植物が育ち始めるのを見ると、「ああ、春だなぁ」と思います。

　お花が満開に咲いているのを見た時もですが、小さな芽が出てきたり、茎が少しずつ伸びていったりしてるのを見つけると、これから春なんだと感じられて嬉しくなってきます。

　同時に、あんなに苦手だった冬が終わってしまうことが残念に思えます。
　早朝のきりっとした寒さや、夜の澄んだ空気も少しずつ変わっていくんだろうなぁ、とか。
　お気に入りのコートも来年まで着れないなぁ、とか、コンビニのおでんや肉まんももうすぐなくなっちゃうな、とか。
　早く暖かくなってほしいと思っていた筈なのに、冬が終わってしまう前に色々やらなきゃいけないことや考えておかないといけないことがあるような気がして、妙な焦りを感じてしまうのが不思議です。

　春もまたあっという間に過ぎてしまうのでしょうし、そうして夏を感じた時にはまた期待と同時に春を惜しんでしまうのだと思います。
　多分これからもずっと、秋が来てもまた次の冬が来ても、来年の春が来ても、季節が巡る毎に待ち遠しさと惜しむ気持ちをずっと抱いていくのでしょう。
　こんな風に四季のそれぞれに魅力があって、それを存分に享受出来る国に生まれることができたのは、本当に幸せなことなのだろうな、と心から思います。