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人間が食べる大豆は発酵したものに限る 2/3

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大豆にはフィチン酸塩が高水準に含まれる

すべての豆類には、フィチン酸塩がある程度存在するが、大豆には特に大量にある。フィチン酸塩は、消化管の中で、ミネラル(例えば亜鉛、銅、鉄、マグネシウム、カルシウム)をきつく拘束する働きがある。特に亜鉛との親和性が強い。亜鉛は、傷の治癒、タンパク質合成、生殖面の健康、神経機能、脳の発達を支えるミネラルである。発展途上国に住んでいる人々が先進国よりも身長が低いのは、豆類を多く食べることに起因する亜鉛不足が原因と考えられている。また、フィチン酸塩の多い食事は、知的発達にマイナスの影響があるという証拠もある。

たいていの豆類は、水に浸すだけで、大半のフィチン酸塩を破壊できる。しかし、大豆の場合、発酵の過程で生じる酵素の働きにより、摂食に適したレベルにフィチン酸塩を減らす必要がある。つまり、フィチン酸塩のレベルが最も低いのは、味噌やテンペといった発酵大豆食品であり、それこそが大豆を食べたい人には最適ということになる。また、失われる栄養素を補充するよう注意しながらであれば、豆腐も良い選択である。

全大豆、豆乳、大豆チップ、大豆タンパク質アイソレート(分離物)、大豆粉、その他の加工された大豆から製造される様々な製品(健康食品として宣伝されている)には、高いレベルのフィチン酸塩が含まれており、食べる価値がない。


未発酵の大豆には酵素阻害物質が大量にある

ものを食べると、アミラーゼ・リパーゼやプロテアーゼのような消化酵素が消化管に分泌され、食べ物を分解し、身体に同化・吸収できるように栄養素を解き放つ。未発酵大豆に多く含まれる酵素阻害物質は、この消化作用を妨害し、大豆の炭水化物とタンパク質が完全に消化できないようにする。酵素阻害物質のために食べ物が完全に消化されないと、代わりに大腸のバクテリアが仕事することになり、不快感、鼓脹、機能障害を引き起こすことがある。もともと消化酵素が少ないお年寄りの場合、大豆の酵素阻害作用で苦しむ可能性が高い。


大豆は甲状腺ホルモンの生成を妨害する

大豆には、ゴイトロゲンが豊富である。この物質は、甲状腺腫を形成するだけでなく、甲状腺ホルモンの生成を妨害することもありうる。甲状腺機能の低下が、アメリカの女性(特に中年)を悩ませている。甲状腺ホルモンは、細胞の燃焼炉(ミトコンドリア)に火を付ける。従って、甲状腺ホルモンの生成が少ないと、体温とエネルギー・レベルが低くなる。この甲状腺機能の低下こそが、お年寄りの一つ一つの動作が大仕事のようにゆっくりしている理由である。甲状腺機能の低下は、心臓の活動が減退していることを意味し、細胞への酸素供給の不足(ガンの主因)をもたらす。

ゲニステイン(大豆にあるイソフラボンのこと)は、甲状腺ホルモンの生成を遮断することもできる。それに更にフィチン酸塩が、亜鉛と銅を拘束して加勢するため、甲状腺ホルモンを作るために必要なミネラルがほとんど残らない。

GLUT1という輸送タンパク質が、ゲニステインによって遮断される。このタンパク質は、細胞にエネルギーを生成するブドウ糖を送り込んでいる。ブドウ糖の輸送が減速すると、甲状腺ホルモンだけでなく、身体のあらゆる活動に必要なエネルギーの生成が減少する。

大豆イソフラボンが身体のエネルギーを減退させるもう一つの理由は、チロシン・キナーゼ(分子から分子へのエネルギー輸送に関与する酵素)を妨害することである。この酵素は、細胞分裂、記憶の固定、組織修復、血管の維持・再生を司っている。

抗癌物質としてゲニステインに人気があるのは、この細胞分裂を制御する働きゆえだ。ゲニステインの抗癌性が注目されるようになると、大豆業界は、ゲニステインを欲しがる西洋の女性に受ける製品を熱心に開発した。この熱狂の最中、ゲニステインが正常細胞のエネルギーを低下させ、エネルギーの減退が生じることについては、ほとんど警戒されなかった。



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