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栗毛色の女の子

投稿者:Litsu☆

頭を上げ気が付いたとき、俺は椅子に座らされていた。そう広くないプレハブ小屋?の中、仄暗い雰囲気と
音の感じからどこか森の中‥らしいというのは分かった。腕が‥動かせない‥拘束されてる‥両足もだ。
‥たしか俺は下校途中のはずだった‥なんだ?‥これ?

「やあ、気が付いた?」

(‥女?‥だれだ?)声のする方に目をやると、同じ学校の制服を着た女子が座っていた。
髪は長く腰まで少しウェーブのかかった栗毛色。前髪は多く垂らしている。ぱっと見はかわいらしいが
笑顔で語る嘲るようなイントネーションと、その優しい瞳のギャップがむしろ異様だった。
部屋には二人の椅子と、脇に机が一つ置かれていた。

「ちょ、なんだよこれ?なんで俺縛られてんの。冗談か?」
「ダーメ♪、だって外したらここから逃げてくでしょう?」
「おいッちょとまて!ざけんな、お前がやったのか。外せよ!おいっコラッ!」
「まあまあ、わたしは君とゆっくりお話ししたいだけなんだ。‥いいでしょう?」
「いや、おかしーだろッ! こんなの監禁だぞッ!おめーあたおかかッ」

「うるさいなぁ‥」

そう言って彼女は、机の方に向かうと引き出しから何か取り出した。
(‥ナイフ!?)それはゴシック装飾を施された刃渡り15cmほどの極細身の剣だった。
彼女はそれを両手で交互にもてあそびながら、人差し指でゆっくりと剣先をなでてみせた。

「あ~‥、これね?ペーパーナイフだよ♪ ‥先はそんなに鋭利じゃないんだ~☆」

「‥‥‥。」

「これでやっとお話しできるね♡ よかった。ウフフ‥」
「と、とにかく‥どういう事か、話きかせろよ。先ずはそれからだ。」
「そうそう、そうでなくっちゃ♪ 君の言いたいことは分かるよ? どうして俺はこんな所で
 椅子に縛られて、こんな女と話さなきゃいけないのか?‥でしょ?  ‥それはね?
 私が君に質問があるからなんだ。 その答えを聞きたいんだよ♪」
「しつもん? の答え?」
「そう! これは究極にして最大の質問さ♡  さて? 私はどういう気持ちで君をここに
 連れてきて、こんなことしてるのでしょうか?♡
 【敵意】?【好意】?【好奇心】?【気まぐれ】?‥【殺意】? さーて、なんでしょう?
 もし当てられたら、君は開放され自由の身になれるかも♪ あははw ‥かもだけどネ♡」 
 
「ウッ‥。」

(どう考えてもコイツは普通じゃない!こんな部屋まで用意して拉致ってるなんて完全に異常だ!
 何かの恨み?いや、こいつなんか知らないぞ、同じ学校らしいが記憶には無い。いやまて‥
 敵意とは限らない。むしろ好意?歪んだ恋心?独占欲か?とにかく気まぐれじゃない。それなら
 ここまで執着はない。さ‥殺意?いや!いくら何でも猟奇的パラノイア‥。いや、全否定できない。
 だとしたら、怒らせちゃまずい。とにかく時間だ、時間をなんとか、稼がなきゃ。即答して外せば
 殺られかねない。チャンスを‥とにかく、その機を!なんとか‥)

「随分と長考ねぇ。‥そりゃあそうよねぇ♪ この状況で何のヒントも無い。
 ‥どう? 私について、こんなに真剣に考えたこと今まで無いでしょう? ‥本当に♪
 実は、それだけでも嬉しいんだ。君に私のことを考えてもらえて、ね? ふふ‥」

(こ、こいつッ!それって恋心か?? ‥と、とにかく、そういう感じにもとれる‥
 ‥お、おちつけ!‥なら、そういう見立てで回答‥なら、まだ目がある‥よし!一か八か。)

「ひょ‥ひょっとし‥‥【好意】?」

「ピンポーン! あったり~♪ 888w」

「じゃ‥」

「第二問! これは究極にして最高の質問さッ♡ あ、さっきとはちょっと言い回し違うよww?
 ‥さて。 君は私のこと♥どう思ってるの?かナ?」

「ウッ‥」

(当たったのはいい。だが‥これは‥この状況で嫌いって言ったら‥とは言え、好き、なんて。
 ありえねーだろ!ありえねーんだよーッ、そんなの! だからって‥‥ク、クッそお!)

「‥‥す‥き。‥かな。」(マジ、ありえねー、ちっくしょー‥)

「おや、ま?」

彼女は表情を曇らせ、冷めた目で俺を見下した。

「つま~んな~いの‥」
「‥え?」
「ホラこれ見て。このナイフの先の部分‥ほぉ~ら、ゆ~くりと‥ゆ~くり‥‥」

俺は刹那、視界が色あせ、物音も消えて、意識が遠くなり、‥なにもかもが消えた。

▼▼

「おはよう!ねえキミ♪通学はいつもこの道?」

「お、おう!」(‥だれだっけ?)

俺は、その栗毛色の髪の長い女子に初めて挨拶されたが、ちょっと可愛いと思った。





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設立日
2024年02月18日

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