Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


筍を茹でる。



今年初めて筍を茹でています。
台所に満ちる筍の香り。

いつものように、官能の迷作「妄想筍」をお届け。

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 妄想筍

   筍を茹でながら思ふ

   もはや私の愛は
   人ではなく               
   この時期の筍
   乳白色の湯の中で         
   静かに冷めるのを待つて入る君へと
   注がれて入る
                                               
         香しき                         
   鍋の何処にかぐや姫             
   糠に隠れて
   おはしますのか                 
                                               
         今年も違ふことなく               
   鍋の内より姿をあらはす君
   焦らせることはあつても
   裏切られることは決してなく

   そつと
   十重二十重の皮衣に手をかけて
   悪戯にその細い肩を口に含めば
         待ち望んだ逢瀬
   淡泊にして鮮烈な芳香
         官能の舌触りに理性は狂ひ
         このまま食べてしまひたい

         もう少しお待ち下さひませ

   微笑んで諭す言葉に
   己の所業を恥じ入る私
   その姿では心細かろうと
   たつぷりの出汁で煮含めた若竹煮
   薄揚げと共に仕込んだ筍御飯
   梅肉で和へた姫皮の突き出しと
   初夏の装ひに整へさせて
   仕上げには山椒の簪
       君のために誂えたのだよ

         見つめ合ふ二人
         やがて無言の儘に
   手を差し延べて
   熱く激しく
   満たされてゆく

   これより先は秘め事なる故
   皆さまの健啖な想像力に
   お委せしたく候


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2024/04/17 14:03
>鳩羽さん

すでに茹でてあって真空パックや缶詰で売られているのは、
筍の食感はありますが、香りがもうないですね。

以前、まだ味がついていないシナチクが
売られているのを見かけたことがあるのですが、
塩漬けされていて、つまり、塩抜きしてから、
甘辛く味付けするみたいです。
こうなるともう、保存食ですね。

この時期は、茹でて間もない筍も出回るのですが、
やはり、自宅で茹でて、
茹で上がった筍の皮を剥いて、
その皮にしゃぶりつくのが、
私としては最高なのです。  ☆\(ーーメ) はしたない
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2024/04/16 17:46
一度水煮から筍ご飯を作りましたが、あの香りに
遠く及ばなかったのです。だから筍を食べたい
という欲が、大きくなるばかりでした。
悔しいので、皮つきの筍を、安寿さんが
仰るように煮ました。淡白だけど、青竹とは
違う、柔らかな竹の内側からの香り。
頑張ってしまいますね╰(*´︶`*)╯

気温がずれ込んだのか、山口も蕨やゼンマイが
一瞬しか並ばず…ちと淋しかったです。
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2024/04/16 15:06
>鳩羽さん

おお~、鳩羽さんも、筍ご飯。

糠と唐辛子を入れ、落とし蓋をして茹でれば、
えぐみは、まず間違いなく抜けるので、
それほどテクニックは必要ないのですが、
その手間をかけてまで、筍を茹でるか、
その後の味付けまでするか、という点が、
筍料理のハードルを高くしていますよね。

今年は、山椒の若芽が手に入らず、
ちょっと残念でした。
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2024/04/15 16:25
アクが抜けているかなと、ドキドキしながら
ひとかじりします。春の鮮烈な香り!
今年はもっぱら筍ご飯でいただきました。

下ごしらえはしっかりと。
後はバリエーション豊かに。
安寿さんは流石、食材も言葉も
お料理上手ですね。

ごちそうさまでした╰(*´︶`*)╯♡



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