Nicotto Town


暇つぶし部屋


くだらないことを、
グダグダ話しています。

お暇な人、
暇つぶしにいかがでしょうか(笑)

『君の隣で笑えたら』#6





レイside



「日向…遅いな……」



いつももう来ているのに、日向が来ない。
不安になりつつ、いつもの縁側で来るのを待ち始めて、感覚では15分ほど。
何度も「遅いな」と繰り返しながら、待つ。


「レイ」

「お母さん…」

...

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『君の隣で笑えたら』#5





「……あれ?」


いつも通り通い慣れた道を行き、見慣れた背中をいつも通り視界にいれ、しりとりのように永遠に終わらない話をするのかと思っていたら。
見慣れた背中が、なかった。

わたしは静かに、見つからないよう歩いていたのを止め、落ち葉を踏みながらキョロキョロと辺...

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『君の隣で笑えたら』#4





レイside




青空を自由に飛んでいく鳥。
同じよう自由に風に流されていく雲。
ふわりと風が吹き、額にかかる前髪が揺れた。


「レイ」


大きな自然を感じていると、後ろから呼ばれる。
僕はゆっくり縁側の床に手を付きながら、振り返る。


「どうしたの」

「さっき連絡があって、日向...

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『君の隣で笑えたら』#3





いつも通りの、憎たらしいほどの晴れ。

わたしは玄関でほどけかけていた靴紐を結び直していた。
出掛ける先は勿論(もちろん)、レイの家。
といってもお隣さんなんだけどね。


「日向(ひなた)」


色合いや模様が好きで、試しに履いたら動きやすかったから買ったスニーカーだったけど、靴紐がほどけ...

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『君の隣で笑えたら』#2




「あぁ日向(ひなた)。来てくれて助かったよ」


いつものように、今日は落ちている葉を踏まないよう近づくと、レイは当たり前かのように振り返った。
わたしが来たことで驚いているレイを1度も見たことがない、と不貞腐(ふてくさ)れかけていたけど、少し慌てているようなレイの早口にそんな気持ちなどどこか...

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