お約束の小説です。ちょっと長編になります。
- カテゴリ:自作小説
- 2010/05/17 02:02:45
西暦2455年、人類は唯一絶対の故郷としてきた地球を放棄した。
西暦2205年に始まった宇宙植民政策いつしか独立を求める外惑星連合と、人類の中心であり続けようとした太陽系連邦の対立へと変貌していった。この状況は植民星域の拡大とともに肥大し、歩み寄ることのできない状態にまで発展した。
初期段階から開発の始まったシリウス・ケンタウルスα・バーナード星系は、植民星域と太陽系連邦との仲介に努めたが独立を求める住民の気運はいつしか地球への物資輸送の妨害になって現れた。しかしこの時期、最も状況を悪化させた原因は連邦政府首脳部の想像力の欠如によるところが大きい。
事態打開を武力に求めた連邦政府は、バーナード星系に照準を定め、宇宙艦隊を派遣し独立派の根絶と地球への物資輸送の確保に努めた。
バーナード星系は瞬く間に蹂躙され、ただでさえ少ない機動兵力を失い独立派の巣窟と言われた自治連絡機構は、首脳部の殺害と機構の解体であっけなく崩壊してしまった。
その事件は瞬く間に各星系に伝達され、植民星の自治首脳部は各個撃破を恐れ駐屯している艦艇と自治首脳部のデネブ星系への集結と外惑星連合を設立を宣言し、太陽系連邦への独立戦争を布告した。時に西暦2390年のことである。
戦闘は熾烈を極め、序盤は戦力が乏しく寄せ集めの外惑星連合が圧される形であったものの、資源をすべて外惑星に頼っていた太陽系連邦は次第にその行動範囲をせばめられていった。
開戦から10年、シリウス星系で行われた会戦により外惑星連合は太陽系連邦に対し、司令官の戦死と全兵力の4割の喪失2割の鹵獲という屈辱的敗北を浴びせ、この後の優勢が決定的になった。
徐々に太陽系連邦の行動範囲は狭められ、西暦2453年、ついに月軌道上まで追いつめられる結果となった。度重なる降伏勧告を無視し宗主権を盾に頑迷なまでに抵抗しようとする政府に対し、熱核兵器による掃討攻撃が始まったのは包囲から2ヶ月同年8月のことである。
魔の13日の始まりである。
スペースコロニーへの攻撃を皮切りに全ての大陸に熱核兵器が投下され、10億を数えた人口はわずか10万にまで減少し地上は13日間炎に包まれた。
そして西暦2455年、正式に太陽系連邦の解体が外惑星連合により宣言され、デネブ星域を中心とした惑星連合の設立が宣言された。同盟暦の始まりである。
しかし平和は長くは無かった。
地球という大きな敵があってこそ結束していた惑星連合である。その敵がいなくなった後には互いの領有権を主張し争う暗黒の時代が始まった。大小40以上の恒星系を束ねるには、人類の解析能力も想像力も発達していなかった。
中でも大きな勢力を発揮した星域が3つあった。
デネブ星系とペネローシア星系とカノープス星系である。それぞれが互いに牽制し合いながら近隣の恒星系を征服しようと画策し、独自の政治手法で独立を謀ろうとしていた。
絶対帝政を敷くペネローシア、軍国主義を掲げるカノープス、民主共和制で支持されたデネブ。互いに譲らない状態が続いたが、この均衡はデネブの矛盾した行動であえなく崩壊した。
デネブが近隣の中立星系に対し「利敵行為」と称して制圧に乗り出したのであった。この状況により、デネブからほとんどの自治星系が離れ孤立無援となり制圧を許してしまった。
ところがこの愚策を察知し、一早くデネブ政府の崩壊を予期し新天地を求め銀河系へ乗り出していった住民がいた。その数40万人。彼らは軍部の若手士官或いは一部首脳部と語らい恒星間航行用の輸送船と、百隻に上る軍艦を奪取し民主共和制の目をつなごうと試みられた。民主共和政府の遠征である。
この遠征は約10年の後ようやく実を結び、居住可能星系を発見するに到った。アルテナ星系の第5惑星をユニオンと名付け宇宙暦の発布と民主共和制を標榜する民主惑星連合の樹立が宣言された。
物語はさらに下ること宇宙暦225年、同盟歴238年まで下るところから始まる。
今回公開した文章は小説の「はじめに」(という言い方でいいのかな)の部分で
歴史書風に時代背景を簡潔に説明するところでしょうか。
作者も承知の上でしょうが、文体は「銀英伝」そのものですね。
「歴史書」風というのも「銀英伝」中の文体に似てる。
「西暦2455年、人類は唯一絶対の故郷としてきた地球を放棄した。」という書き出し、
地球を放棄、というのでえっ、どういうこと?という感じで物語に引き込まれる
つくりにはなっているけど、少し地味といえば地味かなあ。
時代設定、過去の事件の整理などが少しくらい矛盾があっても私は気にしないほうかな。
「グイン・サーガ」を読んでたら物語の設定が過去の巻とちょっと矛盾があるのが
多かったから。それでもストーリーが面白かったら気にしないわけ。
でも、物語の主要な時代設定は、この前書きの200年後くらいですよね。
前書きだし、ここの部分は細かいことの矛盾にばかりに目を向けるんじゃなく、
これからの舞台がどんな感じかをさらっと読めばいいんじゃないかな。
この「はじめに」の部分の出来は小説を読み終わってから振り返るとどういう位置づけかが
わかるでしょうね。
ここから200年後ってどんな話かなあ?
続きが楽しみ。
だけど体調や勉強の邪魔にならないペースでね。
そうだ、印刷して持ち歩いて仕事の昼休みにでも読もうかと。
感想を書くところにまでたどり着くには当分かかりそう・・
最後の宇宙歴ってのは一体?
計算すると、物語の始まりから488年経過しているしているが、宇宙歴の始まりがないですね。
あと、シリウス・ケンタウルスα・バーナード星系って表現は、天文学に詳しくないと、一つの星にみえてしまうわかりにく表現だと思います。「、」か「改行」もしくは「」で囲むともっとわかりやすくなるかと。
あと、せっかくだからケンタウルス座アルファ星は三重連星であることも強調してもいいかも。
距離的にはアルファのプロキシマ、ΑもしくB(順動)、シリウス、バーナードの順でいいですかね?
それと宇宙船のメカニカルな描写が欲しいなぁ。
一番近いプロキシマも4.22光年だし、アポロだって12万年以上かかる距離だから、はじめて人類が到達して185年で戦争するには地球との距離を時間的に近づける必要があるかと。
(というか、それを説明しなきゃ、サイエンス・フィクションではないかと・・・)
それだけ距離があると、なんで地球に固執するねん!ているツッコミも。太陽系内だって、資源は相当豊富のはずだから、なんでわざわざ外惑星系まで資源を取りにいったのか?って疑問もあります。
少なくとも350年くらいでは、月やアストロベルトや火星、金星、木星あたりからの資源調達は常習化するかもしらんが、地球の海水すべてをイオン化分解しつくすかどうか疑問です。
それに、太陽系内にしたって、波風がたたなかったとは思えない。
地球さえも国家を排して統一されるだろうか?
むしろ、企業や国家の植民地的に開発が広がり、独立だの、出先の中でも内部分裂は起こると思うし・・・
まあ、それは、読者の勝手な想像というものですねw
出すぎた真似を、失礼いしました。
続き楽しみにしておりますぞww