厩舎
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/04/17 01:14:29
コイツ、とってもいいヤツなんです
僕らいつも他愛無いこと言っては笑い合ってた
明るくいつも僕を元気づけてくれていた
そんなヤツだったんです
それなのに
あの日朝の光が差したそのあと
忽然と
人が消えてしまったのです
毎日毎夜僕らに良くしてくれていた
何かあれば真っ先に駆けつけてくれたあの人も
どこへか消えてしまったのです
見てのとおり、ここには何もないのです
もう長いこと何も食べてはいません
もしも満足に食べることができたなら
コイツもこんな姿になることはなかったのに
ねえそこの人、水は食べものはないですか
僅かでもいい
まだここで息をしている皆に分けてやってください
それが無理だというのなら
どうかせめてその目で見たこの光景を
世界中の優しい人達に伝えてください・・・