『君の隣で笑えたら』#6
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/10/12 20:40:59
レイside
「日向…遅いな……」
いつももう来ているのに、日向が来ない。
不安になりつつ、いつもの縁側で来るのを待ち始めて、感覚では15分ほど。
何度も「遅いな」と繰り返しながら、待つ。
「レイ」
「お母さん…」
...
くだらないことを、
グダグダ話しています。
お暇な人、
暇つぶしにいかがでしょうか(笑)
レイside
「日向…遅いな……」
いつももう来ているのに、日向が来ない。
不安になりつつ、いつもの縁側で来るのを待ち始めて、感覚では15分ほど。
何度も「遅いな」と繰り返しながら、待つ。
「レイ」
「お母さん…」
...
「……あれ?」
いつも通り通い慣れた道を行き、見慣れた背中をいつも通り視界にいれ、しりとりのように永遠に終わらない話をするのかと思っていたら。
見慣れた背中が、なかった。
わたしは静かに、見つからないよう歩いていたのを止め、落ち葉を踏みながらキョロキョロと辺...
レイside
青空を自由に飛んでいく鳥。
同じよう自由に風に流されていく雲。
ふわりと風が吹き、額にかかる前髪が揺れた。
「レイ」
大きな自然を感じていると、後ろから呼ばれる。
僕はゆっくり縁側の床に手を付きながら、振り返る。
「どうしたの」
「さっき連絡があって、日向...
いつも通りの、憎たらしいほどの晴れ。
わたしは玄関でほどけかけていた靴紐を結び直していた。
出掛ける先は勿論(もちろん)、レイの家。
といってもお隣さんなんだけどね。
「日向(ひなた)」
色合いや模様が好きで、試しに履いたら動きやすかったから買ったスニーカーだったけど、靴紐がほどけ...
「あぁ日向(ひなた)。来てくれて助かったよ」
いつものように、今日は落ちている葉を踏まないよう近づくと、レイは当たり前かのように振り返った。
わたしが来たことで驚いているレイを1度も見たことがない、と不貞腐(ふてくさ)れかけていたけど、少し慌てているようなレイの早口にそんな気持ちなどどこか...