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♂かりんこりん♂の気まぐれ過ぎる日記(*^^)v


今話題の 激安高音質テレビ!!!

福井県越前市に本社機構、開発の拠点を持つオリオン電機。その知名度は高いとは言えないが、自社ブランド品に加え、日本国内外を問わずOEM品も多数手がける国産メーカーである。テレビについては、ブラウン管の時代から業務用途で存在感を示し、特にスーパー、デパートの展示用を中心に重用されたテレビデオは、そのタフネスが高い評価を受けた。

 ここで紹介する「RN32SH10」はごくオーソドックスな32型の液晶テレビである。ノーマル駆動のVA液晶で解像度はワイドXGA(1366×768画素)。バックライトの白色LEDはエッジ配置ながら、青色LEDに赤、緑の蛍光体を組み合わせた本格的な広色域タイプを奢っている。

 昨今、このクラスではアドバンスド・イエローと言われる青色LED+黄色蛍光体からRGBを取り出すタイプが大多数を占めるが、この場合どうしても赤の発色が充分とは言えず、真夏の青空のようなシアン色の再現性も難しくなる。その点、RGBタイプのLEDの場合、もともとの発色バランスが整っているため無理な補正の必要がなく、自然な色再現を確保しやすい。

 そして本機の最大の売りは「極音/きわね」という愛称からもお分かりのように、音のよさにある。家庭用テレビは、スピーカーの存在を感じさせないインビジブルデザインが現在主流となっているが、さらに厳しいコストダウンにさらされ高音質化への取り組みはきわめて難しい状況にある。

 一部の高級4Kテレビでは、音質改善に本気で取り組み、確かな成果を上げているケースもある。ただ家庭用テレビ最大の売れ筋サイズとなる32型では、コストの制約が厳しく高音質を売りにしたモデルは皆無。そんな状況を逆手にとって企画/開発されたのが、この"極音"というわけだ。

 オリオン電機が最優先したのは、人の声が聴き取りやすいこと。テレビとしては当然のことだが、一般的なテレビのようにスピーカーユニットとアンプが非力で、しかも音の出口(開口部)が下向きになっているもので聴き取りやすい音を実現するのはほぼ不可能。

 そこでまず画面下に前向きスピーカー開口部を配置し、フルレンジユニットとトゥイーターが無理なく収められるスペースを確保した。さらにスピーカーボックスは液晶パネルから完全独立、キャビネットは肉厚ABS樹脂の複合素材とし、高剛性化を図るというこだわりようだ。

 これだけでも32型液晶としては画期的だが、さらにバスレフポートのダクトを内部で折り曲げることで、低音の再現能力を強化したり、オーディオ用のフィルムコンデンサーを組み込んだアンプ回路を用意するなど、とても普及型の液晶テレビとは思えないような贅を尽くしたスピーカーシステムを完成させたのである。

 音声モードは「おすすめ(標準)」の他に、低域を抑えた「はっきり音声」、低域と高域をやや持ち上げた「ミュージック」、さらに8バンドのイコライザーによる調整が可能な「お好み設定」が用意されている。


端子は側面と背面の2箇所に備えられている。HDMI入力2系統とPCとの接続を想定したミニD-Sub端子を装備。USB端子は録画用と給電専用の計2端子を設けている

スピーカーユニットは40×100mmのフルレンジと35mm口径ドーム型トゥイーターを備える。トゥイーターはやや外向きに開いて配置されている。音に注力しているモデルだけあって、フルレンジユニットのマグネットはこのクラスではかなり大型のものを使っている。さらにアンプ部には高級オーディオ機器でも実績のあるコンデンサーを搭載している

映像モードは「スタンダード」「ダイナミック」「シネマ」「ゲーム」「エナジーセーブ」「お好み設定」を用意。色温度の項目では「ブルーライト軽減」の設定も可能だ

音声モードは「おすすめ」「ミュージック」「はっきり音声」「お好み設定」を用意、「おすすめ」のモードは、どの映像でも合わせられるように同社でチューニングしている。「お好み設定」を選ぶと、8バンドのイコライザー調整が可能になる

調整でニュートラルな画調に。サウンドは欲張らずに穏やかだ

 まず音声モード「おすすめ」を選び、オンエアで話し声を中心に試聴したが、解像感、レンジを無理に欲張らない穏やかな聴かせ方。男性、女性を問わず、声の抜けがよく耳障りな歪み感も気にならない。どうしても画面の下から音が聴こえる違和感は残るが、トゥイーターの取り付けをやや外側に傾斜させているためか、空間の拡がりはスムーズに感じられた。

 続いて2001年、品川グロリアチャペルでの今井美樹ライヴ(BD録画)の再生では、ゆったりとした落ちつきのある穏やかなサウンドが印象的だ。テレビ内蔵スピーカーとしては、中低域の描写にも余裕があり、ベースがよく弾み、ジャズトリオが楽しい。豊かな空間の拡がり、しなやかな質感が特徴的でボリュウム感豊かな低音も魅力的だ。欲を言えば、さらに高域の抜け、伸びやかさを加えたいところだが、32型テレビとしては間違いなくトップレベルのクォリティ感だった。

 続いて画質だが、まず画面モード「スタンダード」でオンエアを中心に観たが、ワイドXGAパネルということもあって32型とは言え画素の粗さが感じられ、特に斜めのラインで目につきやすい。また広色域LEDの影響か、赤の発色が強く、ハイライトもとび気味。ただRGBのゲイン調整、バックライト調整でバランスを整えていくと、落ちつきのあるニュートラルな画調、発色が得られる。どちらかと言えば「シネマ」から色温度を微調した方が、全体のバランスは整えやすいかもしれない。

 32型の音のいい液晶テレビが欲しい。“極音”はそんな要望にジャストフィットする貴重な製品だ。




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