Nicotto Town


つれづれ花残月 ← 和.com


お題った~! 

この話は、下記キャラを使っています。↓ を先にチラ見して頂けると助かります。

天使ですか 悪魔ですか 悪魔19
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=180002&aid=65836942



  + + +

〝君はとてもキレイだ〟 と、私の天使は言った。

私は当時、魔界の罪人だった。見た目だって美人ではないし、さほど可愛いという訳でもない。
それでも私の天使が、私のことをキレイだと褒めてくれるたび、素直に喜んだ。
そのたび、ありがとう、と繰り返した。
繰り返すたびに微笑む、私の天使のほうがずっとキレイだったけれど。

あれは、どのくらい前の出来事だったのだろう。もう何年 ?! 何十年 !? それとも何百、何千年……
それでも私は、私のことをキレイだと笑う私の天使の笑顔を、
まるで昨日のことのように思い出す。





……その日、私は魔界から人間界に下りて来ていた。
いつもの通りの些細な調べもの。
目的はすぐに達せられたが、私は浮かれた音に誘われ、そのまま人間界をふらふらしていた。

人間界ではこの時期、あちらこちらで夏祭りが行われている。
日が暮れるとその祭りめがけて、どこからともなく人が集まり、浮かれた音はいっそう高揚感を増していく。

その様子をひとりぼっちで眺めていると、なんとなく孤独感に襲われることもあるけれど、
笑いさざめく楽しそうな空気は、いつしかまとわりついて、私を留めさせる。
今日も人間のフリをして、その喧騒の中を歩いていた。

そんな時だ。人間とは異なる空気をまとったモノを見つけ、私は足を止めた。

向こうは気づいていないのか、ゆっくりとこちらに向かって歩を進めている。
人に紛れて違和感のない姿をしているけれど、あれは私の天使だ。私が見間違うはずがない。

消滅していなかったんだ !! と走り寄ろうとして…… 私は息を飲んだ。
私の天使がまとっている 〝気〟 が、天使のものではない……。

どうして。

思わず、そんな言葉が洩れかけ、私は口をつぐむ。そんなの聞かなくとも解る、堕天したのだ。
自分の意思なのか、命じられて仕方なく、なのかは解らないけれど、
私の天使はもはや 〝天使〟 ではなかった。

私に気づいたのか、あと3mほどの距離で足を止め、私の天使は呆然とした顔で私を見つめている。
言葉を探しているのか、幾度となく口を開こうとしては止め、ためらっている様子も伺えた。
それはそうだろう。この状況で、再会の一言を見つけるのはカンタンではない。

久しぶり、元気だった ? ……私はもう生者ではない。とうの昔に処刑されている。元気もなにも…。
私はもう天使ではなくなったんだ ……そんなの見れば解る。会話が続かない。
どうしてここに ? ……これは、あるかもしれないが。この場で身の上話はふさわしいとは思えない。

「お祭り、いっしょにどお ?」

私がそう言って先手を打つと、私の天使はホッとしたように笑顔を見せた。
懐かしい、懐かしい…… けれど。私の記憶にある笑顔は、もっと屈託のない晴やかなものだ。
それでも、私の天使は笑って、

「じゃあ手始めにクレープをおごらせてくれる ?!」

何がいい ?! と問うので、私もにっこり笑い、
肉そぼろにレタスとキャベツの千切り、仕上げにサルサソースをかけたものを頼んだ。
私のセレクトが意外だったのだろう、私の天使の目を丸くする。

私は肉食女子なんだよ。と言ったら、もっと目が丸くなった。

それを食べながら、露天をひやかして歩く。
人間界のキャラクターお面を見て、これは何だろうと、そろって首をかしげた。
千本引きというクジ引きでは、ゼッタイ千本ないよね、と笑った。

まるでデートみたいだ。身体が触れそうなほど近くで、私の天使が言う。

生きていた時、天使の〝気〟は、悪魔の私にとって重いものだったから、
こんなに近づくことはできなかった。

そうだね、と私も答え、それで私たちの会話は途切れた。

それでも私たちは、祭りの喧騒の中を歩いている。
周囲には露天が連なり、人間たちが笑いさざめき、美味しそうな匂いが漂っていた。
時折、歓声も響き、周囲に融け、また別の場所で歓声が上がり、また融ける。
その繰り返しを耳にしながら歩き続けると、目の前に大きな鳥居、その奥に社が佇んでいた。

