名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実一つ
ふるさとの岸を離れてなれはそも波に幾月
旧の樹は生ひや茂れる枝はなほ影をやなせる
われもまた渚に枕独り身の浮寝の旅ぞ
実をとりて胸にあつれば新たなり流離の憂い
海の日の沈むを見れば激り落つ異郷の涙
思いやる八重のしおじおいづれの日にか国に帰らん
島崎藤村
名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実一つ
ふるさとの岸を離れてなれはそも波に幾月
旧の樹は生ひや茂れる枝はなほ影をやなせる
われもまた渚に枕独り身の浮寝の旅ぞ
実をとりて胸にあつれば新たなり流離の憂い
海の日の沈むを見れば激り落つ異郷の涙
思いやる八重のしおじおいづれの日にか国に帰らん
島崎藤村
白鳥はかなしからずや空の青海のあおにも染まずただよ幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆくけうもまた心の鐘を打ち鳴らし打ち鳴らしつつあくがれて行く
若山牧水
東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたわむるいのちなき砂のかなしさよさらさらと握れば指のあいだより落つ友がみなわれよりえ...
本を読もうもっと本を読もうもっともっと本を読もう
書かれた文字だけが本ではない日の光、星の輝き、鳥の声、川の音だって、本なんだ。
ブナの林の静けさも、ハナミズキの白い花々も、おおきな孤独なけやきの木も、本だ。本でないものはない。世界というのは開かれた本で、その本は見えない言葉で書かれている。
ウ...
自分の住むところには自分で表札を出すにかぎる。
自分の寝泊まりする場所に他人のかけてくれる表札はいつもろくなことはない。
病院へ入院したら病室の名札には石垣りん様と様がついた。
旅館に泊っても部屋の外に名前は出ないがやがて焼き場の釜に入るととじた扉の上に石垣りん殿と札が下がるだろうその時私はこば...
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