Nicotto Town


マイペースにやってます♪


第188回「夏休みカフェへ! 」

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少女は、学校に置いてあるビラを持ち帰ると、応募しました。

外部のイラストコンクールのビラでした。


――それから数か月。

本人もすっかり忘れて、6月に入ったところで、
校内の入選者たちの名前が、廊下に貼りだされました。

「私も? ――ああ、今、思い出した」

少女は、見ながら、思い出しながら、言いました。

「いいわね~。
 私も送ったのに、ツイてないわ」

そう言いながら、メアリーは、
半分ほど残っている紅茶のペットボトルを取りだし、
一気に飲み干しました。

その様子に、少女がポカンとしていると、
メアリーのクラスメイトの女の子が言いました。

「でも、かわいい絵だったよ♪」

2人は、たのしそうに談笑しながら去ってゆきました。

「待ってよ。なに、もらえるんだったかしら?」
「スイーツだろ?」
「違うよ! 免除でしょ? なんの…だっけ?」

他の入選者たちが話し合っています。

(何だっけ? 去年は挑戦しなかったからな…)


――両方が手に入りました。
その答えを知ることになったのは、朝礼の時でした。

表彰がテキパキと終了すると、
校長先生が、厳かに発表します。

「賞品は、おかし商品券と、
 夏休みの宿題の一部を除いた免除です」

「え?」
「一部って、なに!?」

一瞬、生徒たちはざわめき、再び、静まり返りました。

「一部というのは、こういうことです。
 読み書きの復習だけはすること。
 これは、みなさんもご承知のとおり、 『提出義務のない宿題』です。
 提出はしなくてよいですが、人として必要なことです」

たしかに、という風に、生徒のほとんどが、うなづきました。

「学生ですから、ちゃんとやるように。
 以上です」

校長先生は一礼し、台を下りました。


☆☆☆

少女は、帰宅すると、駆け寄るペットたちに
あいさつをするや否や、早送りのような素早い動きで
端から順に水をかえ、エサをあげ、
なでなでし、トイレと床をピカピカにしました。

「ごめんね。なるべく、すぐ帰るから♪
 いってきま~す!」

小走りに商店街へゆき、
いつもと違う店に入りました。
この雑貨屋は、スイーツの品揃えがよいことでも有名です。

(金賞の子は、3000円か。次回、がんばろうっと♪)

少女は、折りたたんだ財布をひろげ、
ドキドキしながら《おかし商品券》を取りだしました。

(1000円か。よし! 電卓を持ってきて、よかった♪)

少女は、レジの前に立ちました。

「994円でございます」
「商品券で、お願いします♪」
「かしこまりました」


☆☆☆

となりのコンビニで
他のおかしを自宅宛てに送った少女は、
プリンを手に、食べる場所をさがしていました。

「どうしようかな♪
 景色がいいところに、すわろうかな♪」


☆★☆★

つづき 1
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つづき 2
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