万人受け
- カテゴリ：日記
- 2024/04/25 20:46:23
先日、Xを読んでいたら、香水の万人受けに関する議論が出ていた。
「この香水は万人受け」という見出し、界隈ではあまり良い印象が無い。
界隈の人ほど、香水が香害にもなりえること、時と場合を選ぶこと、
人の好みセンスは千差万別であり、一括りにできないことを知っている。
また調香師の工夫をおもんぱかって、個性を出している作品を、
一括りにしないで欲しいという思いが強い
だから、万人受けと言うか、
香水に慣れ親しまない人にも迷惑のかかりにくいジャンルと言うなら分かるけど、
「万人受けだからガンガン使いましょう。」的なマーケティング、
特に明らかに香水の使い方がおかしい、理解していないインフルエンサーを使った宣伝に、
安直に扱って調香師が一生懸命作った作品を馬鹿にされているように感じて、
嫌悪感を抱いているんだと思う。
勿論ブランドがインフルエンサーを使う場合、失望感が強い。
ただし、ブランド側から見ればただの香水愛好家より他のジャンルのインフルエンサーに宣伝してもらい、
今まで香水に触れなかった層を取り込む方が儲けは良いんだと思う。
ただ、今回話題になった香水は、香水に触れない層が安直に手を出しにくい価格帯だったので、
なんか色々騒がれていた。
私は使ったことのないブランドだったので、ふーんと思っていたが、
ルラボのアナザー１３と言う奴で、構成を見ると使いやすいムスク系香水らしい。
アニマリックと言うのが気になるけど、ムスク系のイメージはラストにふんわり甘く香る。
肌に吸着されたように、肌なじみが良いとか言われるけど、石鹸のようだったりもする。
香水の宣伝をみていると、ホワイトムスク系は初心者にもおすすめ的な宣伝をしているので、
受け入れる人は多いのかもしれない。
ただ、やっぱり香水に万人受けは無いよ。
まず私がムスク系が得意じゃない。パウダリー感のあるアイリスも苦手。
だから所謂化粧台のような香水は得意じゃない。
香水の調合は薬みたいで調べるのが好きなので、都会の百貨店に行くと片っ端から嗅ぎまわっている。
だけどムスク系は当たり外れがかなりある。
ペンハリガンのアルテミジアは良いかなと思ったけど、
ELOの攻殻機動隊の香りは甘過ぎて吐きそうだった。
そもそも香り自体が苦手な人もいるし、難しいかな。
ただ、比較的好きな人が多いのかもしれないと言われれば同意する。
ついでに私はレザーがやや苦手で、タバコは大嫌いだから、
ちょっと臭いを嗅ぎまわるだけなのが丁度良い。
さらにその「万人受け」の香水が仮に好きだったとして、
その香りを自身が使いこなせるかはまた別の話。
ブランドが「万人受け」と宣伝する時は、嫌いな人が誰もいなくて、皆から褒められて、
自分に似合ってる。
そんな香水出会えるなら奇跡だと思う。
アナザー１３と言うのは知らなかったので、これを機会に気になって嗅ぎたくなった。
そういう意味ではマーケティング当たりだと思うけど、買うかと言われればそれは別。
万人受けて難しい。それは香水だけじゃなく、ファッションやメイクでも言われるけど、
そもそも「万人受けしなければいけない。」と言う恐怖感、義務感、
当たり障りのない自分でいなければいけない、個性を出してはいけない、
そう言う背景があるから、「万人受け」なんて言葉が生まれるんじゃないかと思う。
使い方を気を付ければ所謂万人受けじゃなくても似合ってる。
そういう時は「香水なんて」って人に向けては使わないし、相手にもしない。
その楽しみは分かる人の範疇に秘密に納めるんだと思う。
香水も服も化粧品もブランドの販促目的のトレンドと自分の好き嫌い、
似合うかどうかは全くの別次元です。
更にお洒落も身だしなみとして要求される、使う物も他社の顔色のみを優先し、
横並びでひざまづかせる。
全ては他人のためで個人の意思は品無しとされ、同調圧力をかける。
万人受けと煽るのは、顔無しであれと暗に言っているような気もします。
私はキツイ香水もそうですが、それ以上にタバコ臭いのは嫌ですね。
あれは他者を殺しにかかります。私にとっては重罪です。
香水や柔軟剤が香害と云われるのに、タバコにはいまだ人権があるのが理解し難い。
香水ってぇのは、似たような香りでも、
付けている方の印象とも結びつきまなぁ。
仰る通り「使いこなせるか」ってところでしょうか。
香水きつい人と乗るのは嫌ですね