Nicotto Town


マイペースにやってます♪


第217回「エッグをさがす園児」

いってきます! イースター・エッグをいっぱい見つけてくるからね~!

もらったステキコーデ♪:17

少女は、買った花を抱えて、
いつもの喫茶店に入ってゆきます。

窓際の席で、ホット・コーヒーを
ゆっくりと飲み干すと、
家路を急ぎます。


ーー家の3階。

自室にバケツを置いて、花をそこへ大切そうに入れると、
少女は、ペットのえさを買いたしに出かけます。


あのショッピング・モール、
 炭火コーヒーが飲めるんだよね♪



畑のあぜ道をスタスタと歩いてゆくと、
30分ほど歩いたところで、
元気な声が、青空に響きました。

「いってきま~す!」


おどろいて、声のするほうを見ますと、
無邪気な子供が、大きく手をふっています。

水色の制服を着て、黄色いバッグを肩からさげています。
この近くに新しくできた、公立の保育園の制服でした。

「この近くの子かな?
 あの帽子、私とおそろいだ♪」

少女は、この子のほうへ歩いてゆきます。


「イースター・エッグを
 いっぱい見つけてくるからね~!」



今度は、白い袋をぶんぶん
ふり回しながら、叫ぶと、両親らしき人も
にこやかに手をふり、静かに帰ってゆきました。

その次の瞬間、子供がふいに、ふり返り、
少女と目が合いました。

ふんわりボブの軽やかな黒髪に、
くりっとした大きな瞳が映えているのが、
少し神秘的でもありました。

右の瞳は髪と同じ色、
左の瞳は、銀色にきらめく月のような色ーー。

「卵を見つけたら、その袋にいれるの?」
「うん!」

その子供は、
心から、にっこりとほほ笑んでいます。

「じゃあ、がんばってね」

「ありがとう! バイバイ!」
「バイバイ♪」

2人は、手をふって別れました。


(男の子かな? 女の子かな?
 素直で、かわいいけど、ちょっと不思議な感じの子……)


ーー30分後。

ショッピング・モールから徒歩7分ほどの
立派な本屋さんが見えてきました。


   つづく


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第216回「育てた花を売る、フランカ」
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