おれ、光男！

ジョーの友達・・・。
今日はさ、昔の学生時代のこと、書くね・・・。


おれ、喫茶店やってんだ・・・。
筑波でさ・・・。
きょうは、ジョーのアパートに向かってる。
なんでか、あいつ、昨日の必修のフランス語休んでたんだよね。
自主休講は珍しくないけど、必修は来るんだけどね、
二日酔いかな・・・それとも、どっか、しけこんだのかな？

でも・・・だから・・・麻雀面子そろわなくて・・・
おれ、麻雀したいし、様子見に行こうと・・・

手に持ってるのは・・・うちの店特製のナポリタン、
ジョーのやつ腹減らしてるだろうから・・・
持ってってやるんだ（作ったのは姉貴だけどね、前に家に来た時、姉貴ちょっとジョーを気に入ったみたい・・・食いっぷりを、だけどね・・）。

「ジョーいるかい？」
「・・・ん？」返事ない。
　ドンドン・・
「なんだよ、ドアあいてる…えっ！ジョーどうしたの」

うつろな目したジョーが・・・布団の中にいた。

「なんだ、光男か・・・ちょっと、風邪ひいたみたいでな、昨日から寝てたんだ・・・。もっともそろそろ起きるかと・・・」
「顔赤いけど・・・熱あるんじゃないか？大丈夫かよ！」

これじゃ麻雀に誘えないかな・・・。

「これはよ、昨日動けなくて、手に届く範囲にあれしかなくてよ」

ジョーの指さす方向には、ジンの空瓶が2本転がってる。

「えーっ、この間、買って強くて飲めんって言ってたやつじゃん」
「あぁ、そうだが、熱出たみたいで、動けんかったからな、手の届く範囲には、あれしかなくってな、喉かわいてよ」
「って・・・それにしても、2本も飲んだの？」

なんだ・・・二日酔いの方だな・・・。

「じゃ、なんも食ってないの？」
「昨日の昼からは・・・ジンだけだ、お前こそ珍しいな、こんな時間によ、まだ昼前だぜ・・・麻雀の誘いかよ？麻雀なら電話で・・」

あれ・・・図星・・・ジョーなんでよくわかるのかな・・・。

「違うよ、こないだ言ってた、うちの店自慢のナポリ、作って持ってきてやったんだよ。感想聞こうと思ってさ！ちょうどいいね」
「おっ、感心、感心、さっそくいただきたいが・・・」
「暖めてきてやるよ、フライパン使うね・・・」
「お前、いい主夫になるよ！！」

暖めながら考えた。
意外と元気・・・これなら麻雀できるかな。

ジョーがっつり食ってる・・・。

「どう・・・？うまい？」
「うん、うまかった、昨日から何にも食ってなかったしな＾＾」
「ひでェナ・・・しょうがなくかよ・・・＾＾」
「いや・・・うまかったよ、ひとごこちついたよ、でも、姉貴の味付けだろ・・・お前じゃねぇな作ったのは・・・」

なんでジョーよくわかるの・・・？

「コーヒー入れるわな・・・」ジョーが立ち上がった。
ジョーは・・・コーヒー好きだ・・・おれも喫茶店やってるが、
奴の入れるコーヒーはうまい・・・おれといい勝負かな？
冷蔵庫の中に何はなくても・・・豆は残ってるらしい。

サイホンがボコボコと音を立てる。
「ガテマラだけど・・・煙草あるかい」
「ああ・・・セブンスターだけど・・・いいかい？」
「昨日から吸ってないから・・・文句はいえんよ」

ジョーが旨そうに、煙草を深く吸った、紫煙が登る。

「で・・・、ジョーこれからどうする？動けるの？」
「これからは・・・午後の必修の心理学の講義・・・くらいかな」

今だ・・言うんだ
「ジョー今から、麻雀やんない？」
「はぁあ？・・・」
「山杉は・・・1時に校門とこで待ってるって。あそこで待ってりゃ誰か網にかかるよ！！必修の代返誰かに頼んでさ」
「って、おまえ・・・さっきと違うこと言ってるぞ、マジかよ・・・俺、まだ頭痛いし・・・」

まずい・・・ジョー怒ったかな？
でも、頭痛いのは、ジンのせいでしょ・・・。

よし、必殺技・・・なぜかジョーは特定の言葉？に弱い・・・

「おれ、ほんきだよ？！」微妙な沈黙・・・

「・・・・しゃーないな、・・・ナポリの恩もあるし・・・行くか・・でもこの間みたいな徹夜は勘弁だぜ」

やった（＾＾）・・・麻雀だ！！
作戦大成功！！


でもね・・・この後の麻雀、おれ・・・負けちゃったの。
せっかく誘いに行ってまで、やったのに・・・。

だけど・・・麻雀のあと飲みに行って・・・
麻雀の負け分は、おごってもらったから・・・
ちょっとおもしろいこともあったし・・・
いい日だった。

えっ・・・おもしろいことって？
それは、また今度ね。
バイバイ！！