冒険を夢見るちくちくさんにささげる世界半周旅行記

第十五話 初めて南京虫に出会う


（前回までのあらすじ）
ちょっと高級な宿に泊まってしまいました。
ケニアの情報をも得られたし、久々に日本人と
会話をしました。
明日はメーデー。
元の宿に戻ったら...



（5月1日）
朝、ボーイさんが朝食を持ってきました。（※１）頼んでないよと断ったのですが、
英語が通じません。１食３０ルピーくらいすると言うことなので、断固断りました。
食堂で夕食食べても５ルピーくらいなのに、その６倍の朝食って...
屋上に上ってみると、川が見えました。その川には、外国船が沢山入っているので
そこまで散歩してみました。川には、跳ね橋が架かっていました。夕方の５時には
開くとのことでした。

お昼頃に宿を出て、カーリーガートというところに行きました。（※２）
カーリー女神というのは、女神と言うにはあまりにもおどろおどろしく、
首には、生首、あるいは髑髏を数珠繋ぎにして作られた首飾りをしています。
そんな女神を祭っているカーリーガートに着くと、ちょうど、山羊の生け贄の
儀式の最中で、クビをすぱっと切り落とすというところに出くわしました。
周りにいる人たちは、その滴る血を指で自分の額に塗っています。これで
家族の安全を願うんだそうです。ちょっとぞっとした光景でした。
夕方の４時頃、カーリーガートにある、「死を待つ人の家」に行ってみました。（※３）
道端に放置されたまま死を待っている人々を見たマザーテレサが作った施設で、
人間らしく死ねるようにと、世話を始めまたそうです。ここには、多くの
ボランティアの人が来ているそうです。
ここは、男性用の部屋が一つ、女性用の部屋が一つ、それに、日本人の医者らしい
人が一人とヨーロッパ人のボランティアが２人いました。
そこは、小さくて清潔でしたが、部屋にはベッドがおいているだけでした。

日中歩き回って疲れたので、今まで泊まっていたホテルパラゴンに戻り、一階の
ドミトリーを借りました。２階のドミトリーは２５ルピーなのに、１階は２０ルピーと
安くなっていました。疲れていたので、とにかく横になって２時間くらいぐっすり
寝ましたが、体のあちこちがかゆくて目が覚めました。
どうやら南京虫と遭遇したようです。（※４）しばらく我慢をしていましたが、ついに
我慢ができなくなり、屋上に避難しました。この時点で、すでにあちこちがかゆくて、
どうしようもありませんでした。南京虫に咬まれたところの皮膚を全部剥いで、
何とか落ち着きました。
この晩は、屋上でシュラフの中に入って寝ました。



（第十六話につづく）


※１　泊まり客は、私と話し相手の日本人の二人だけなのに、ボーイさんが３人も
　　　いました。
※２　カーリーという破壊と殺戮の女神を祭った寺院。
　　　カーリーは破壊的な側面を持ち生の血を好むということから、この寺院では
　　　毎日生贄のヤギの首を斧で断つ儀式が行われているそうです。
※３　前の晩に話をした松岡さんに勧められて行ったんだと思います。
※４　南京虫は英語でbed bugといわれるように、マットレスあたりに潜んでいて、
　　　人が横になるともぞもぞと出てきます。南京虫が歩いた後はとても痒くなります。
　　　退治方法としては、１００円ライターで火あぶりの刑が手っ取り早い方法です。



カルカッタ（今のコルカタ）のカーリーガート、
ちょっとおどろおどろしい場所でした。
山羊の生け贄が目の前でみられるとは。
しかも、南京虫にで出会うとは。
明日はカルカッタを脱出するぞー


次回、「第十六話 南インドのカレー」をお送りします。
乞うご期待。