第173弾「コンちゃんのお墓」
- カテゴリ:お部屋アイテム
- 2014/12/02 09:57:14
![]() |
8月のある日のこと。
近所に住んでいる男の子が、夕涼みカフェに立ち寄りました。――このカフェへ来るのは、2度目でした。
数日前。
お友達から聞かされた「心霊スポット」を
通りすがりにチラリと見たところ、本当に人魂を見てしまったのです!
「いらっしゃいませ。1名様ですか?」
「はい」
男の子は、その時のことを思い出しながら、
席へ案内され、そっと、すわりました。
そして、ホット・コーヒーを注文し、ウェイターがさがると、
だれにともなく、ぽつりとつぶやきました。
「まさか、本当に怪奇現象が起きるなんて……」
少し寒気を感じましたが、
気のせいだと思うことにしました。
「あれ?」
見覚えのないお墓が、目に入りました。
(あの池。蛍なんて、いたっけ?)
怖くなって、辺りを見回しましたが、
前回とちがうのは、お墓と、お供えと、かわいい幽霊のパネルだけでした。
(オレンジ・ジュースと、とうもろこしと、風車か…)
男の子は、いつのまにか置かれていたコーヒーを
1口だけ飲むと、思いました。
(僕ぐらいの子が、死んだんだろうか? 病気? 交通事故?)
男の子は、1日に1杯だけ、
ブラックのコーヒーに、少しだけミルクを入れて
飲むのが日課でしたが、ジュースも同じくらい大好きでした。
――その時です。
***
(つづきは、あとで書きます)