この祭りは神社の祭りだったのか…。
イマサラながら、ぼんやりとそんなことを考えた。

社のふもとは、祭りの熱気から隔絶されたように、少しひんやりと湿った空気に支配されている。
手を伸ばしても届かない上空にだけ風が舞っているのか、
社の背後で樹々の先が揺らめいていた。ただそれだけの、静かな世界……。

私は少し背伸びをして、私の天使の首に腕を回して抱きついた。

このくらい、いいよね…… 夢みたいな、ひとときだもん。
生者ではないものに抱きつかれるなんて、多少は気持ち悪いかもしれないけど……。
心の中でつぶやいたセリフは、少し言い訳めいていた。

私の天使は、私を抱きしめることは無かったけれど、抗いもしなかった。その代わり言葉をつむぐ。

「君が処刑されたと聞いて、私は、魔界に走った。君を探して、第一圏から順に各圏を巡ったよ」
「処刑された後なら、私はもう、いなかったよ。無駄足をふませちゃったね」
「いないなんて、信じたくなかったんだ」

後悔したよ。いなくなって探すくらいなら、どうして早くに動かなかったのか、ってね。
君を連れて人間界に逃げるくらい、いつでも出来たはずなんだ。なのに……。

そう言って、私の天使は私の背に腕を回す。肩が震えているように思えた。

後悔……。後悔していたのか。私が処刑されたのなんて自業自得なのに。
私は、首に回した腕を下げ、私の天使の腕を振りほどき、ゆっくりと社まで歩いた。
私の天使がかすかに動く気配がしたけど、それに構わずおみくじを引く。

凶が出た。
もう一度、私の天使のために、おみくじを引く。
今度は、大凶、だった。
私はそのふたつのおみくじを手渡す。おみくじの文字を見て、私の天使の顔が少し強張った。

「あなたは天使ではなくなった。私は、生者ですらない。私たちは、いまが底。そういうことよね !?」

そう言って私は笑った。笑ったまま、私の天使の顔を見据えて、言った。

「終わったことだよ。私を後悔のネタにしないで」

君は……。そう言いかけて、私の天使はため息をついた。
相変わらずだ… とか、どうせ、そんなことを言いたかったのだろう。
後悔したって戻らないものの方が多い。だから、その後悔を引きずるなんてバカだよ。

「でも、私の天使が私のことをキレイだって言ってくれたことは、死んでも忘れてないよ」

そうして私は、昔のように、ありがとう、と言った。
帰ってきた笑顔は、やはり昔のような屈託のないものではなかったけれど、
私の天使のほうがやっぱりキレイだと、私も微笑んだ。

「明日……」

また会いたい。明後日も会いたい……。私の天使はそう言って口づける。
明日、明後日……。某文化局最高責任者様に何と言い訳をしたら、うまく抜け出せるだろうか。







元悪魔の夏祭り

8月1日
堪能 クレープ、キャラのお面、千本引き 、孤独感等
御神籤 大凶と凶
誘った側 過去を悔いる相手に、君は今でも守ってくれていると言う
誘われた側 明日の約束をする

出典:CP向け夏祭り (←診断メーカー https://shindanmaker.com/806170 ※停止中



私に恋愛もんなんて無理無理無理ーーーっ。
とか七転八倒しながら書いた ヾ(≧▽≦)ノ゙ でも色気もそっけも無いwww
.

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2019/11/30 00:43
読んでくれてありがとう~~~❤


この二人は、

元天使からゾンビへの愛の言葉:
時計の針がぴったりと重なった時、震える唇から「どうしても君に会いたくて、」

って感じで元天使がゾンビの(文化局借り上げ)宿舎に押し掛けて

元天使からゾンビへの愛の言葉:
暑さの残る秋の入り口に、壁と腕で閉じ込めたまま「もっと、」

元天使からゾンビへのへの愛の言葉:
夕焼けに染まる部屋で、唇をなぞりながら「君がいなくても生きてはいけるだろうけど、」

こんな感じで同棲を始めるというのが (*ノωノ) 私の構想!


殿下の話は、これとは全く別なんだけどw
そっちは、殿下が主役なので~ (((o≧▽≦)ノ彡 ゾンビの出番は、ちょいですが。

名前 ( ̄~ ̄lll) やっぱりあったほうがいいかな。
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2019/11/30 00:38
某文化局最高責任者様はなにかとジャマしそうだけど
殿下がゾンビを応援することでしょう(´∀`*)ウフフ

名前つけてあげなよー
ゾンビじゃかわいそう(ノ∀`*)ペチ
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2019/11/30 00:31
これはー
ハッピーエンドだーヾ(*´∀`*)ノ

ゾンビだろーとダテンだろーと両想いだもん(´∀`*)ウフフ

ハッピーエンド。゚+.(・∀・)゚+.゚イイ!!

