冒険を夢見るすべての人にささげる世界半周旅行記

第四十九話 シルバーバックは格好いい


（前回までのあらすじ）
ゴリラツアーを待つために、問題を作っては手紙でみんなに送っていました。
明日は、ようやくゴリラ見物です



（7月30日）
では問題です。

すみれくんとたんぽぽちゃんは、ゴリラの見物チケットを買いに行きました。
一枚13,000Fr(フラン）かかります。

たんぽぽちゃんは、銀行に行って両替してもらいました。
1$が65Frなので、ちょうど200$両替し、チケットを買いました。

すみれ君は闇両替さんのところに行って、1$130Frでちょうど100$両替し、チケットを買いました。

でも、すみれくんはたんぽぽちゃんの買ったチケットを欲しくなり交換することになりました。
すると、たんぽぽちゃんは、「私、それ200$で買ったんだから、差額の100$頂戴」と言いました。
すみれくんは、「いいよ、でもFrで払うからね」と、また闇両替屋さんで50$だけ両替し、6500Frをたんぽぽちゃんに渡しました。

すみれくんは、100$+50$=150$使いました。
たんぽぽちゃんは、200$-50$=150$使いました。

同じ額だけ使ったことになりますが、なぜかたんぽぽちゃんは得したという顔をしています。
なぜでしょう。


今日はゴリラを見に行きます。
8時までに公園事務所に行かなければならないので、オートバイの後ろに乗って行きました。500Frでした。前を車が走っていたので、埃で髪の毛とひげが白くなりました。
公園事務所では、予約が取れなかったらしい旅行者が、早いもの順で切符が買えるグループ9の列に並んでいました。
私が見物するグループ13はさらに10Km先なので、バイクで行きました。

今日のグループは、フィンランド人、スウェーデン人、スイス人、フランス人、イギリス人、日本人（私）と国籍不明の8人です。
ガイドの説明はフランス語でしたが、ちょっとダンディーなフランス人のおじさんが、英語に通訳してくれました。
ガイドは二人で、銃とナタを持っています。

山の中に入り、ゴリラのフンを求めて移動します。
ゴリラは、一カ所にとどまっていないで、餌を求めて移動し続けています。

ガイドさんは、勘がいいのか、経験がものを言っているのか、フンを見つけ、ゴリラが通ったコースをたどっていきます。
道はあっても草木がすごく、ナタで道を切り開いていきます。生えている木はほとんどが竹でした。

2時間ほど歩いて、ゴリラの群れを見つけました。
背中が銀色になっている、ボスのシルバーバックの他に、親ゴリラが4頭、子供のゴリラが4頭いました。
シルバーバックは、身体も大きく堂々としていて、男前です。

こちらが近づくと、ゴリラは少し移動します。また近づくと、また移動の繰り返し。
近づいても、そんなに慌てて逃げるようなことはありません。

寝っ転がったり、葉っぱを食べたり、蚤を取ったりしています。
子供は木やツタに登りますが、一番小さいのは、まだうまく登れないので、途中でゴロンとオッか落ちます。
時々母親の背中にしがみついていました。



（第五十話話につづく）


最後の問題を作って、とうとうゴリラ見物です。
山の中をゴリラのフンを求めてさまようこと2時間、
ようやくゴリラのグループを見ることができました。
背中が銀色のシルバーバックは格好良かった。


次回、「第五十話 一面フラミンゴ」をお送りします。
乞うご期待。