Nicotto Town


マイペースにやってます♪


【7-2】 オフ・シーズンの海へ✧

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「7-1」のつづき


喫茶店の前のバス停で、バスに乗る (7-1)
海のバス停で降りると……?


✿。+ Story +.゜*


――少し、話がもどります。


バスの中でのこと。

少女は、最初は、アザラシのマロを抱いて立ち、
左手でつり革を握っていました。

が、乗る人が増えてきたので、
すわることにしました。


そして、落ちないように窓を閉めてから、
奥の窓際の席へマロをすわらせ、自分は廊下側に
すわると、青い紫陽花の傘を自分たちの間に置きました。

傘の たたみかたが、わからなかったのです。
――本物の紫陽花でできた、特別な傘でしたから。


やがて、目指していたバス停が、
向こうに見えてきました。


その手前の赤信号でバスが止まると、
少女は、バスに乗ったときと同じく紫陽花の傘をさし、
マロを抱いて立ちました。

そして、シートの少しぬれたところを
タオルハンカチでぽんぽんと拭き、まるめて
無理やり、白いハートのポシェットに入れ、
チャックをすっと閉めました。


それから、ポケットから瞬時に出したコインを
そのまま投入し、バスを降りた次の瞬間


「ワン! ワン!」


聞き覚えのある声です。
見ると、青いバンダナをした犬の小太郎が
バスから駆け降りてきました。

その直後。

信号が青になり、バスが発車すると、
小太郎は、一直線に少女に駆け寄り、すりすりしました。

「来てくれたの? 家に置いてきたと思ってたのに」
「クゥーン」

少女が、かがんで小太郎をなで、
すっと立ち上がると、一瞬、髪がふわっとなりました。

「潮風だ」
「ワン!」
「こっちからだね」

少女は、潮風を感じるのにまかせて
歩いてゆき、ほどなく、見覚えのある浜辺に
青い波が寄せるのが見えてきました。

その後ろから、小太郎が、小走りについてきます。



海の波を目前にして、優しい潮風を全身に受け、
少女は、今すぐ泳ぎたいくらいでした。

しかし、看板をチラリと見ると、
今はオフ・シーズンで、泳げないことがわかりました。

「そういえば」

少女は、ハスの葉がしおれていないか
急に心配になり、取り出して、潮風に当てました。

「よかった…」

緑色の小さな葉は、まだ瑞々しいままでした。


とたんに、マロが、急に水に
入りたそうになりました。

少女が、波打ち際の波の上に、ぽんと
マロを置くと、大喜びで泳いでゆき、
ふり返って、手を振りました。


「いいなー、泳げて」

「ワン、ワン」



✿。+ つづく? +.゜*



関連リンク

【7-1】 白いキュウリ を 手に入れた✧
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=454893&aid=55719127

【8】 - -✧
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アバター
2014/05/11 05:49
>こめ大好きさん

ありがとうございます(*´▽`*)ノ
この傘は、物語っぽくて、お気に入りです。

1. アザラシが泳ぐ
    ↓
2. 少女が、うらやましがって、つぶやく
    ↓
3. 犬が返事をする

というイメージで書きました_〆(゚▽゚*)


でも、たしかに、犬も、犬かきで泳げますよね。
今、気が付きました。なるほど。
アバター
2014/05/10 23:14
あじさい傘素敵です。。。。

犬が泳ぎ、、、展開なんだろう?(*´∀`*)


ステキ水&ステキコーデ。。。




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