Nicotto Town


メモ書きめいた日記帳


頭文字T マリノフカの丘のデッドレース

中央に広がる平原と、北東には大きな丘がある自然豊かな地「マリノフカ」。

そして、そこに集いし戦車たち。
Tier5が主力たる戦場に、今日も鈍いエンジン音が鳴り響く。

試合開始の合図と共に走り出したるは味方のAMX ELC bis(以下Eエルク)。
フランス製ゴキブリの名に恥じぬスピードで、颯爽と北上し丘を目指す彼に

「なんて操縦テクだ…っ!」

と、味方の賞賛が投げかけられる。
しかし、その途中、側面からの突然の襲撃。
M24 Charffee(以下チャーフィー)のアンブッシュだ!
エルクの後方から投げ掛けられる支援砲撃を、緩やかな起伏と、持ち前の
機敏なハンドリングで次々と躱し、エルクへ追い討ちを仕掛けるチャーフィーに

「なんて操縦テクだ…っ!」

と、味方の苦しげな声が響く。
しかし、エルクもただ逃げ惑っていた訳ではない。
一見逃げているように見せかけつつ、追撃してきたチャーフィーへと、
助走を付けてからのドリフトターンで急反転。
チャーフィーへと狙いを定め…発砲!
取り回しや命中精度を犠牲に手に入れた、規格外の極太90mm砲から
チャーフィーを穿たんと凶悪な砲弾が吐き出される!

「なんて操縦テクだ…っ!」

味方から勝利を確信した歓声が飛んだ。
だが、エルクのドリフトターンという絶技の数瞬前に、既に事は起こっていた。
まるで、この反撃を読んでいたかの如く、左へと僅かにハンドルを切り、
左履帯のみを段差に乗り上げさせたチャーフィーは飛んだ。
時速50kmを超える速度でジャイロ回転を2回転披露した後に、窪みの中へ着地。

「なんて操縦テクだ…っ!」

エルク渾身の一撃を回避され、味方から悲鳴が上がる。
しかし、物理法則に抗いし飛翔の魔術の代償は凄まじく、
着地の衝撃でチャーフィーは履帯を大破。
身動きが取れなくなったチャーフィーの隙を、エルクが容赦なく
強打せしめんと全速力で突っ込む!
今度こそは、避けようのない至近距離射撃を敢行するつもりなのだ。

砲塔を左右に揺らしながら焦るチャーフィー
迷いなく突進を仕掛けるエルク
勝敗は決した

…かに思われた。
チャーフィーの収められた窪みの縁に乗り上げ、離陸するエルク。
重力の枷から解き放たれた転輪が、履帯が、いつになく元気に
回転する様を我々に魅せつける。
…しかし、先述した通り、飛翔の魔術の代償は大きいのである。

エルクは、チャーフィーの頭上を飛び越し…崖の下へと墜落していった。
当然、パラシュートなどという便利な道具は搭載されていない。

「…なんて操縦テクだ」

私たちは落胆しながら呟いた。

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2016/03/30 20:02
>たまさん

油断して勝利を逃すというのはゲームに限らずよくある事で…

因みに先日、物理演算の改良により、急制動を利用した急旋回や
横転による爆散が追加されました。
エルクは機動力と車重の都合により、飛んだり横転しやすく、物理演算の
改良が実施される前から単独事故の代名詞でした。
それが更に危険性を増した訳ですから、今回に限らず愉快な死に様を
晒してくれるエルクは跡を絶ちません_(:3」∠)_
アバター
2016/03/30 19:33
あぁ、勝利を確信したが故の油断…
だがしかし、谷底へ落ちたと思われるエルクがなんと崖をよじ登っての再登場だぁ♪
そして皆は言う
「…ありえねー!なんて操作テクだwww」

とは、ならなかったの?笑

しかしいつもながらハユたんの文章はしっかりしてて読みやすいねー!
前にも言ったかも知れないけど、プレイしたことないゲームなのに情景が目に浮かんでくる♪



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