
「とかいっといて、おにぃも泣いてるじゃん・・・っ」


また思い出してたんだよ。
話を聞いてほしいこととか、あれもこれもあるけれど・・・。


「もう親には会えない」
「・・・死んだんだ。いや、殺されたんだ・・・」


握り締めて
抱きしめて
しわくちゃのまま。


「星に願うとね、叶うんだって・・・」


幼かった静奈は俺と泰輔にそう言った。


「・・・もういいから静奈、寝よう」


夢の中でしか僕ら永遠に会えない。
願っても、もう無理なんだ・・・。


「おにぃ。またかわいそうな顔してる」
「兄貴のことだから、どうせまた、思い出してんだよ」


「あッ！！」


三人の声が
そろった。


「今・・・流れた！まただよ？」
「あ・・・あぁ」


空に輝くよキラリと星が。


「やべ・・・っ兄貴の泣き虫病移ったかも・・・」


星がじわり
にじんでくよ。


「帰ろう。・・・おい、静奈！泰輔！・・・たくっ、しっかりしろよ・・・」


帰り道
涙が止まらない・・・
僕らずっと。


「そういえば・・・父ちゃん、死ぬ前に俺が作ったカレー食べたいとか言ってたな・・・」
「お母さんは、しぃが結婚してるところ見たいって・・・」
「あー。うっさい」


二人が俺を
ぐしゃぐしゃな顔で見上げた。


「いじっぱんなよ。兄貴のくせに」
「そーだよ！おにぃのくせに」


空に思い出がポロリ
涙ホロリ。
またこぼれていくよ。


「「泣いてる」」
「二人、声を合わせていうなよ」


・・・
悲しいほど星が綺麗なんだよ。

大丈夫。

俺らの中で
母ちゃんと、父ちゃんは俺らをいつまでも見ていてくれている。

三人でずっと、一緒に居ような。


三人同時に
空を見上げた・・・。