第204回「メアリーの海水浴 2017」
- カテゴリ:ニコッとタウン全般
- 2017/07/12 16:26:52
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「お嬢様、水着が届きました」
「ありがとう! そこへ置いて」
「かしこまりました」
ボーイは、そっとダンボールを置くと、
静かにドアを閉めました。
「よし!」
メアリーは、瞬く間にダンボールを開封し、
梱包材と箱をポン、と斜めうしろへ放り投げると、
届いたばかりの水着を取りだしました。
「ネットって、便利よね。
セキュリティさえ気をつければ、なんでも買えるんだもの!」
そう言って、まばゆい白い鏡台の引き出しを開けると、
スマホは、まだ充電中でした。
「高性能のほうのセキュリティソフトを
入れておいて、正解だったわね」
*+☆*☆*☆+*
メアリーは、ドアに駆けよると
鍵を閉めたことを確認し、鏡台の前へ駆けもどりました。
そして、届いた水着とパレオに着替え、
鼻歌交じりに、新品の淡いピンク色のサンダルをはくと、
手ぐしで髪を整えました。
フリルが揺れるビキニも、
金のチェーンのついたパレオも、
メアリーの大好きな大理石の鏡台のように純白で、
サマー・ビーチのようにきらめきました。
ビキニの胸にかかる金の髪と、
育ちのよい白い肌、エメラルド色の瞳を
宝石のように引き立てています。
「う~ん。
『水着は、清楚に白無地』って決めてるけど、
ちょっと真っ白すぎたかしら?」
メアリーは、淡いピンク色の
シースルーの羽衣をふわりとまとうと、
色とりどりのハイビスカスの花冠をかぶり、
左の手首には、純金のブレスレットをしました。
「うん、OKね♪」
メアリーは、まっすぐに鏡を見て、うなづきます。
「あとは、急に寒くなった時のために
このブランケットも持って行かなくちゃ!」
*+☆*☆*☆+*
――海に着くと、メアリーは黒い車を降り、
執事に言いました。
「夏休みになったら、また来ていいかしら?」
老紳士は微笑んで、静かに言いました。
「もちろんです。
今年は、早めに宿題を終わらせましょう。
ご協力いたしますから」
「そ、そうね……数学だけならいいのに……」
メアリーは、尻すぼみに言うと、
ほんの一瞬、ゲッソリとした表情に変わりましたが、
すぐに気を取り直しました。
そして、瞬く間に準備体操を済ませると、
「じゃあ、ちょっと泳いでくるわ!」
元気に手を振り、
青い海へと駆けだしました。
肩の白い動物は、どこかへ飛んでしまわないように
慣れた様子で、キュッとしがみついていました。
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