第216回「育てた花を売る、フランカ」
- カテゴリ:コーデ広場
- 2018/04/13 15:34:42
イースター2018★ 育てた花を売る、フランカ
ーーイースターの前日。
のどかな昼下がり。
少女は、街を歩いてみることにしました。
長い黒髪をたらし、買ったばかりの帽子をかぶると、
ペットたちにあいさつして、
ドアに鍵をかけます。
「たまには、ウォーキングもしないとね♪」
てくてく歩き、いつもの喫茶店のある石だたみが
向こうに見えてきました。
「明日のイースターに、お花はいかがですか?
つみたて、新鮮ですよ~」
「ん? あの声は……」
淡い色のマーガレットを花束のようにかかえた人が、
おしとやかな様子で売っています。
少女は、花売りのほうへ、ゆっくり歩いてゆきました。
5歳くらいでしょうか。
おてんばな女の子が1輪買って、
わーい、とはしゃいで風のように走り去ると、
清楚な女の人が声をかけ、2輪買ったように見えました。
その直後。大人の人たちが数人、
少しずつ買って、温厚そうな後ろ姿で、
ばらばらに帰ってゆきました。
四葉のピアスが そよ風にゆれ、
褐色の肌に、かすかに香るデオドラント。
黒い瞳と、シニヨンの黒い髪がきらめいています。
「いらっしゃいませ (^▽^)」
「フランカ!」
清楚な花売りの女の子は、
少女のクラスメートで親友のフランカでした。
「すっごいきれい!! ばら売り?」
「…ええ」
少女の瞳と頬が、ぱぁっと輝きました!
「えっと、何円?」
「1輪100円です (^▽^)」
「これと、これと、そっちの2つ。あと、これ」
少女は1秒も迷うことなく、
次々と指さして、5輪のマーガレットを受け取ると、
500円玉を1枚取りだし、そっと手渡しました。
「ありがとう。また…来てね」
フランカが、少し照れた笑顔で
いつもの物静かな声でそういうと、
少女は、不思議なーー少し変なーー幼い鳥を発見しました。
「あれ? 頭に、卵をかぶってる!?」
「あら…本当ね。不思議……」
その小さな、幼い鳥は、イースター・エッグが
かえって出てきたばかりの ひな鳥でした。
つづく
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マーガレットでかくれてる部分は、こちら♪
↓
花でかくれていた部分
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=454893&aid=65912380
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