～1939年某日～

大日本帝国陸軍の兵器を開発している陸軍技術本部に
大佐の階級章をぶら下げた変なおっさんがやってきて言った。

「ドイツさん家がスッゲーデカイ戦車作ったって!!
  ウチも欲しいから作って!…ん? 上の許可は出たかだって?
  そんな事は気にせず早く作りたまえ!! これは極秘命令だ!」

それから1年後、超重戦車「オイ車」は完成した しなかった。
何故なら、あまりの重さに走れなかったからである。


普段私が遊んでいる「World of Tanks」というゲームに、
このオイ車は登場します。
それも、妄想設計図通りの性能をそのまま再現した形で。
他の戦車を圧倒する堅さ、そして火力。
撃たれたら撃ち返す、撃ったら撃たれない。
「怪獣戦車」と呼ばれることさえある暴君へと成り上がったのです。

「前面は滅茶苦茶堅いし、背面撃っても弾かれた!!
  ｳﾝｴｲﾘﾆﾝｻﾝ、ｳﾝｴｲﾘﾆﾝｻﾝ、この糞戦車削除してくだち!!」

「けおっ!? 重戦車なのに一撃でｵﾀﾞﾌﾞﾂﾀﾞｰされたんですけお…」

「gff…重装甲でも榴弾の削りダメージは防げまい…
 け、けお…ﾐﾘほどもダメージ入らないんですけお…」

上記のような悲鳴がそこかしこで上がります。
しかし、オイ車にも弱点があるのです。
強敵を叩けるとテンション上がっちゃうので、
ハイテンションで説明しちゃいます。


デカイ 超デカイ

どれぐらいデカイかって言うと、こんな文字サイズを指定
したくなるぐらいのダイナマイトボディ。
ネオンサイン光らせてスピーカーで爆音鳴らしながら走ってるのか
ってぐらいの勢いで敵に見つかるので、脳みそから「隠れる」という
選択肢を削除すべきレベル。
そして、いくら堅かろうが、脚を潰され殴られ続ければ死ぬ。
勿論、こんなデカブツが収まる遮蔽物もそうそうない。


側面激薄問題

正面が堅いのは勿論のこと、通常の戦車なら最も薄いはずの
背面装甲も正面と全く同じ堅さ。
おまけに鋼鉄の両乳首(※副砲塔)でまさに鉄壁。
キューポラやハッチも、搭乗員が大和魂とか気合辺りで穴を
塞いじゃったので、全くもって堅い。
しかし、車体側面だけはベニヤ板のように薄いのだ。
しかも、ベニヤ板の裏には、超特大弾薬庫がドドンと
載っている超絶敏感ポインツ。
ここを刺激してやると、ボン・キュッ・ボンの欲張りさんボディを
真っ赤にしながら悶ちゃってもう…火災発生。
運が良ければ飛び上がりながら爆発して、即ガレージに連れ
込めるので、もしオイちゃんが隙を見せたら、恥ずかしがらずに
猛アタックして殺意気持ちを伝えよう。


邪魔

そう、邪魔なのだ。
強い敵なら当たり前だろうと思うかも知れないが、実はこいつ…
味方に居ても邪魔なのである。
なまじ火力も装甲も優れているだけに、ふらふらっと味方の前に
踊り出て、射線を遮ってくる。
単体でも強いが故に、このゲームの基本たる連携を忘れてしまう
うっかりさんが多いのだ。
そんなダイナマイトボディのうっかりさんに轢かれでもしたら、
あっという間にハンバーグの出来上がりである。
免許持ってんのかオラァ!!
これは敵にとっても同じことなので、挑発して孤立させたり、
乱戦中に敵の射線をオイ車で遮ると、途端にカカシの完成。
あとは 側面を 良い感じに 撃て!


ニコタの住民にWoTプレイヤーは殆ど居ないと思いますが、
これで笑いのひとつでも取れれば良いかなと_(:3｣∠)_