別れ
- 2025/09/27 07:49:20
投稿者:Litsu☆
あんな目で見つめ合ったのは初めてだった。
おたがい、真っすぐに‥ おたがいの瞳の奥をのぞき込む様に‥
その日は二人にとって特別な日だった。
その瞳が何を物語っていたのか‥
きらいじゃない‥のに‥ ぜんぜんきらいじゃないのに‥
離れたくないのに‥
まだ、なにも始まってないのに‥
「好き」‥なのに‥
なぜ? わたしは何も話そうとしないの?
なぜ? あなたの声をきこうとしないの?
なぜ? あなたの名前を呼ぼうとしないの?
手をのばせば、ほらッ、すぐそこにあの人が居るのに‥
この視線が、合っているうちに! 瞳が通じてるうちに!
今なら、間に合う!ほらッ、 ほらッ、 さあッ‥
‥‥
‥‥
‥わたしが最後に見たのは?
‥ゆっくり‥外されていく、あの人の視線だった‥
もう、あの人はわたしを見ない。
こんなひどいわたしなんか見ない。
そうだ‥。わたしはもう‥‥
あの人の思い出の中に、いない方がいいんだ。
もう、選んじゃったんだ。
終わっちゃったんだ。
‥さあ‥‥歩かなきゃ。
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