第188回「夏休みカフェへ! 」
- カテゴリ:ニコッとタウン全般
- 2017/06/18 15:43:44
![]() |
少女は、学校に置いてあるビラを持ち帰ると、応募しました。
外部のイラストコンクールのビラでした。
――それから数か月。
本人もすっかり忘れて、6月に入ったところで、
校内の入選者たちの名前が、廊下に貼りだされました。
「私も? ――ああ、今、思い出した」
少女は、見ながら、思い出しながら、言いました。
「いいわね~。
私も送ったのに、ツイてないわ」
そう言いながら、メアリーは、
半分ほど残っている紅茶のペットボトルを取りだし、
一気に飲み干しました。
その様子に、少女がポカンとしていると、
メアリーのクラスメイトの女の子が言いました。
「でも、かわいい絵だったよ♪」
2人は、たのしそうに談笑しながら去ってゆきました。
「待ってよ。なに、もらえるんだったかしら?」
「スイーツだろ?」
「違うよ! 免除でしょ? なんの…だっけ?」
他の入選者たちが話し合っています。
(何だっけ? 去年は挑戦しなかったからな…)
――両方が手に入りました。
その答えを知ることになったのは、朝礼の時でした。
表彰がテキパキと終了すると、
校長先生が、厳かに発表します。
「賞品は、おかし商品券と、
夏休みの宿題の一部を除いた免除です」
「え?」
「一部って、なに!?」
一瞬、生徒たちはざわめき、再び、静まり返りました。
「一部というのは、こういうことです。
読み書きの復習だけはすること。
これは、みなさんもご承知のとおり、 『提出義務のない宿題』です。
提出はしなくてよいですが、人として必要なことです」
たしかに、という風に、生徒のほとんどが、うなづきました。
「学生ですから、ちゃんとやるように。
以上です」
校長先生は一礼し、台を下りました。
☆☆☆
少女は、帰宅すると、駆け寄るペットたちに
あいさつをするや否や、早送りのような素早い動きで
端から順に水をかえ、エサをあげ、
なでなでし、トイレと床をピカピカにしました。
「ごめんね。なるべく、すぐ帰るから♪
いってきま~す!」
小走りに商店街へゆき、
いつもと違う店に入りました。
この雑貨屋は、スイーツの品揃えがよいことでも有名です。
(金賞の子は、3000円か。次回、がんばろうっと♪)
少女は、折りたたんだ財布をひろげ、
ドキドキしながら《おかし商品券》を取りだしました。
(1000円か。よし! 電卓を持ってきて、よかった♪)
少女は、レジの前に立ちました。
「994円でございます」
「商品券で、お願いします♪」
「かしこまりました」
☆☆☆
となりのコンビニで
他のおかしを自宅宛てに送った少女は、
プリンを手に、食べる場所をさがしていました。
「どうしようかな♪
景色がいいところに、すわろうかな♪」
☆★☆★
つづき 1
http://www.nicotto.jp/albumsquare/detail?user_id=454893&id=12281
つづき 2
http://www.nicotto.jp/albumsquare/detail?user_id=454893&id=12280