Nicotto Town



修正が間に合うか^^; 腐~11

さて、セルカに話すと決めたはいいが、何と言って切り出そう。
急がないと時間は待ってはくれない。
出会った頃は自分の胸のあたりにあったセルカの頭がいつの間にか目の前にあるように、人間の時間はあっという間に過ぎて行く。

宿へ戻り、部屋の中にふたつあるベッドの内のひとつへセルカに腰を下ろさせ、もう一方にセルカと向かい合うようにティーグが腰を下ろす。ここまで来ても、まだティーグはセルカにどう切り出すべきか考えがまとまっていなかった。
「あの…ティーグさん、話しって何ですか?」
話しがあると言って戻ってきたのに、ベッドに腰を下ろしたままなかなか話し出さないティーグに、セルカが不安そうに声を掛ける。
「ああ、悪い」セルカに促され、ようやく口を開くティーグ。
「・・・あのさ、お前封魔師って知ってるか?」
「封魔師ですか? 聞いた事ないです」
ティーグの問いに少し考える素振りをしてから、首を振ってこたえるセルカ。
そこでティーグは説明してやる。
「封魔師ってのは、妖魔を封印して使役できる能力を持った人間の事なんだよ。それでな、多分お前にはその能力があると思うんだ」
「え?」
ティーグの言葉に、目を見開いたまま硬直するセルカ。自分がまさかそんなとんでもない能力を持ってるなんて想像だにもしなかったのだろう。
セルカは何度か口をぱくぱくさせると、ようやく言葉を紡いだ。
「あの、それって…封印できるのは妖魔だけなんですか?」
予想からかなり外れた質問に、ティーグはとまどいつつも「よく分らんけど、多分な」と告げると、何故かセルカはしょぼんとうなだれた。

「それじゃ、ティーグさんの化け物退治の役には立ちませんね」
うなだれたままセルカが言う。
確かに今までティーグは妖魔退治の依頼は受けた事がなかった。
やはり同朋には牙を向けたくないし、獣は獣で本能に従っているだけなので、人間が襲われていると知っても退治したくはなかったのだ。
まあ・・・特別人間の役に立ちたいと思った事もないが。
それにしても一般人にはない特別な能力があるかもしれないと言われたのに、喜ぶわけでなくティーグの役に立てないとうなだれるセルカ。そんなセルカが愛しくて仕方がない。しかし…
「あのさ、なんでそんな事がおれにわかるのか不思議に思わん?」
そう。何故そんな事がわかるのかと聞かれたら、それは自分が妖魔だからと答えるつもりでいたのに、かなり予定とはずれた展開になってしまった。
これでは言い出すきっかけがつかめない。
「だってティーグさん色々知ってるから、そういうのわかっても不思議じゃないかなと思ったんですけど」
確かに長く生きてる分色んな知識もあるし、セルカにも色々教えてはきた。んが、
こう言う能力はだからと言ってそう簡単にわかるものではないと言う事がセルカにはわかっていなかったらしい。
思わず頭を抱えたくなるティーグだった。

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2012/06/29 09:28
なるほどなるほど・・・
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2012/06/23 19:47
シフォンさん、今晩は。
そうそう、ノリは軽いけど実は真面目なんです^^
可愛いだなんて、いやんそんな(〃▽〃)

みなわさん、今晩は。
みなわさんの想像力に乾杯ですっ^^
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2012/06/22 23:22
ティーグの姿が目に浮かぶよう(笑)
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2012/06/22 21:15
なんだかんだいってティーグさんも真面目で純粋な方なんですよね。
悩んでるかんじが実に可愛いです♪
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2012/06/22 20:17
みゆさん、今晩は。
ティーグがシャイと言うか、セルカがズレてると言うかw

ゐ故障中さん、今晩は。
あわわわわ
学生時代国語の成績は(…も)超低空飛行だったのに、身に余る光栄です^^;
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2012/06/22 16:44
楽しませて頂いてますw
いつも文章が、スッと頭に入ってきます。
凄い才能ですね^^
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2012/06/21 21:20
ティーグのじれったい気持ちが・・・・^m^シャイなんだ❤



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