Nicotto Town



No.1014 食の安全とは命を守ること


...memo

No.1014 食の安全とは命を守ること


家庭菜園を自然な方法でやりたいと私が思ったのは福岡正信氏の『One Straw
Revolution』(わら一本の革命)を読んだのがきっかけだった。さまざまな工夫
をして作物を育てているうちに、科学技術は万能でその進歩によって食料や環境
などのあらゆる問題は解決できると信じ込まされていたが、それが真実ではない
と痛感し、大型機械による近代農業ではなく、小規模の自然農法に勝るものはな
いということを確信するようになったのである。

有機栽培を推奨する私に、友人から、アメリカのスタンフォード大学の研究員ら

が、オーガニック農産物に大きな効果を期待すべきではないという調査結果を発
表したという記事が送られてきた。オーガニック農産物の利点は残留農薬などの
含有量が少ないことだけで、栄養的なメリットはほとんどなく健康に良いという
考え方の根拠となる証拠は見つからなかったという。大手メディアはこのレポー
トをもとにオーガニック農産物、ひいては有機栽培信仰を止めようという結論を
導く記事を掲載したのだ。

しかし記事をよく読むと、体に取り込まれる残留農薬や抗生物質がずっと少ない

というオーガニック農産物の利点があらためて証明されたことが分かる。作物を
自然な方法で作ることは生態系への影響を少なくすることはもちろん、人体に取
り込む毒が減るという大きなメリットがある。1960年代、レーチェル・カー
ソンは「沈黙の春」で農薬や化学物質による環境汚染の重大性について警告を発
したが、農薬はそれほど危険ではないとする企業宣伝や御用学者の力に人々は洗
脳されてしまったようだ。

スタンフォード大学のオーガニック農産物の研究については後日談がある。この
調査にはスポンサーがいた。2011年11月、食料安全保障問題に取り組むため
に、大学は大手穀物メジャーの一つカーギルから200万ドルの補助金を受け、
これでカーギルからの補助金は10年間で500万ドルにもなったという。多少の
残留農薬があっても、穀物メジャーの農産物は十分安全だというレポートを大学
が出したのはこの見返りともいえるだろう。

オーガニック農産物は多くが小規模農家によって作られた、農薬使用や遺伝子組

み換えをしていない食品である。その対極が工業的に生産され、穀物メジャーに
支配された作物だ。近年のオーガニック市場の拡大はこうした大企業にとってう
とましく、スタンフォード大学という権威を利用した発表はそれを阻止し、オー
ガニックにこだわる必要はないと信じ込ませるためのものなのだろう。

アメリカで起きていることは日本でも起きる。実際、TPPで懸念されているこ

との一つは遺伝子組み換えや食品原産地のラベル表示を取り除くというものだ。
それによって消費者は食物が遺伝子組み換えかどうか、どこの産地かを知る手段
がなくなる。TPPへの参加は、そのアメリカにおける資金力と権力構造が同じ
ように日本にも適用されることを意味する。食の安全とは命を守ることである。
家庭菜園で野菜作りをすることは私にとってあてにならない政府のもとで暮らす
自衛策ともいえる。



耕助のブログ 様
2012年10月22日
http://kamogawakosuke.info/2012/10/22/no-1014%E3%80%80%E9%A3%9F%E3%81%AE%E5%AE%89%E5%85%A8%E3%81%A8%E3%81%AF%E5%91%BD%E3%82%92%E5%AE%88%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8/

...

雑草からのメッセージ  片野学教授
   カテゴリ:ニコッと農園
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=689818&aid=45148733
...
...





Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.