御神籤 大凶と凶っていうのいいよねー(* ̄▽ ̄)フフフッ♪

ウチが昔構想した大河明治BL小説wで
浅草寺で御神籤ひいて凶が出て(浅草寺って凶が多いんだよねー)
自分と付き合う(まだ友達としてだけど)と悪いことが起こるからやめたほうがいい
と言う場面があったー州´ω`州 ウッフッフ♪
これから起こる悲劇の暗示 (`ω´)グフフ  それでもやめられない
ってとこが萌えるのよねー(((´゚∀゚`)))ァヒャヒャヒャ

↑の二人はココが底だから
これからラブラブで上手くいっちゃうのだー
某文化局最高責任者様にジャマされながら(´艸`*)
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2019/11/29 23:55
。・°°・((((ノTTTωTTT)ノワーン!!

泣いちゃったー(*。ĭ∀ĭ)ダー

またじっくり読みに来るー( p′︵‵。)
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2019/09/05 20:50
ふっふっふ。遅ればせながら、ありがとうございます。
この診断は~大凶と凶! というのが良いのですよーーー ヾ(≧▽≦)ノ゙
きっと今頃、王都に部屋でも借りて同棲しているでしょう、こいつらはwww
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2018/07/24 21:38
大凶と凶 で唖然としたw
でもきっと相性は最高だねw
これ以上は悪くはならないからきっと最高w
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2018/07/13 00:40
ミュ☆ミュさん、読んでくれてありがとう~~~w

いっしょにいたいと望んでいると思うよ ヾ(≧▽≦)ノ゙
死んでも覚えているくらいだから、かなりベタ惚れでしょうwww

でもねーーーーっ、ゾンビなんだよ、ゾンビ !! すでに死者ー。
心のどこかでブレーキくらい、掛かるだろうよーーーっ、というキャラを選んだのは
私の趣味ですw

再会してみたら天使じゃなかった、笑顔も変わってた、その原因の全てが自分だった、
その上、いまだ後悔を引きずっている、もう切なさテンコ盛り?

あんまりストレートに書くと、自分で書いてて恥ずかしくて、途中で放り投げるからさーーーっ
ちょっと切ないくらいが丁度いいんだ、私には (*ノωノ)
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2018/07/13 00:39
゚ღゆうなღ゚さん、読んでくれてありがとう~~~w

切ないでしょうーーーっっっ
そのために、わざわざ悪魔ゾンビを使ったんだもーんw
このキャラ、お気に入りでして (*ノωノ)

悪魔が天使に近づいて、どう感じるかは謎ですが、
まったく何もないってコトはないだろうな~と思って~~~
同様に、天使が悪魔に近づいて… まったく違和感を感じねーってこともないだろうし?
花蝕ではマスターは平気で近づいていたけどwww

悪魔と夏祭り、まったく合わないシチュエーションもオモシロいかと思ったけど…
予想以上にオモシロかった ヾ(≧▽≦)ノ゙
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2018/07/12 23:44
堕天使の彼は明日も明後日もまた会いたいと言った。
彼は彼女と一緒にいることを望んでいる。
元悪魔の私はそれに応えたいと思ったのだろうか。
過去は過去のままで あのときの屈託のない笑顔を見せた天使の
君はとてもキレイだ という言葉を きれいにラッピングして保存したかったんだろうか。
環境が変わっても、それでも一緒にいたいという情熱はないんだろうか。
そもそも人間とは違うからそういう感情自体が希薄なのだろうか。
いろんなものをかなぐりすててもどうしても手に入れたいっていう情熱がなく
淡々として切ないところが 和.comさんの恋愛ものの良いところなんだなぁ。
私が書くと、めっちゃ熱くなっちゃうからなヾ(≧▽≦)ノ゙
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2018/07/12 21:25
色香がない分、純粋に心で結ばれてる感が切ないね。

生きている時は近づけなかったのに、死んでいるから近づけるって、切ねぇ~!(ノД`)・゜・。

悪魔シリーズの夏休みもいいねぇ^^

同じに名前を入れても、日にちが変わればリセットされるから。

同じ名前で何度でも楽しめるのだ~!

よし、悪魔シリーズでやってみるか!

こそっと公開だから、大丈夫だよねぇ^^;

サークルに宣伝もしてないし~!

あ、うちのはネコ様にだけはお伝えした、主役だから。

ま、風邪治ってからだろうが~!^^



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