【5】 ならんだ 5つのキュウリ
- カテゴリ:イベント
- 2014/05/09 08:25:14
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カッパの家族とフー太郎
http://www.nicotto.jp/town/monthlyevent/howto?event=cucumber
その5
↓
5月8日の収穫=キュウリ5本✧
✿。+ Story +.゜*
5月8日 23:02:52
陸軍の19歳のサキアは、少女の家の4階にいました。
ならんだキュウリの皿を一つ一つ観察し、
一生懸命にメモしています。
この部屋は、屋上にあり、
もともとは立食パーティーの会場でしたが、
危険な宇宙生物クラゲットの捕獲作戦のときは、
国際会議の会議室として使われていました。
この部屋には、とても便利な機能がついていました。
実は、リモコンで屋根を開閉できるのです!
夜のパーティーのとき、カクテルを片手に、
ふと、満天の星空が見たくなったら、どうでしょう?
ふつうなら、テーブルに行って
グラスをそっと置き、ドレスのスカートを持ち上げ、
ハイヒールで1階へおりて、でこぼこの地面を歩く靴に
はきかえ、外へ出て――ということになり、
とても大変です!
エレベーターを使ったとしても、楽ではありません。
でも、この部屋では、違いました。
リモコンをピッと押せば、1秒後に天井が動きはじめます。
そして、数秒後には、カクテルを少しずつ飲みながら、
満天の星を見上げて立っているのでした!
サキアの様子を少女といっしょに見ていた
フランカが、ふいに言いました。
「どうして、陸軍と海軍が出動してるのかしら?」
「そういえば…」
と少女が言いかけたとたん、頭の上で、
白い仔馬が言いました。
「どう違うの?」
「緑色の軍服の人たちが、陸軍で、
白い軍服の人たちが、海軍なの」
「じゃあ、黒は?」
「空軍。宇宙の色に合わせてるって聞いたよ」
少女の説明に納得したのか、仔馬は、
なるほど、と言ったきり、静かになりました。
「ところで、」
言いながら、少女はサキアに近づき、尋ねます。
「どうして、陸軍と海軍が、両方、出動してるの?
クラゲットのときは、みんなでやるしかなかったけど…
また、そんなに大変なことになってるの?」
「ごめんなさい。
かえって、心配させてしまったようですね」
サキアは、いつもの穏やかな口調で、
申しわけなさそうな苦笑を浮かべて言いました。
「キュウリは、陸で採れるものでしょう?
一方、カッパさんたちは、川にいますよね?」
「川?」
フランカが、静かな声で、不思議そうに言いました。
「そういえば、ずっと前に、
1回だけ、川で見た気がする…」
少女がポツリと言うと、
サキアが、瞳を輝かせて、説明をはじめました。
「そう、川です!
川は、必ず海に注いでいますね?
だから、この国では、川は『海軍の管轄』なんです」
「え? そうだったんだ…今知った」
「私も」
少女と、フランカが言いました。
「で、キュウリとか、大根とか、メロンとか、
そういう農作物っていうのは、全部、陸でしょ?
だから、この国では、『陸軍の管轄』です」
「なるほど。そういうことでしたか」
「駅長、いつのまに…」
驚く少女に、くまの駅長は言いました。
「そのコーヒーがおいしそうだったんで、
同じのを注文してたんです」
駅長が持っているカップのコーヒーからは、
テーブルの角に置かれたコーヒーと
同じ香りが、ただよってきます。
少女は、テーブルの角のコーヒーを見て、
素朴な疑問を口にしました。
「だれの?」
✿。+ つづく? +.゜*
アルバム広場
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クラゲットの件が解決し、キュウリの調査を開始。
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