Nicotto Town



韓国ドラマ「宮」二次小説「意地っ張りな仲直り」

 韓国ドラマ「宮」の二次小説です。
 二次が苦手な方・「宮」に興味のない方は
 回れ右!でよろしくおねがいします。
 yahoo!ブログからの転載です。



23話より・・・。



 「大韓民国!・・・やったぞ。」
 ふざけながら自室に戻ったチェギョンに、軽い憎しみを感じながら、シンはつぶやいた。

 仲直りのセレモニーが何を意味するのか、わかってて逃げたな、あいつ。まぁいい。夜はまだ長い。
 嘔吐によって疲れた身体を、安心感が包み込み、シンはそのままソファで眠りについた。

 なにかが身体に触れた感じがして、シンは目を開けた。
「あ、ごめん。起こしちゃった?」
 チェギョンがシンの身体に毛布をかけていた。
「寝てたのか、」
 シンはゆっくりと起き上がる。
「やっぱり疲れてるんだね。シン君がソファで寝ちゃうなんて。」
 チェギョンはシンの顔を覗き込み、おでこに手を当てる。
「ん、熱は無いね。気分はどう?吐き気はない?」
「なんかすっきりしたよ。」
「よかった!なんか食べる?お水を頼んでくる!」
「あっ、チェギョン、」
 チェギョンはパタパタと走り去る。
 なにもいらないから、もっとそばにいてほしい・・・。シンは思った。

「はい、シン君。お水飲んで。ちょっとずつ時間を空けて飲むと吐き気は止まるって聞いたの。」
「ああ・・・。」
 シンは水を一口飲んだ。
「・・・あきれたか?」
「え?なにが?」
「こんなことで胃を弱めるなんて。情けないだろ?」
「こんなことって、ちっともこんなことじゃないよ!」
 チェギョンは目に涙を溜めて、シンを見つめる。
「シン君は頑張ってるよ!シン君のこの痛みは、わたしの痛みなのよ!」
「お前が悪いわけじゃない。」
「ううん、わたしが悪いの。シン君は情けなくなんかない!」
「お前の気持ちに最初に蓋をしたのは俺だ。なにもかも、俺のせいだよ。」
 シンの言葉にチェギョンはきょとんとする。
「どういう意味?」
「最初から離婚すると言ったんだ。それなのに俺の言葉なんて信じられないよな。」
「シン君・・・。」
「お前を好きだって気付いてから、随分後悔したんだ。」
 チェギョンの目から大粒の涙がこぼれる。
「だから、お前のせいじゃない。」
 優しく、チェギョンをシンは抱きしめる。
「これからなにが起きても、俺たちは一緒だ。」
「うん、うん。一緒だよ。」
 どちらからともなく、唇を合わせる。何度も角度を替え、お互いの体温を確かめる。
「チェギョン・・・、」
 kissの合間に名前をささやく。もっと、もっと、チェギョンを感じたい。
 シンはチェギョンの胸に手を置いた。
「!」
 チェギョンがはじかれたように、シンから身を離す。
「ど、どこ触った?」
 チェギョンの顔はゆでタコのように真っ赤になっていた。
「どこって、胸。」
 シンは堂々と答える。
「もー!シン君のエッチ!なんでそんなに平気な顔で言うの?」
「なんでって、俺たちは夫婦なんだ。どこを触っても構わないだろう?」
「構うよ!勝手に触らないで!」
「じゃあ、胸を触るぞって、はじめに言えばいいのか?」
「そ、そんなの言わないでよ!はい、触ってくださいって言うわけないでしょ!」
「どっちなんだよ。」
 シンは素早くチェギョンを抱き寄せ、ついばむようなkissをする。
「ほら、仲直りのkissだ。」
 そう言って美しく笑うシンを見て、チェギョンは力が抜ける。
「もう・・・。」
 お返しにチェギョンもシンの頬に軽くkissをした。
「・・・セレモニーは、また今度ね・・・?」
 仕方が無い。そんなかわいい顔でお願いされたら、頷くしかないじゃないか。
「わかった。でもチェギョン。」
「ん?」
 ホッとしたチェギョンに、シンは微笑みながら言った。
「皇太子の理性も、他の男と同じように脆いんだからな。覚えておけよ。」
「・・・うん。」

 その夜、皇太子の理性はフル動員されたことはいうまでもない。




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