Nicotto Town


マイペースにやってます♪


第117弾「母の日の夜 2014」

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今度、コーデ広場に投稿します。
(サークルの「コーデ大好き」にも)

物語は、第114弾(母の日)のという設定です


*.+。+。+ Story +。+。+.*


――話は少しもどりますが、
母の日の夜のこと。

フランカのパパは、いそいで鍵をかけると、
外階段を駆け上がり、2階の事務室に
鍵を返しました。

そして、社長さんと、守衛さんに
あいさつすると、急ぎ足で、
会社を後にしました。


――残業で、おそくなってしまった!

だれともすれ違わない、大都会のレンガの歩道を
駆け抜けながら、パパは、心に叫びました。
今日は“母の日”なのに――と。


駅へ行く途中に、
カーネーションをたくさん並べた
高級なカフェのような花屋の前を通りました。

――が、深緑色のシャッターが下りはじめ、
こちらに気づいた若い店員が、
深々と頭を下げました。

家の近所での開催が決まっていた
妻が行きたがっていた母の日イベントも、
もう、すでに終わっている時間でした。

パパは、10分ほどバスに乗り、
“チューリップ駅前”というバス停で降りました。



さて、フランカのママが帰宅したのは、
パパが帰ってくる、ちょうど1時間前でした。

ママは、マンションのカードを
ピッとかざして玄関のドアを開け、
傘を傘立てにつっこみながら、黒いエナメルの
ハイヒールをぬぎました。

陽気なこの街は、明るく知的な人たちが多く暮らし、
治安も世界一いいのですが、快適さのために
一軒家ですら、オートロックが主流でした。


フランカのパパとママの家は、マンションの12階。
大都会の夜景は、黒いビロードの上に宝石を散りばめたようでした。

ママの耳には、昨夜、息子から郵送で届いた
紫陽花のピアスが揺れています。

ダンボールを開けると、
リボンを結んだだけの小箱に、
1輪のカーネーションが添えられていました。

そして、リボンをほどいて
小箱をそっと開けると、このピアスと、
「ありがとう」とだけ書かれた2つ折りのカードが
入っていたのでした。


ママは、いつもはパパと同時に帰宅し、
いっしょに夕食を作り、いっしょに食べていました。

とはいえ、今回ばかりは無理なので、
いそいで作りはじめました。

そして、なんとか完成して、ならべはじめた
そのときです――。


ピンポーン


「はい」

白いインターホンの小さな画面に
映ったのは、よく見かける制服を着た
宅配の人でした。

「なにか、注文したかしら?」

宅配の人が帰ってから、よく見ると、
“懸賞”の2文字があって、パパ宛てでした。


――そのときです。

ピンポン

「はい」

ママが、また宅配かと思って、ドアを開けると、

「ママ、ありがとう」

と手渡され、見ると、
見事なカーネーションの花束でした!

「フランカ」

そこに立っていたのは、
おめかしして、おそろいの
真珠のネックレスをした、自分の娘でした。

「ありがとう。よく来てくれたわね」

ママは、娘を上がらせ、
キッチンの奥の冷蔵庫へ歩いてゆくと、
もう1人分の材料を出しました。



*.+。+。+ つづく?  +。+。+.*



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第114弾「フランカの母の日 2014」
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=454893&aid=55758496

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2014/05/15 23:15
おしゃれな翻訳小説ばりの魅力ですヽ(*´∀`)ノ

ステキ水。。。。




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