植物工場の実力は本物か?
- カテゴリ:ニコッと農園
- 2012/11/16 17:07:25
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植物工場の実力は本物か?
2012年 9月 25日 00:24
九鬼信
JanJanblogのファンなら、この前身であるJanJanNewsをご記憶の方も多いだろう。
市民記者が記事を投稿するインターネット新聞として、一時期非常に注目を浴びたメディアである。
しかし2010年、広告収入の落ち込みが激しく、運営存続が困難となり、JanJanNewsは休刊となり、今のJanJanblogへと変身を遂げたのである。
JanJanNewsにはすぐれた記事が多く、様々なブログで紹介されていたこともあり、Google検索をすればトップニュースとして表示されることも多かった。
たとえば次の記事「「植物工場」は本当に効率的か 一問一答で考える農業の未来」も、「植物工場」をキーワードにして検索すれば常にトップで表示されていた。
ところがJanJanNewsが休刊になって以降、一ヶ月以上にわたって記事が閲覧できなくなった。
閲覧できるようになったときには、URLがhttp://janjan.voicejapan.orgに変更され、Google検索では上位で表示されなくなってしまった。
というのも、Google検索で上位になるにはリンクがそのページにたくさん張られていることが必要だが、リンクは全て過去の http://www.news.janjan.jp/のままとなっており、記事それぞれが単独で「宙に浮いている」状態になっているためである。
筆者が上記「植物工場 一問一答」の記事を投稿したのは、植物工場に幻想を抱きすぎる人が増えるのを警戒したためである。
植物工場はコストがかかりすぎ、生産物である野菜の価格も非常に高くつく。
このため、植物工場は残念ながら、商業ベースに乗せるには非常な困難が伴っているのだ。
そのことは、上記の記事を読んでいただければ、すぐに了解していただけるだろう。
だが、上記記事は事実上閲覧が困難となっている。
筆者が上記記事のURLにアクセスしようとすると、ページが開くまで189秒もかかるのである。
http://janjan.voicejapan.org/living/0904/0904211878/1.php
筆者の他の記事である「現代版「荘園」は日本農業を救えるか?」(http://janjan.voicejapan.org/government/0909/0909220613/1.php)や
「多様性を生む制限……「市場主義経済」「社会主義経済」から脱皮した「スポーツ的経済」」(http://janjan.voicejapan.org/government/0810/0810260220/1.php)も、189秒たたないとページが開かない。
これでは通常の人間は根気が続かないで、閲覧しないで終わってしまう。
このようなこともあり、現在では「植物工場」をGoogle検索しても上記記事はもはや検索結果として表示されてこない。
植物工場の効果を強調する内容のページが検索の上位を占めている。
このような状況も手伝ってか、東日本大震災とそれに伴う原発事故を受けて、植物工場は再び脚光を浴びている。
被災地では植物工場の建設ラッシュが起きている。
だが、植物工場の問題点は相変わらず残されている。
生産物の価格が一般消費者が手が出ないほど高価格なのだ。
植物工場で最近、レタス1個の価格が60円にまで下げられた、とあたかも画期的な成果として一部で評判となっているようである。
だが、通常の露地栽培や温室栽培であれば1個10円しないような値段で生産されている。
また、植物工場で生産したレタスが露地栽培などよりも高品質であるように宣伝されているが、実体はそんなことはない。
たとえば2010年4月に日本科学未来館で紹介されていた数字では、植物工場で生産したレタス100gあたりビタミンCが21mgも含まれ、露地栽培だとわずか4mgしか含まれていないかのように紹介されていたが、この数字は非常に奇妙である。
野菜に含まれる成分を網羅的に調べたデータベースでは、レタス(学名Lactuca sativa)には、レタス100g換算で最低でも18mg、多い場合は300mgは含まれているのである。
http://sun.ars-grin.gov:8080/npgspub/xsql/duke/chemdisp.xsql?chemical=ASCORBIC-ACID
筆者の経験でも、露地栽培や通常の水耕栽培で育てたレタスは最低でも100mgはビタミンCを含んでいる。
むしろ、植物工場で生産したレタスにはわずか21mgしか含まれていないことが驚きである。
さらに驚くべきことは、露地栽培でわずか4mgしかビタミンCが含まれていないレタスを、よくぞ見つけてきたものだということである。
そこまで品質の劣悪な露地栽培のレタスを見つけるのは、至難の業である。
そんな「究極の」極悪レタスと比較することで、植物工場の優位性を示そうとするのは、多くの人々に誤解を誘導するものであるといわざるをえない。
植物工場を実際に手がけてみれば、高品質の野菜を生産することが如何に困難であるか、そして収益を上げることが如何に困難であるかがよく分かる。
だが、大企業ならいざ知らず、それほど企業体力のない会社が植物工場に手を出せば、その社員全員を路頭に迷わせる恐れがある。
そんなリスクの高い植物工場を、なぜ政府は推進しているのだろうか?
大きな理由は、経済産業省が農業分野に食い込みたいともくろんでいるということである。
これは、東京大学のN教授からも、経済産業省の官僚から聞いた話として、証言を得ている。
通常の田畑は農地法があるため、農林水産省の管轄に手を出せない。
しかし、都市部に建設できる植物工場なら、農林水産省にお伺いを立てなくても経済産業省が独自に推進できる。
植物工場を足がかりに農業に進出すれば、やがて農林水産省を経済産業省の傘下におさめることも視野に入ってくる。
このため、経済産業省は湯水のごとく植物工場の事業に補助金をつぎ込んでいる。
たしかに、経済産業省が農林水産省を飲み込み、産業を再編するのも一つの手かもしれない。
その足がかりとして、植物工場を政治的駆け引きの道具とすることも、分からないではない。
だが、植物工場が奇跡の農業技術のように宣伝することは、国民に幻想を与え、食料安全保障を考える上で大きな禍根を残すことになる。
植物工場があれば食糧危機なんて怖くない、という嘘を教えることになるからだ。
経済産業省はその危険性が分かっているだろうか。
そして、東日本大震災、そして原発事故により傷ついた被災地に、植物工場の幻想を抱かせ、さらに巨額の借金を負わせることになることに、忸怩たる思いはしないのだろうか。
残念ながら、植物工場の問題に警鐘を鳴らした筆者の記事は、Google検索で上位になることは見込めず、なにより表示されるまでに189秒と時間がかかりすぎる(サーバーの能力の低さか?)。
筆者の記事をブログに転載してくれたところがいくつかある。
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/179.html
せめてその転載記事をごらん頂くことで、植物工場の問題について再考を促したいと思う。
↓コメントへ
植物工場の実力は本物か?
2012年 9月 25日 00:24
http://www.janjanblog.com/archives/81788
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「植物工場」は本当に効率的か 一問一答で考える農業の未来
九鬼信2009/04/24
このところ、農業の効率向上を図る方策として「植物工場」が、テレビなどで推奨されているが、「植物工場」は幾つもの問題点を抱えているのが実態なのだ。安易な「農業の工業化」論をはびこらせないために、詳しく点検した。
http://janjan.voicejapan.org/living/0904/0904211878/1.php
「植物工場」は本当に効率的か 一問一答で考える農業の未来
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/179.html
投稿者 taked4700 日時 2010 年 11 月 12 日 15:49:20: 9XFNe/BiX575U
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